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Masatoの感想を書いたバイヤー猫

更新者前書き

ご無沙汰しております。
ニトリの着る毛布を購入しました。昨年は暖房による暖房で電気代がなかなか大変なことになったので、少しでも抵抗しようという魂胆です。

こちらはニトリのではないですが、イメージとしてはこんな感じ。
Nウォームの最上級のものを購入しました。最高に肌触りがよく既に重宝しております。
今回のMasatoですが、私も大好きな小説です。どんな感想なのでしょうか。

Masato 岩城けい 著


父親の仕事の都合でオーストラリアに住むことになった真人。姉は高校進学が近いために日本人学校へ通い、英語が話せるようになった方が良いという理由で、真人は現地学校へ。日本なら小学6年生なのに、英語ができず5年生のクラスに入る。
子供だからすぐ馴染める、子供だからすぐ話せるようになる、将来のためにという大人たちが決めた理由により現地学校へ通う真人は英語が話せないことでいじめに合う。

大人は簡単にいうけれど、子供だって新しい環境に適応するのは困難だ。そして中途半端な立ち位置で自分のアイデンティティがわからなくなる。
日本語と英語での葛藤、日本人としての自分とオーストラリアにいる自分とのズレに戸惑う。たとえ日本に帰っても日本にいた頃の自分とは違い居場所が無い。

現地の子供たちと同じ様な生活態度や英語能力になってきたところで、英語が堪能ではない母に疎まれ英語で話すことを止められる。読んでる最中は母親の身勝手さにイライラした。友人たちの境遇にしても、親という存在への反感が募る理由の一つだった。
好きなサッカーを通じて友人を得たこと、真人自身の優しさにより得た友人もいる。真人が少しずつ変わっていき、成長してやりたいことを見つけて自立していく流れがリアルであり感動的。
真人だけでなく、家族のかたちも変わっていく。その変化が良いものであるかどうかは家族にしかわからないことだし、母親が悪者というわけでは決してない。誰が悪いかというのがないのが辛いし、正解もない、成長と自立が言葉を使ってとてもリアルに描かれている素晴らしい本だと思う。

評価

バイヤー猫に評価を聞いてみたところ
評価は★★★★★ 
だそうです。
満点評価!

続編があるらしいけど、この終わり方に、満足だからたぶん読まない。蛇足な気配。
いやー嬉しいですね。私が好きな本が面白いというのは。

更新者あとがき

Masatoは良い小説です。確か作者の岩城けいさんは、外国に住まわれていた方だったと思います。その方が書く外国の風景がリアルでリアルで・・・。
最初真人は寿司!寿司!と煽られるんですよね。日本にアメリカ人が来ても、ハンバーガー!ドナルド・トランプ!ドル高!ドル高!みたいにならないような感じがするんですよね。もっと陰湿な感じがします。
この小説の醍醐味は真人の成長というより、真人が周りに認められていく過程が好きなんですよね。やりたいことを見つけ、それに直向きにできる環境を自分で作っていく。そこがぐっときます。
続編ありますが、正直もっと政治色が強くなるので、そんなでもなかったです…。蛇足と言うよりか、もっと別物と考えていいかもしれません。
それではまた。

続編はこちら。


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