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解糖系(糖質)とエネルギー生産

こんちには。私たちは普段体を動かす際に(割愛)・・・

今回は”解糖系”すなわち糖質からATPを作り出す代謝経路について記事にしていきます。宜しくです。

解糖系

グルコース(ブドウ糖)からピルビン酸乳酸を生成する代謝経路になります。代謝する過程でATPを合成し、ADPと無機リン酸に分解する過程で生じるエネルギーを用いて我々は日々、活動しています。

解糖系の種類

乳酸を産生しながらATPを作り出す”早い解糖”※(別名:嫌気的解糖)
※酸素を必要としない経路

ピルビン酸→アセチルCoA→TCA回路を経由してATPを作る
”遅い解糖”※(好気的解糖) ※酸素を用いる経路

嫌気的解糖→無酸素運動  好気的解糖→有酸素運動
と一般的に言われています。


グルコース代謝経路


https://nutritional-engineering.net/glycolysis-place/
※オレンジ文字が酵素になります

フルクトース6-リン酸→フルクトース1.6-ビスリン酸に変換される過程では
”マグネシウム”が必要になります。

マグネシウムの他にも重要な※補酵素が幾つかあります。
※各代謝の促進に必要な酵素

ピルビン酸までの流れが”嫌気的解糖”になります。
ブドウ糖一分子から2molのATPが作られます。


http://wakuwakuyasai.blogspot.com/2013/04/blog-post_9684.html
TCA回路(クエン酸回路)

ピルビン酸が脱炭素化され変換された”アセチルCoA”はTCA回路(クエン酸回路)にて代謝され、2molのATP”好気的代謝”により生成されます。

TCA回路にて生成された電子(NADHやFADH₂)は電子伝達系に運ばれ
電子伝達体では合計34molのATPが作られます。

TCA回路(クエン酸回路)の詳しい解説は、上記ブログをご覧ください。

嫌気的(無酸素)代謝で作られるエネルギー(ATP)は
スピーディーだが少量しか作れないのが特徴になります。

クレアチンリン酸から代謝されるエネルギー(ATP)も同様です。
スピーディーな機構ほどエネルギー生産効率が悪いと言えます。

ホスファゲン機構の詳しい解説については上記ブログをチェック。


トレーニング時(数秒から数十秒)、爆発的な出力を要する際は解糖系へのエネルギー依存が7-8割に上ります。

解糖系のエネルギー供給をスムーズにすることがパフォーマンス向上につながると言えます。

代謝に関与する補酵素

・NAD(ナイアシン) ・ビタミンB6 ・ビタミンB1 ・ビオチン
・パントテン酸 etc…

上記ビタミンが体内で機能する際は”活性型”になる必要が有り
その働きを行うのがマグネシウム・鉄分になります。


乳酸と疲労の関係

運動により生じた乳酸が増加する事で”疲労の直接原因になる”
は正しくは間違いです。

”間接的に乳酸が増える事で疲労を感じやすくなる”
という表現が正しいと言えます。

乳酸とは
乳酸イオン水素イオンの総称を指します。

水素イオンが増えるほど体内は酸性に傾き、それに伴い筋出力低下を引き起こします。

筋出力低下を招くメカニズムは以下の通りです。
筋肉が収縮する際は”カルシウムイオン””トロポニン”(タンパク質複合体)が結び付く必要が有ります。体内pHが酸性に傾くことで結びつきが悪くなり、ひいては筋出力低下を引き起こします。

また、体内pHが酸性に傾くことで各代謝酵素・補酵素反応が低下し、ATP供給スピードの低下を招きます。

運動を行う際に必要なATPが足りないことで”主観的疲労”に繋がります。

これが乳酸=疲労原因正体です。


解糖系にマイナス影響を与える抵抗因子

グリコーゲン(体内貯蔵糖質)の枯渇

筋グリコーゲン(~400g)、肝グリコーゲン(~100g)の充足度が大切です。
※血中グルコースは10~20g程度


インスリンの減少

小腸から吸収された糖は血中へ放出され、細胞内へ運ばれ始めてATP産生にに関わります。細胞内へ運ぶためには膵臓からインスリンが分泌される必要が有りますが、インスリンの材料が不足する事でインスリン分泌能が低下します。

インスリンの材料はアミノ酸ビタミン(特にC)亜鉛etc…になります。


インスリン抵抗性(GLUT4非活性)

インスリンが分泌されると細胞内へ糖が運ばれ血糖値が低下します。
インスリン自体が糖を運ぶわけではなく、GLUT4(輸送体)により細胞内へ糖が運搬されます。

インスリンが分泌されインスリン受容体に反応する事でGLUT4が働きますが、受容体との反応(感受性)が低下する事でGLUT4が働かず、糖を細胞内へ運搬できなくなります。

GLUT4の機能低下を招く原因は様々です。今回は摂取する事で機能低下を緩和する可能性のある栄養素を幾つかピックします。

・マグネシウム ・ビタミンD ・αリポ酸 ・アルギニン ・EGCg 
・EPA ・亜鉛 ・βコングリシニン(大豆たんぱくの主成分)


補酵素/タンパク質の不足

タンパク質はほぼ全ての酵素の材料になります。
アミノ酸もインスリンの材料になりますし。

補酵素に関しては上記でも触れていますが
NAD(ナイアシン)、ビタミン・亜鉛などです。


最後までご覧いただき有難うございます。
インスリンシステムに関しては今後更に細かく解説したいと思います。



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