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読んで書くこと、そして人生とアート

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読書や文章作成に関する本の感想や、自分なりの読書に対する考えのようなものをまとめていきます。人生とアートを本で語れるようになりたくて。 人間の思考について突き詰めていくと「言語…
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#書評

ヘーゲルと六ペンス

ヘーゲルと六ペンス

ある視座を与えられると、もう、そう見るのが自然に思えてしまう。それこそが哲学の力であるし、歴史を変えてきた力の源泉とも言える。

この、"哲学の力"を再認識できた本が、竹田青嗣さんの『哲学は資本主義を変えられるか』。ヘーゲル哲学を基本に、近代国家の視座を与えてきた哲学が分かりやすく再構成されている。納得感の高さが「ポスト資本主義は、反資本主義ではない」という主張に説得力を持たせている。

機械派のシンプルな主張

機械派のシンプルな主張

一つ前のエントリーで、ポジショニング派の大御所が「人間派」であった話を書いた。一方で、ハーバード・ビジネス・レビュー2018年1月号で言えば、クリス・アンダーソン氏の考えが「機械派」と呼べそうだ。

「ドローン・エコノミー:データ取得の革命がビジネスを変える」(DHBR2018年1月号)

氏の主張はシンプルで「他の選択肢より機械の方が優れた仕事ぶりを発揮するならば、自ずと機械に任せるようになるだ

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ポジショニング派が語る「人間の拡張」

ポジショニング派が語る「人間の拡張」

経営戦略をかじったことのある方は「ポジショニング派」とか「ケイパビリティ派」とか聞いたことがあるかも知れない。

ポジショニング派の代表格がマイケル・ポーター氏。その大御所がハーバード・ビジネス・レビュー2018年1月号でARを使った人間の拡張について論じている。

「AR戦略:拡張現実の並外れた可能性」(DHBR2018年1月号)

「人間の拡張だなんて、ケイパビリティ派に転校したのか?」なんて

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[書評]テクノロジーは戦略をどう変えるか:ハーバード・ビジネス・レビュー2018年1月号



ハーバード・ビジネス・レビュー2018年1月号の未来感がすごい。21世紀の1/6を過ぎた時点で、先頭集団と後続集団の時代感覚の距離は離れる一方と実感。ちょっとした焦燥感。

今月号では「技術」を特集している。「競争の戦略」「競争優位の戦略」で有名なポジショニング論の泰斗であるマイケル・ポーターが、AR/VRを使った業務効果の拡大を論じる。まだまだ現役。その横で「ロングテール」「フリー」「シェア

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[書評] GE 変革を続ける経営:ハーバード・ビジネス・レビュー2017年12月号



GEの経営者就任期間は長い。ジェフリー・R・イメルト氏が2017年7月末にCEOを退任されたが、それまで約16年間勤めていた。退任して四半期過ぎ(後任が就任して100日過ぎ)という旬なタイミングで、特集が組まれている。たしかに、読むなら今かも。

GEは100年以上の歴史がありダウ平均株価銘柄の初回からずっと採択されているという老舗企業で、従業員も30万人以上。一方で社員の半分が社歴5年以下と

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