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夏を迎える前に知っておきたい化学繊維アレルギー

こんにちは、ファクトリエ代表の山田(tocio_yama)です。

ファクトリエは、「語れるもので、日々を豊かに」をミッションとしています。日本各地のこだわりを持った工場と一緒に、誰かに語りたくなる(技術と品質にこだわった)服のブランドです。

安心して使って頂くため、

ベーシックなデザイン
②ずっと愛用できる高い品質
③工場のオンリーワン技術による機能性
④何かあった際の修理/交換
環境負荷の低い素材の使用(土に還る天然素材など)

を心がけています。

さて、少しずつ暖かくなってきましたので、「化学繊維によるかゆみ」について書きたいと思います。

化学繊維でかゆみが発生する理由とは?

接触冷感のインナーや形態安定シャツなど、衣服には化学繊維が多く使われています。便利な反面、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維に肌が負けて湿疹やかゆみが出るようになったという声をお聞きします(アレルギーの世界でも近年、肌が食べ物に触れることでアレルギーが発生することわかってきたそうです)。

ポリエステルなどの化学繊維の多くは吸湿性が低く、速乾性が高いため、汗が皮膚に残り、皮膚を刺激します。汗には炎症を起こす物質が含まれるため、汗がたまりやすく、熱気や湿気がこもってしまいます。そのため、摩擦を受けやすい部位(首周りや脇の下、腹回り、肘の内側)にかゆみが発生してしまいます。ポリエステルでかゆみが出てしまう方は、できるだけ通気性、吸湿性の高い下着や衣類を着ることが重要です

また、肌への締め付けが刺激となります。ブラジャーのワイヤーや肩紐、ホック、タグ、レースなどの圧迫や摩擦も原因となり、かゆみが起こります。歩いたり座ったりすれば繊維が肌に擦れてダメージを受けてしまいます。ウエストや裾のゴムやレース、折り返し部の厚みや縫い目が肌を刺激し、かゆみの原因となるのです。

意外と知られていませんが、刺激を軽減するためには素材(編み方)も重要。化学繊維でも天然繊維でも、テンションを緩めに編んだ素材は締め付けが少なく、ストレスが軽減されます。サイズ感だけでなく、ぜひ少し緩めの素材を選ぶことをオススメします。

生地の粗い化学繊維を着ると、肌に刺さり、皮膚への刺激となります。粗い繊維によってチクチク、ヒリヒリした痛みやかゆみが起こります。原因となる服(繊維)を突き止めて、その繊維との接触を回避する必要があります。

「化学繊維アレルギー」とは(アレルギー専門医の先生に聞いてみた)

大矢幸弘(おおやゆきひろ)先生

プロフィール:
国立成育医療研究センターアレルギーセンターセンター長。1985年名古屋大学医学部卒業、同大学小児科、国立名古屋病院小児科を経て95年国立小児病院アレルギー科医員。2002年から国立成育医療センター(現在の国立成育医療研究センター)アレルギー科医長を経て現職。この間、1994年ハーバード大学心身医学研究所、97年から2002年ロンドン大学聖ジョージ医学校公衆衛生科学部研究員を併任。専門は小児科学、アレルギー学。日本小児科学会指導医、日本アレルギー学会専門医指導医、日本心身医学会専門医。

化学繊維については、実はアレルギーではなく、単に刺激になっているだけという可能性が高いそうです。

よく原因が分からないものは、何でもアレルギーと診断される傾向がありますが、厳密な意味でのアレルギーではありません。

そもそもアレルギーには、Ⅰ型(即時)とⅣ型(遅延)があります。

Ⅰ型(即時)は、食物アレルギーとか花粉症のように、あるタンパク質に対する、特異的なIgE抗体を作ってしまう状態です。ホルマリンのような分子量の小さいものは人体のアルブミンなどのタンパク質と結びついて特異的なIgE抗体が作られます。Ⅰ型アレルギーは即時型アレルギーといって、体に入ってくるとすぐに反応してしまう。だから典型的な症状は蕁麻疹なのです。

もう一つは、Ⅳ型(遅延)アレルギーで、タンパク質ではないものにも起こります。特に金属アレルギーというのをお聞きになったことがあると思いますが、IgE抗体は関与せず、繰り返し金属に皮膚が曝されるうちに金属に感作を受けたT細胞ができます。そしてその金属と感作T細胞が反応してサイトカインが放出されアレルギー反応を起こします。この反応はゆっくりおこるので2日とか3日とかいう時間がかかるのです。

化学繊維によるアレルギーはどちらなのか?というと、化学繊維はタンパク質ではないことが多いので、Ⅳ型(遅延)アレルギーのはずですが、着てすぐに痒くなる人が多いのはなぜでしょうか。
本当はアレルギーではなく、単に刺激で痒くなっているだけの可能性があります

なるほど、化学繊維アレルギーというのは存在しないんですね。

化学繊維で肌がかゆい人の衣類選びと対策

できるだけ「天然繊維」で汗の吸収・放出がよく、柔らかく、摩擦が少ない肌にやさしい生地を選ぶことが大切です。

肌着や衣類の刺激を軽減するには素材選びも大事です。繊維の編み方や糸の細さや柔らかさを見て、刺激がないものを選びましょう。

肌にやさしい素材を選ぶ

肌に直接化学繊維の服が当たらないように、肌にやさしい肌着を着ることがおすすめです。例えば、コットンであればおすすめは超長綿という素材。綿花の中で5%しか採取されない超長綿は、繊維は繊維が細く、35mm以上ある綿のことです。とても細くて長い綿なので、しなやかさがあり、肌触りがよいこともあって肌への刺激が少ないでしょう。オーガニックコットンも良いとは思いますが、どちらかというと繊維の細さ、柔らかさを優先して選ぶことがおすすめです。

また17.5マイクロン(Super 120’S)以下の細さのメリノウールはアトピー性皮膚炎の子どもに良い効果が現れたとマードック小児研究所 (MCRI:Murdoch Childrens Research Institute) のジョン・スー准教授主導による研究で検証されています。

これから暑くなってきますよね。
汗をかくことでかゆみの原因になることもあると思います。そんな時、安心できるインナー選びの参考になれば幸いです。

(興味がある方はこちらも読んでみてください)

それでは、またお会いしましょう!

良い週末をお迎えください。^^

山田

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2023年の春向けの《ベストバイアイテム6選》
《MEN》
1.エアーブルゾン:12,100円
2.上質コットン100%のドレスTシャツ:9,790円
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《WOMEN》
1.上質コットン100%のドレスTシャツ/ボートネック七分袖:9,790円
2.エアーノーカラーブルゾン:12,100円
3.ミラノリブワイドパンツ:17,600円

肌に悩みのある方で洋服に困っている方がいましたら、
ぜひ気軽に私のSNS宛(山田のTwitter)にご連絡ください。


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