見出し画像

小説 8050

久しぶりに朝から一冊完読。
ずっと手元に寝かせておいた、
林真理子さんの新刊『小説8050』(新潮社)です。
引きこもり状態にある50代の子の生活を支える
「8050問題」と「学校のいじめ」をテーマとし、
大反響になっていましたから、
すぐに読みたいと思って、買っておいたけど、
なかなか時間がなくて、
今日やっと手にとりました。

物語のあらすじです。

親から引き継いだ歯科医院を営む大沢正樹は
大手会社で秘書をしていた美人で従順な妻節子、長女由衣、長男翔太の4人家族。見た目には幸せな歯科医家族ですが、実は7年前から引きこもりになっている長男翔太を持て余し気味に暮らしていました。
由衣の結婚が決まり、引きこもりの弟がいるのは困るときつく言われ、なんとか息子を更生させようと、手立てを考えますが、翔太は荒れる一方で、ついにガラスを割るなどの暴力も振うようになり、身の危険すら感じりようになります。
対処法ばかりに目がいっていましたが、引きこもりの原因が中学2年生の時受けたいじめであることがうっすらとわかってきました。
息子の身に起きたこと、いじめの実態が明らかにすべく、正樹は熱血漢弁護士高井に弁護依頼し、翔太とともに裁判を起こす決心をします。
夫の強引さについていけない節子、結婚相手との人生しか考えられない由衣、家族はバラバラになっていきます。そして…




〜最後は再生物語となるので安心してお読みください〜

林真理子さんと松任谷由実さんは同じ年で
私の二つ上…
一歩前ゆくおねさえさん。


いつもタイムリーな小説を
世に出しています。




さて、私の弟は若い時に
双極性障害の診断を受けました。
発病した時、母はすでになく、
父は再婚していましたので、
弟の面倒を見るのは私しかいませんでした。

鬱状態より躁状態が多く、
酔っ払いのように気が大きくなり、
金銭感覚も大雑把になったりしました。

どうして…
助けて…
何度も途方に暮れました。



この小説のように、
庇ってくれる親がいないし、
今のように助けてくれる行政も少なかった時代。

でも、お友達や先生や近所の人…
周りの人たちが、
いっぱい知恵をくれて、
助けの手を伸ばしてくれて、
なんとか生き抜きました。

引きこもる場所がなかったのです。

やがて時がたち、
弟は落ち着いて、
人生の伴侶も得て、
還暦を迎えた時は本当嬉しかったです。

なんとか生き延びた姉と弟です。

しかしながら、
私の周囲には何人もの中高生引きこもりの
世話をしている親がいます。

中高年引きこもり (著者: 斎藤環)
では実態が浮き彫りになります。

内閣府の調査では、40~64歳のひきこもり状態にある人は推計61万人と、15~39歳の54万人を大きく上回る。中高年ひきこもりで最も深刻なのは、80代の親が50代の子どもの面倒を見なければならないという「8050問題」だ。家族の孤立、孤独死・生活保護受給者の大量発生――中高年ひきこもりは、いまや日本の重大な社会問題だ。だが、世間では誤解と偏見がまだ根強く、そのことが事態をさらに悪化させている。「ひきこもり」とはそもそも何か。何が正しい支援なのか。第一人者による決定版解説書。


緊急事態宣言発令中は、
さらに引きこもりは増えていることのではと
思います。


決して他人事ではありません。
私に何ができるかわかりませんが、
生き延びた者として、
傾聴することができるかしれません。
8050が9060に、
まさか10070にならないうちに
なんとか対策立てていきたいと
思いました。

https://books.j-cast.com/topics/2021/04/28015032.html

#小説8050
#林真理子  

この記事が参加している募集

#最近の学び

181,685件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?