読書レビュー　人生は攻略できる 君たちはこれからどう生きるか

　面白さ★★★☆☆
　オススメ★★★★☆
　難しさ☆☆☆☆☆
　ページ数:270

　ひとことで表すと…ネガティブな日本人にポジティブに考える機会を与えてくれる本

　私はこの本を読み進めるのが最初なんとなく辛かった。何故なのか考えてみると、自分がスクールカーストで低いカーストだったり、ポジティブに考えられないことで青春時代を浪費したと感じてしまうからだと思う。
　この本は、今からでもそういった無駄な浪費を防ぐことができる中高生にオススメしたい。

　この本では、自分のスピリチュアル(この本におけるスピリチュアルとは「自分らしくない」ことについて無意識に自分は知っている、という無意識のことで、怪しい響きの言葉だがそういった意味で使われていない)に逆らうな、その無意識を受け入れ、自分らしくないことは拒絶し、妥協しないことを勧めている。ここで妥協してしまうと、ほとんどの場合酷いことになると書かれている。例えば会社で嫌な仕事を強制的にやらされるなら、辞めてしまえばよい。昨今の日本では転職も当たり前になっており、そうした方が幸福になれる可能性が高いと考えられる。このような内容で、様々なものごとをポジティブに捉えられるように書かれており、自分の生きていく上での考え方や意識を見直すよい機会になる。

　また、この本では人生をRPGに例えて世界、攻略や説明をしていく構成になっている。お金についての攻略では複利についてや、共働き、上手い話は全て無視(上手いならその話を持ってきた人が一人占めするはず)すること、日本には宝くじを買うような経済合理性のない人が多いため経済合理的に行動するだけでプラスで、楽に生きていけることなど、お金に対する考え方の根幹になるような本のイメージに反してかなり堅実な内容が書かれている。

　全体として口語調で語りかけるようにやさしく書かれており、万人受けするような内容となっている。この本にあるような考え方ができ、攻略法の基本に忠実に生きていけば、確かに幸福を得やすいと思う。ただしその基本に忠実に生きることが難しいのかもしれないとも思った。

今回の本: 人生は攻略できる 君たちはこれからどう生きるか 橘玲 株式会社ポプラ社 2019