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読書レビュー メイカーズ進化論

 面白さ★★★★☆
 オススメ★★★☆☆
 難しさ★★☆☆☆
 ページ数:213

 ひとことで表すと……これからの製造業について考えられる本

 この本は、IoTについて考えを深め、これからの製造業がどうなっていくのか、どういう企業が生き残って行くのかについて考える機会を与えてくれる。

 著者はDMM.makeAKIBAという3Dプリンタなどを活用したハードウェアスタートアップのための製造拠点をプロデュースしている。メイカーズという言葉がタイトルにもあるが、著者はこれを新しいチャレンジをするスタートアップの事だと定義している。この本は2015年のものでこのジャンルの本としては少し古めだが、コロナなどを経験した現在の価値観に合わせても大きく異なっているとは感じないような内容になっている。

 大きくまとめると現在のDXの考え方、流れの一つでもある、「モノ売りからコト売りへの変化」の考え方について述べており、いわゆる大量生産大量消費ではなく、消費者の体験を高めるサービスやカスタマイズ性など、DXの考え方に合致するような部分が多くあった。また課題としての大企業でのイノベーションの難しさについても書かれており、8年以上経った現在においてもこの課題は解決できていないと感じている。逆に言えば、この課題を解決できた企業が次の時代を担う企業になっていくとも考えられ、一人の技術者として身に染みる内容だった。

 この本は先述の通り、テクノロジー関係の本としては古めではあるが内容は現在のDX推進の流れに合致した内容になっており、今でも読む価値のある本だと感じた。

今回の本:メイカーズ進化論 本当の勝者はIoTで決まる 著 小笠原 治 NHK出版 2015

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