再試験への復習 ~設備編~

一級建築士製図再試験まであと1ヶ月になりました。徐々にペースとモチベーションを上げていきましょう!

さて今回はフォロワーさんの質問から設備に関してどう復習するべきかという点について書いていこうと思います。


1.設備がわからない人の特徴


設備がわからないと言う人には次のような特徴があります。
①設備の画像がイメージできていない
②テキストの文章だけで理解しようとしている
③製図問題回答例で設備部分をマーカーでチェックしていない
④PS・空PS・DS・EPSの上や下に梁が通っている

などが挙げられます。これに一つでも当てはまったら設備の復習が必要だと思ってください。

まず①・②ですが大抵の受験生はこの状態です。ですのでチラーユニットがどういうものなのか、なぜ外部において良いのかわかっていません。もちろん姿・形もわかりません。ですので皆さんにはまずネット等で自分がわからない設備を検索して、どんなものか調べてください。
検索するだけでもかなり違います。
実物がわかると「だからあのスペースに納まるんだ」と理解できます。

画像1


写真:消化ポンプ(テラル株式会社HPより引用)

よく階段下に設けられる消化ポンプ室。これも消火ポンプがコンパクトなものなので階段下に設置できるのです。

このように実際の画像を見てなぜそのスペースに置けるのか理解できるようにしましょう。

③・④は今までやってきた問題の回答例を確認して、選ばれている設備形式と図面での表現を結びつけるようにしてください。


2.設備の勉強をする前にまずは


上にも書きましたが、設備の復習としてテキストや解答例を見る前にまずは自分がわからない設備についてネットで調べてください。

それが基本となります。ここで画像イメージがついていると理解しやすいですし印象にも残ります。

時間があればこういった設備関係はカタログがネットでダウンロードできるのでPDFをスマホに入れておいても良いでしょう。


3.なぜ・どこに・なにが必要か


それでは次に復習の際に気をつけてほしい事を書いていきます。

それは「なぜ・どこに・何が必要か」ということを理解することです。この3つが製図試験で必要になります。

まずは「なぜ」
これはなぜそこにその設備を選択したのかということです。
空調を例に取ってみましょう。

例)200㎡天井高6mの展示室の空調を吹き出し能力が高い空冷ヒートポンプチラーユニットを採用した。

この場合では天井が高いために吹き出し能力が高く室内環境を一定に維持しやすい単一ダクト方式を採用したという、そのなぜという理由が重要なのです。このなぜを説明するには設備に関する特徴を理解していなくてはなりません。これを説明できないと要点で図面との不整合が出てしまいます。要注意です。

まずはこの各設備の特徴と言うべき「なぜ」を学習してください。


次に「どこに」です。

これはどこにその設備がくるかということです。電気機械室と要求されていない場合、どこにその設備を設置するのが正しいのかを判断しなくてはいけません。この部分があいまいだと電気機械室があるのに、屋上にいつもの流れで屋外キュービクルを設けてしまったり不整合につながります。

また空調で言えば、個別熱源分散方式のダクト接続型を選択した場合その要求室に隣接して空調機械室が必要になります。

これらの「どこに」何を設置しないといけないのかを覚えてください。


そして最後は「なにが必要か」ということです。

それは空調用PSや室外機スペース、DS、EPS、PSなどです。設備はそれを成立させるために必要なものがあります。それが上記のPS等です。

これらを選択した設備と一緒に適切に配置しないといけません。

単一ダクト方式なのにDSがない。個別分散熱源方式なのに空調用PSがない。ダクト隠蔽型なのに空調機械室がある。そんな矛盾が起こってしまいます。

あと今回は屋上庭園が要求されます。最上階の屋根(屋上)を緑化する計画では維持管理用の給排水が必要になりそのPSも一緒に計画しないといけません(PS一箇所程度で良いかと思いますが)

このように選択した設備でもその他に必要なスペースが変わってきます。それを整理してエスキス・作図で矛盾のない整合性の取れた図面に仕上げていきましょう。


4.図面で確認


それでは今まで書いてきたことを踏まえて、今までの自分の図面と回答例を比べてみましょう。意外と同じ設備を選択しているのに配置が違っていたりしませんか。違っているという方はその図面の設備部分をチェックして確認しておきましょう。それを事あるごとに確認することで設備の理解に繋がります。


最後に設備は意外と落とし穴だと思います。今後の建築士の学科試験でも設備関係の問題が増えることが発表されていることから、設備が厳しく審査される可能性もあります。皆さんこの機会にしっかり設備関係の復習を行ってください。必ず必要になってきますので。


この記事が質問をくださったフォロワーさんの役に立てば嬉しいです。何かご質問があればコメント欄かメッセージを送って下さいね!

遠慮してはダメですよ!わからないことを溜め込まない!

それではこの他にもこういうことを聞きたいというリクエストもお待ちしております!



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