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飲食店ビジネスは商いの総合格闘技なのかもしれない

最近は飲食店開業に向けての仕事が増えてきた。
飲食店ビジネスは世間が思っている以上に総合的な商いのスキルや知識が求められる。ただ単に料理スキル、営業交渉力、デザイン力、マーケティング力、ITスキル、それら一つだけ尖って持っていても成功することはできないのだろうとつくづく感じる。

私の商いのスタートはアパレル業界だった。トレンドの変化が最も激しく、ブランディングで付加価値がつけられるとずっと言われてきた業界でトレンドにとらわれず常に売れるシンプルで高コスパな製品を中国の広州から1着50円程度という破格な価格で仕入れ、他社より少し安く売った。ブランディング→付加価値にとらわれず、人件費も私以外ほぼゼロで経費を極限までカットし、販売価格で他社との優位性を獲得した。

また、その頃はまだアパレル業界もITに乏しい業界の一つであった為、取引先に対してECサイト構築や販路拡大支援なども行なったりもしていた。そして大学院に進学後はITツールを駆使しながら殆どの研究者がやらない研究支援や受験サポート、日本ワインビジネスといったブルーオーシャンを見つけそこに注力していた。

飲食店開業準備をしているとそんな経験が蘇ってくるし存分に活かせることができる。例えば、店舗内装のデザイン〜食材などの仕入れまで、東京はじめ各地のミシュラン掲載店と契約しているデザイナーや農家さんは必然とコストがかかる。しかし、飲食店のコンセプトを実現させ、ゆくゆくミシュランを目指していくのであればそういった実績のある優秀なサプライヤーに頼む方が良い。その為、ここで求められるのが営業交渉力とアパレル業界で経験した経費削減のような経営的なセンスとスキルだ。

また、飲食店はシェフが重要視されている為、シェフ選びやシェフとのレシピ、メニュー開発といったブルーオーシャンを探すベンチャー企業に求められるようなクリエイティブなアイデアが飲食店でも求められる。

それに加えて、ITツールを駆使したマーケティングと人事戦略だ。SNSを最大限に活用したり、インバウンド集客に向けプラットフォーム戦略を考えたり、今の時代に適した広告宣伝能力や知識も勿論求められる。

そう考えると飲食店ビジネスが最も難しいと言われている理由もわかるだろう。ただ単に飲食店は誰でもできるそうだから飲食店を始めようという感じでは成功できないのだろう。そもそも、飲食店ビジネスというのは既に飽和状態でどこもそれなりに美味しいし、日本では美味しいものなんて徒歩5分圏内にあるコンビニに行けば食べられる為、何のためにその飲食店に来てもらうのかを考える必要がある。

料理の味だけではない何かを確実に求められている。その点、飲食店ビジネスは商いの総合格闘技ではないだろうか。飲食店で成功してこそ、一流の事業者なのではないだろうか。






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