命への讃歌~絵本「ありがとう」~
ある日突然「母」になる。
母に、父に、育まれて、成長してきた私が、
お腹に赤ちゃんが宿って、
次は私が母になる。
母になって、子ども育てる。
それはどんなふうに。。。。。
ある日突然「母」になる。それは子どもが産まれた日。
抱っこをしてお乳をあげる。おむつを替えて、泣くのをあやす。なかなか寝てくれなかったり、うまくおっぱいを飲んでくれなかったり、すごく幸せなんだけど自分の時間はなくなった。うまく自分の感情をコントロールできなくなって、イライラもする。
こんなことになるなんて。自分てダメだ。なんで泣き止まないの。こんなはずじゃない。
赤ちゃんが生まれて突然、「母」って役割に縛られる。
「お母さん」ってこういう人。赤ちゃんに優しくて、大変だけどいつも一生懸命で、可愛い赤ちゃんと一緒なんだから、母は強いんだから。。。
でもそれは、自分で思い込んでる母親像。
「母」ってこうあるべき。
いつの間にか思い込んできた、刷り込まれてきた。自分で作り上げた。
それを優しく溶きほぐしておく。マタニティの期間に、お腹の赤ちゃんと対話しながら。お腹に赤ちゃんが宿った時、自分の中に「母」の芽は生まれてる。
思い出すのは、子ども時の自分。
お母さんにこんなことしてもらった。
あの時こんなことを感じてた。
ぽつりぽつりと脈絡なくふってくる遠い記憶。それを頼りに、時に反面教師に、軌道修正しながらする子育て。
絵本は、心を優しくほぐしてくれる。
絵本「ありがとう」は、
命への讃歌。
そして一人の女性である自分と、ママになる自分をつないでくれる。
「命」をキーワードにして。
谷川俊太郎さんの言葉に、えがらしみちこさんの絵。
みちこさんの絵はかわいい。ぼやけた水彩の色だけど、濃いと薄いが無理なく同居していて、にじみでることがない。かわいらしいけど、押し付けがましさや、甘たるさはない。
愛が包み込まれている。
ページを開くごとに、ふわりとそよいでくる。
谷川さんの言葉は、オリーブの枝のよう。短くても細くても、まっすぐ強くしなやか。そして美しい。
「空 ありがとう」
感謝の思いはやがて世界へ広がって、宇宙の果てから、この小さな自分に戻ってくる。宇宙と自分はひとつながり。
自分ってなんだろう、だれだろう、よくわからないけど誰も知らないけど、命って偉大。この自分を精一杯生きよう、「ありがとう」。
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