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いずれ訪れる日経平均30万円、初任給100万円の時代

 飲食店の開店を間近にし京都に滞在している。この時期の京都はCherry blossomを求めに来た外国人が8割を超える。それもあって市内は外資系ホテルなどが急増し外国資産が急速に流れ込んでいる。
 
 京都は今の日本を象徴している。失われた30年と称されるデフレ時代を経て、日本経済は再び黄金期を迎える転換点に来ていると思う。デフレ時代、日本人の高貯蓄率は経済合理性に基づくものでもあった。これは確実に金融資産運用への不向きという誤解に基づいたものである。


 歴史を遡ると、日本は先物市場やローソク足チャートを発明するなど、投資文化において革新的な役割を果たしている。近年は、インフレの進展とともに資産運用への関心が高まりつつある。特に、東証によるPBR1倍割れ企業への改善要求や新NISAの導入は、資産運用への興味を刺激する機械油になっているのではないだろうか。

 今後確実に起こりうる年間最低3~5%のインフレ率を前提とし、日本人の個人資産が株式市場に流れ込むシナリオになるだろう。このシナリオとは、株式への資産配分率が10%から20%に増加すれば、210兆円の資金が市場に注入されることになり、これは日経平均を大幅に押し上げる要因となる。そうすると過去のバブル期に見られたような資産配分率の増加は、日経平均30万円達成の現実味を増す。

 しかし、インフレ進行下での給与体系の変化は、企業のインフレ認識に依存する。インフレによるコスト上昇を受け入れ、従業員の賃金に反映させる企業文化の醸成が必要だ。今後、インフレ率に見合った賃金の上昇が現実化すれば、初任給100万円時代の到来もおかしくはない。

 さらに、日本人の米国株への依存は面白い。S&P500やオルカンなどにとりあえず入れとけと言わんばかりに新NISAなどで投資を行う。しかし、歴史が語るようにいずれリーマンショックのようなイベントが来るので急に米国株から逃げ出す人間が急増する。そうすると再度円高になり、
日本株への転換が予想される。米国株よりアジア一の東証の日本株を買ってる方がパフォーマンスは良いということだ。リーマンショックのような危機を経験した後、日本株のパフォーマンスの優位性が再認識されるのは間違いない。

 日経平均30万円、初任給100万円時代へ、日本経済の黄金期は、インフレ進行の認識と資産運用文化の成熟が鍵となるのではないだろうか。

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