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「ヘンゼルとグレーテル」- ヒーローズジャーニーの視点から

今日はジョセフ キャンベルによるヒーローズ ジャーニー (Hero's Journey)セオリーの視点から物語をみてみたいと思います。 はじめに、キャンベルの『ヒーローズ ジャーニー』は、ユング理論を物語の展開パターンに当てはめたものです。 ヘンゼルは継母の計画を盗み聞きした時点で彼女を殺しておけば、あるいは、話し合いを持ちかけ交渉に成功していれば、魔女を殺すことで継母のいない家に帰る、という辛い旅をせずにすんだものの、とうっかり思ったりするのですが、旅に出て様々な経験を

    • 「ヘンゼルとグレーテル」- ユング心理学の視点から

      こんにちは、灘田篤子です。 今日は前回取り上げた映画「関心領域」の中で父が娘に読み聞かせをするグリム童話「ヘンゼルとグレーテル」をユング心理学の視点からひもといていきたいと思います。 ユングは、寓話が内包する要素は神話や伝説よりも私たちの心理構造やパターンがより明確に反映されていると捉えていました。 寓話は、一人の作者のPsych(精神、心理、心、思考)から生まれたものではなく、数百年の時を超え、国を跨いで伝承されていく中で、文化や社会の影響を受けながら少しづつ内容が変化

      • 映画「関心領域」 - ユング心理学の視点から

        こんにちは、灘田篤子です。 今日は、映画”関心領域”(原題;The Zone of interest)について話していきたいと思います。戦火のもと暮らした人々の話は、広島で生まれ育った私の関心領域です。戦争から帰ってきて人が変わってしまった兵士達に虐待された妻や子ども達が70年以上経ってもなお生々しく被害を口にし始め、世代を超えて受け継がれるトラウマ心理へ光が当て始められているようです。 この映画についてポッドキャストでの対談(ゲスト:NZ在住イラストレーター恭子さん)は

        • 映画「怪物」 -ユング心理学の視点から

          怪物 x ユング (Spoiler Alart:映画の内容が描写されています。) こんにちは、灘田篤子です。今日は、映画”怪物”について話していきたいと思います。怪物はカンヌ映画祭で脚本賞と共にクイア パルム賞を受賞してるので、プライド月間でもある6月が終わる前にこのエピソードを公開したいと思っていました。 ゲストとこの映画談義を公開しています。https://podcasters.spotify.com/.../episodes/with-NZ-e2l6npm (pod

        「ヘンゼルとグレーテル」- ヒーローズジャーニーの視点から