見出し画像

盤上プロトタイピング経過報告 RogueEna

今日は先日行ったプロトタイピングの経過報告です。

短く説明すると、今作っているゲームの面白さを検証するために駒や石を使って盤上で手動のシミュレーションを行うものです。

先日から何度か試していましたが、魔法の杖のラインナップの変化によるゲーム性の違いをまず試していました。

最初は以下の杖で行っていました。

・飛びつき
・場所替え
・吹き飛ばし
・ワープ
・鈍足
・金縛り
・混乱
・封印
・睡眠
・加速

これらは風来のシレンに倣ったものを一部変更したものです。この方法ではゲームに勝利、つまり盤上の敵を殲滅させることはできませんでした。半分ほどに減らすことはできましたが、プレイヤーの位置が動くことはなくひたすら杖を振りまくるだけのゲームとなっていました。

身代わりの杖

つぎに、これらに加えて「身代わり」の杖を追加しました。身代わりとは、ある敵1体をプレイヤーの代わり攻撃対象として誤認させる術です。これを必ず1本初期状態で所有させるようにしてプレイしてみたところ、敵をすべて倒すことができるようになりました。

身代わりとなった敵が別の敵に囲まれ、プレイヤーの周囲から離れることとなり、プレイヤーは位置を移動する行動も可能となりました。敵同士が戦うことになるため数を減らすことにも効果がでました。

風来のシレン同様、敵は何かを倒すと1段階強化されるようにしましたが、それでもほぼ安全に攻略することが可能でした。

身代わりの杖の効果は凄まじいものです。風来のシレンにおいては、この杖を容易く手放すべきでないと定石的に決まっていますが、それはこのボードゲーム上でも同じことでした。

しかし、問題がありました。身代わりの杖に頼る以外に戦術らしいものは生まれませんでした。プレイヤーは移動可能になるものの、安全な距離を保つために移動するだけでした。

ここまでの作業は、単に風来のシレンのような遊びが可能かどうか検証するだけであり、その点には問題はありませんでした。身代わりの杖だけで戦況がひっくり返されることは、風来のシレンそのものでした。簡易的なシミュレーションでありながらも、欲しているプロトタイプは機能していると確認できたということです。

なので、次のフェーズとして自分なりの新たな仕様を追加することになりました。

今回はその1つを紹介します。

トラップの仕様変更

床には罠が配置されていて、罠の存在する可能性が0%ではない場所はプレイヤーにわかるようになっています。今回、その罠を敵が踏んでも発動するように変更してみました。風来のシレンで言えば「ワナ師の腕輪」のようなものですが、正確には次のような仕様としました。

・全ての罠は初期状態では内容が伏せられている
・伏せられた罠はプレイヤーが踏むと発動するが、敵が踏んでも発動しない
・発動した罠は内容が公開される
・開かれた罠はプレイヤーであれ敵であれ、踏んだら発動する
・杖の魔法弾が通過した場合、未発動であっても罠の内容は公開される
・敵は公開されている罠を避けようとしない

この仕様変更によって、身代わりの杖がなくとも攻略することが可能となりました。罠の内容に恵まれていればあっというまに勝つことができますし、逆も然りです。

この仕様での主力戦術は、杖によって遠方の罠を展開させることでした。なるべく敵をプレイヤーに近づけないように罠を早めに展開させ、プレイヤーが移動して罠に誘導させることで敵の動きを操るようにし、遠方から罠でダメージを与えることができました。

罠というプレイヤーに対する障害を利用して攻略する、という遊びが十分に面白いことがプロトタイピングでわかりました。やや面倒な罠チェックのメリットにも繋がるでしょう。

他にもできることがたくさんある

罠に加えて、敵の特色、プレイヤーの所持品のバラエティが、その組み合わせにより面白さにつながるのではないかと期待しています。そのため、まだ焦らず様々な検証を行ってから実装していこうと思います。

具体的には合成とインベントリの仕様について試している最中です。

実装前に検証できるのは本当に楽ですね。ソフトウェアデザインから解き放たれた状態で試行錯誤できるわけですから。

応援してくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします!