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転職して自己肯定感が地に落ちた私が、半年で這い上がるために実践したこと

第一志望だった企業に転職して1年ほど経った2023年7月。

私の自己肯定感はどん底まで下がり、入社時の情熱は跡形もなく消え、精神的にかなりギリギリの状態をさまよっていました。


当時の私は毎日こんなことを考えて働いていました👇

  • みんな若くて優秀な人ばっかりですごいな…と周りと比較して焦る

  • 自分の発言、提案すべてに自信が持てない

  • 全然努力が足りない…もっとがんばらなきゃいけないのにがんばれない

  • 毎日逃げたい!という想いを振り切って無理やり仕事に行く

※一応弁解しておくと、逃げたいと思っていても仕事は真面目に取り組んでいました。

こんな状態だった私ですが、半年ほどたった現在は以下のような心境に👇

  • 周りの人達もすごいなと思うけど、自分だって良いところはあるしそこを伸ばしていけばいいや!

  • 自分が正しいと思ったことを自信を持って話そう!

  • 私めっちゃがんばっててエライなー!✨


なぜこんなに変化したのかというと、自分自身の”認知の歪み”を自覚して、矯正するためのトレーニングに取り組んだためです。

正直自分でもここまで変わるとは思っていなかったのですが、お先真っ暗という心境だった私でも変わることができたので、そのプロセスを書き残しておきたいと思います!

仕事に限らず悩んでいて行き詰まっていたり、自信を喪失している人にとって、こういう抜け出し方もあるんだなというヒントになったら嬉しいです。


友人に”認知の歪み”という概念を教えてもらう

ある日、キャリアコンサルタントの仕事をし始めていた友人から、”認知の歪み”という概念を教えてもらいました。

ちなみにその友人のnoteがこちら👇

認知の歪みとは、「事実をありのままの姿ではなく、自分の解釈を加えて偏って捉えること」です。

<認知の歪みとは?>
たとえば、恰幅がよく声の低い男性を見ると、なにもされていなくても怯えてしまう人がいるとして、その人の脳内を「恰幅がいい」「低い声」「男性」でググると、「怖い人」と検索結果がヒットします。

実際には、これだけの条件で本当にその人が怖いかどうかはわからない(この条件がそろっていても優しい人はいる)にも関わらず、脳が勝手に「怖い人」という検索結果を導き出してしまっているのです。

このように、事実をありのままの姿ではなく、自分の解釈を加えて偏って捉えることを「認知のゆがみ」と言います。

『認知のゆがみ』を治せば生きづらさは手放せる

自分自身のキャリアを考えていく上では、自己分析を通して自分の強みや弱みを把握することが重要ですが、そもそも前提として自分に対しての認知が歪んだ状態だと正しく自己分析ができないのだそうです。

正直当時の私は将来のキャリアを考えるような心の余裕もなく、自分自身への自信を失い、とにかく毎日が辛いという状況でした。

友人からその話を聞き、「絶対に自分の認知は歪んでいる」と確信した私は早速診断テストをやってみることに。

当時の私の診断結果がこちらです👇しっっっかり歪んでますね!

7点以上だと認知の歪みが強め。最高得点が12点。

7点以上だと認知の歪みが強いそうなのですが、見事にほぼ全ての項目が歪んでいるという結果にw

特に「拡大解釈と過小評価」「感情的決めつけ」「すべき思考」はほぼ満点です。(嬉しくない)

それぞれの項目の説明

とりあえず自分の認知が歪んでいることはわかったものの、だからといってすぐに変われるわけではありません。

そこで友人にお願いして、なぜ認知が歪んでいるのか?なぜ今辛いのか?の原因を紐解く手伝いをしてもらいました。
※最初は好意で無料でやってもらいましたが、その後はきちんと相場をお支払いしています

なぜ自分が辛いのか原因を特定する

実際にやったことはシンプルで、友人には私の話をじっくり「傾聴」してもらいました。
傾聴するときに友人が気をつけてくれたことは以下です。

・アドバイスはしない
過去の経験を通して、その時どんな感情だったのかを紐解く
あえて沈黙の時間もつくり、私が考える時間をつくる
適宜話をまとめつつ、適切な質問をして深ぼる

普段会うときはお互いマシンガントークで好き勝手に話すのですが、この時は友人が真剣に私の話に耳を傾け、私が自分の過去の経験を追体験できるよう深ぼって話を聴いてくれました。

