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長編連載小説『破線』第155話。

 あの湖沼が犯行現場だ。関川が浸潤液から、ライターを取り出して、俺に返し、

「永井、もうちょっと、あの近辺を洗ってくれ。ガソリン事件との関係も気になる」

 と言ってきた。言い得て妙だ。ガソリン事件は、あのガソリンスタンドで、白昼公然と行われた。俺も、あの犯行に関しては、難しい物を感じる。関川が、

「追加の物証を探せ。それしかない」 

 と、俺に矢の督促をしてきた。矢の督促をするのは、当然の帰結だ。(以下次号)

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