氷点下18度の朝
この冬は、自然現象に振り回されまいと決めていた。しかし、自然とは不思議なもので、こちらから求めない態度でいるとご褒美をくれる。これは虹にしてもそう。撮りたい、出会いたいと願えば願うほど、いい結果は出ないものだ。
もちろん、プロである以上、その確率を上げる努力はいつもしてきたつもりだ。打率を上げるためにロケハンを繰り返し、その日の条件を感じて、場所を選択する。全てのロケーションが頭に入っているのは、これはプロとして最低条件のことだから、そこに現象をどう重ね合わせていくか、を意識してきた。
だからこそ、この冬は振り回されないと、決めていた。
なのに、こうして出会わせてくれる自然には、やはりいつも驚かされる。これまでの想像をいつも超えてくるのが自然だ。
道路脇のなんでもないところで突然サンピラーが立ち上がった。もちろん、誰もいない。そんな場所でただ一人、サンピラーと向き合う。
その直後、虹色のダイヤモンドダストが舞い始めた。時間にして数分の出来事だ。まるで、「さあ撮りなさい」と言われいるような感覚、といえば分かるだろうか。
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