話を聴いて貰う前の私は「とにかく今の状況から逃げ出したい」と感じていて、何が辛いのかも曖昧だったのですが、2時間ほど話を聴いてもらった結果、なぜ今辛いのか?の原因が面白いくらいはっきり見えてきました。

辛かった原因は「自分のがんばりを認められないこと」

私が辛いと感じていた原因は、自分で自分のことを認めることができていなかったからです。

・自分の中で「がんばっている」=「わかりやすい成果を出していること」と定義していた。

・わかりやすい成果とは、圧倒的に売上を伸ばしたなど、はっきり目に見えるものだけ。努力の過程は評価しない。

・元々幼少期から自分の中で「理想の自分」という高い目標を掲げて努力して、目標を達成することに快感を覚えていた。
例)小学校ならクラスで一番二重跳びが飛べるとか、逆上がりができるとか。学生時代なら学年1位の成績をとるとか。

・ただそれが社会人になって自分の努力だけではどうにも達成できないことが出てくると、過去の成功体験から「達成できないのはすべて自分の努力が足りないせいだ!」と思い込み自分はダメな人間なんだと落ち込んでいた。

会社のメンターの人にも「金子さんすごくがんばってますし、もっと自信持って大丈夫ですよ!」と度々励ましてもらっていたものの「いや全然がんばってないです!」と力いっぱい否定していたのですが、その理由もはっきりわかりました。

自分の中の「理想」に到達していない=「がんばっていない」と思っていたからなんですね。

だから周りがいくら励ましの言葉をかけてくれても全く響いていませんでした。

その結果、私は精神状態ギリギリの状態でも、自分はダメだ!努力が足りていない!と更に自分を追い込んでいたのでした。(すごく可哀想ですね)

ただそれを自分で認めることは、なかなか簡単ではありません。
どうしても「成果を出せないのにがんばっているというのは甘えだ」という思考が邪魔していたんです。

過去の仕事の経験を振り返る中で、友人は話をまとめつつ「~~してるのってすごくがんばってるなって私は思うんだけど、自分ではそれどう思う?」と問いかけてくれたのですが、私は「いや~全然がんばってないよ。だって成果出てないし」と答えていました。

自分では無意識だったのですが、繰り返し「成果」という言葉が何度も出ており、友人から「その成果ってなに?」と聞かれて答えに詰まってしまいました。

正直自分の中で「成果」の具体的な目標があったわけではなく、とにかくものすごく高い架空の目標をひたすら目指していたんですね。

もちろん成果主義がプラスに働くときは良いのですが、うまくいかないときは必要以上に自分を責め立て傷つけてしまいます。

ずっと自分はがんばっていないと否定していた私でしたが、何度も友人が繰り返し問いかけをしてくれた結果、最後の最後で「私めちゃくちゃがんばってるね」と自分で口に出すことができ、友人の前で号泣してしまいました。

これは「オートクライン効果」というもので、誰かに言われるんじゃなく自分の言葉で発したことを自分の耳で聞くから納得できるんだそう。

「オートクライン効果」とは、医学用語で「自己分泌」を意味する用語ですが、コーチングにおいては自分が話した内容を自分で聞き、自らの潜在的な欲求・考えに気づくことを意味します。考えながら話す、聞きながら考えるといった状態で会話がなされることは珍しくありません。話し相手から気づきを促されることもあれば、自分自身の発言を聞きながら気づくこともあります。自分で話して自分で気づくという作用はまさに「自己分泌」です。

日本の人事部

そんな風に自分の心情を吐露するのは初めてで気恥ずかしさもありましたが、自分で自分のことを認めることができたのは友人のおかげです。
本当に本当に感謝しています…!🙏✨

ただ自分自身の認知が歪んでいる原因はわかったものの、認知の歪みは癖づいてしまっているためすぐには治りません。

そこで認知の歪みを矯正するために取り入れたのが「認知行動療法」です。

原因である”認知の歪み”を矯正する

私が行った認知行動療法とは、心理療法の一つで、うつ病や不安障害などの精神疾患の治療にも取り入れられているようです。
※私も又聞きなので、気になる人は調べてみて下さい。

認知療法・認知行動療法は、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種です。認知は、ものの受け取り方や考え方という意味です。ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できないこころの状態に追い込んでいきますが、認知療法では、そうした考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。

