2020年7月17日

アプリの出会い方が、変わるかもしれない、2020年代。未来予想図。

先日、WWDCで発表されたiOSの新サービスによって、アプリのあり方が変わる可能性について書きました。

これにより、ユーザーはAppStoreだけでなく、App Clipsというチャネルでも、アプリとの偶発的な出会いをしていくことになると思います。

実は、今年のWWDCでは、もう一つ、アプリとの偶発的な出会いをもたらすサービスを発表していました。
さあ、Appleファンの皆さん、iPhoneファンの皆さん、WWDCを観た皆さん、思い出してください。思い当たるものはありますか？

答えは、『Face Sharing』です。

Face Sharingのアプローチは、とてもユニークです。
Android Wearでは、文字盤デザインのアプリを開発して、自由にカスタマイズすることができましたが、そこにはアプリケーションは伴いませんでした。
Appleのアプローチは、「文字盤デザイン」の共有ではなく、「アプリの共有」、さらに言えば、「アプリ機能の詰め合わせの共有」です。

人によっては、「いいデザインがほしい」ということで探す人もいますが、一方で、「育児に向いている文字盤がほしい」「出張に向いている文字盤がほしい」「オフのときに向いている文字盤がほしい」など、シーンやニーズで探すことができます。
そうして、出会った文字盤にプリセットされたアプリが、自分のiPhoneにインストールされてなければ、アプリをインストールすることができます。

はい、出会えましたね。

先人の知恵を借りろ、というのは、現代のニーズに合っているのかもしれません。
既に、コンシューマは二分化しています。
一方は、アーリーアダプター、エバンジェリストとして、自ら探索し、知恵を共有する者。
もう一方は、そのエバンジェリストを、自らの基準で信頼し、その人が進めているものを消費していく者。
2010年代の人々が、Googleを離れ、InstagramやYouTubeで、この需要と供給のサイクルを満たしているのは、まさにこれです。
Face Sharingも、きっと同じ現象が起こります。
もう自らアプリを探すのは辞め、流行を追うことも辞め、信頼する人が使ってるものを皆で使う流れが生まれるかもしれません。

そしてこの流れは、おそらく、iOSに訪れてくると思います。

手始めは「ショートカット」シェアリングでしょうか。
ショートカットは共有できますが、アプリがインストールされていないと未完成になります。
これが、Face Sharingのように、アプリもセットでインストールできたら便利ですよね。
Home Podを加速するためにも、このアプローチは必要ではないでしょうか。

次に、ウィジェットによるカスタマイズが加速していけば、「ホーム画面」のシェアリングが訪れるかもしれません。
ホーム画面のコレクションを、並べていき、末尾の画面にAppライブラリ。
シーン別にホーム画面をスワイプしていく、そんな使い方、すぐに訪れそうな予感がします。

もしかしたら、こういうった「アプリの一部機能のシェアリング」がスタンダードになってくると、App Clipsが活用されてくるかもしれません。
App Clipsの詰め合わせになれば、ユーザーは、いちいち重たいアプリをインストールする必要がありません。

例えば、宿泊先のホテルで、滞在に便利な「文字盤」と「ホーム画面」を配布していて、滞在社は、Clips用のQRコードをスキャンすると、App Clipsが詰め合わされている文字盤とホーム画面を、モバイルネットワークでダウンロードできる。
次に、テーマパークに訪れたら、そこでまたダウンロードする。
そんな感じで、シーン別に、自身のスマホをインスタントにカスタマイズできる。
更に、この体験は5Gが後押ししてくれることでしょう。

なんて、便利な世の中なんでしょうか。

そんな感じで、スマホアプリの使い方や出会い方が、大きく変わる可能性を秘めている、今回のWWDC。どう評価されますか？

僕の未来予想は、いつ実現するのか、はたまた、実現するのか際、不明ですが、こんな未来を想像しながら使ってみると、楽しいかもしれません。

iOS 14、Watch OS 7、楽しみですね。