認知行動療法センター

なにか嫌なことが起きたときに、それに対して瞬間的にどう感じたのかを言語化し、それをどう捉えるとよいか?を考えます。

まずは1ヶ月続ける!と誓い、友人に記録シートを共有しました。
その間友人の好意で、客観的な視点もコメントしてもらいました。

実際に記録に使っていたシートの項目はこちらです。

・具体的な出来事
・それに対してどんな気持ちになったか?
 └ 恐怖90%、焦り80%など数値で記載
・どんなことが浮かんだか?(自動思考)
 └ 瞬間的に感じたことをそのまま書いてOK
 └ 次の段階のバランス思考でうまく捉えられなかったら、瞬間的に感じたことの根拠と反証を書く
・どう捉えると気持ちが楽になりそうか?(バランス思考)
・気持ちの変化
 └ 最初に感じた気持ちとの変化を数値で記載

例として私が実際に書いたもののうち、公開できそうな出来事を晒します👇

・出来事
 └ 朝7時半には起きたいのに8時まで寝てしまった
・それに対してどんな気持ちになったか?
 └ 罪悪感80%
・どんなことが浮かんだか?(自動思考)
 └ なんでいつも朝起きれないんだろう
 └ 6時、7時に目が覚めたのに2度寝してしまった
 └ 自分は意志が弱いな
 【根拠】
  └ 意志が弱いのは根拠がない
  └ 朝起きれないのは体調とかコンディションもあって自分ではどうにも出来ない要素もある
・どう捉えると気持ちが楽になりそうか(バランス思考)
 └ 8時まで寝てしまったけど遅刻したわけじゃないし誰にも迷惑はかけてない
 └ 朝起きれないのは疲れが溜まってるからかもしれないので、ぐっすり眠れる方法を調べてみよう
・気持ちの変化
 └ やる気50%

「朝早く起きれなかった」という些細な出来事なんですけど、それでも当時の私にとってはすごく重くのしかかる出来事として捉えていたことがよくわかります。

最初はうまく書けなかったりもしましたが、友人がコメントしてくれるという強制力のおかげもあり、結局3ヶ月以上継続することができました!

実際にトレーニングをやってみた結果3ヶ月で心境に変化が

実際に認知行動療法を始めてみた結果、まず驚いたのが言語化しないだけでこんなに1日、1週間のうちにモヤモヤする出来事を抱えて過ごしていたんだ!ということです。

言語化してみると、結構私ショック受けてたんだなと自分の感情を改めて認識できたり、「これ私の思い込みだな」と自分を客観視できるので、いつまでもモヤモヤを抱え続けることなく気持ちが軽くなりました。

たとえば「朝早く起きれなかった」という出来事一つにしても、その感情の裏には無意識に「朝は早く起きなければならない」という「すべき思考」が隠れていました。

早起きして何かやらなきゃいけないことがあるわけではないのに、「早起きするべき」という自分の中のルールに縛られて、守れない自分はダメな人間だと思い込んでいたのです。

今も早く起きれるようになりたいとは思うのですが、ギリギリまで寝てしまったときでも「まぁいっか!」と気楽に捉えられるようになりました。


3ヶ月過ぎる頃には、そもそもシートに記載する前に自分で認知の歪みに気付けるようになり、半年ほどたった今はほぼ記載していません。

というのも記載する前に気持ちの整理がついて、記載したいと思うほど落ち込むことが少なくなったからです。

ちなみに今回noteを書くにあたり、認知の歪みの診断テストを再度受けてみたところ、大幅に歪みが改善していました。

7点以上だと認知の歪みが強め。最高得点が12点。

元々10点以上だったところが軒並み下がっています!

まだ「すべき思考」が強かったり、「レッテル貼り」が高いのでそれはこれからも意識していきたいところですが、なんとなく気持ちが楽になったことは気のせいじゃなかった!と実感することができました。

生きづらさを感じている人に

周りに「自信を持ったほうがいいよ!」とか「こうした方がいいよ!」とアドバイスを貰っても、本当にどん底まで落ち込んでいた私は、その励ましが重荷に感じられ、受けとめることができませんでした。

ですがこの数ヶ月しっかり自分の感情と向き合い、自己理解が深まったことで、今はその励ましやアドバイスも素直に受けとめることができるように。

さらに元々は「とにかくしんどい」と感じていた私が、今は「どうしたら仕事を成功させることができるか?」と建設的に悩むことが出来るようになったことも大きな変化です。

すごく辛いと感じる瞬間もありましたが、ようやく長く暗いトンネルを抜け出せたような気がしています。

私と似たような生きづらさを感じている人や、行き詰まりを感じている人は、もしかしたら”認知が歪んでいる”ことが原因の一つかもしれません。

私の体験が、何かしら抜け出すヒントになったら嬉しいです。

長文にお付き合い頂きありがとうございました!

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