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写真について考える

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カメラというより、写真について考えた事などをまとめたものです。
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記事一覧

自分の手でプリントする

フィルムで写真を撮るようになり、撮影、現像、プリントと全て自分の手で行うようになった。 前々から「自分の手で作品を作りたい」と考えていたので、それが今は叶っているという事。何とも幸せな状況だと思う。 勿論まだ勉強や練習する事が沢山ある状態で、特にプリントに関しては失敗が多く、枚数だけで言えば40枚程焼いたが人にお見せ出来る物はかなり少ない。 しかし試行錯誤して焼き付けた後、水の中で印画紙に像が浮かび上がるというのはまさしく「写真を作っている」という感覚だ。モニター上でパラメ

写真を撮るのは迷惑?

先日、過去に書いた記事にコメントを頂いた。 その記事は、2020年のFUJIFILM X100Vの発表に際したプロモーションの映像が炎上し、それに対して思った事を書いたものだった。 炎上したのはプロモーションで起用されたフォトグラファー鈴木達朗さんの撮影スタイルに対してで、迷惑行為でないか?という理由。 まず鈴木達朗さんのスタイルはキャンディッドフォトと言えるもので、街中などで居合抜きのように瞬時にカメラで撮影し、人々の姿や表情を写し込むというもの。声を掛けて撮ったり、遠

何で写真を撮っているのか、写真で何を撮りたいのか

タイトルの事を最近はずっと考えているのだが、これからは写真で何を撮りたいか、と考えるよりも人生において興味のあるテーマを考え、それを写真でどう表現するのかという方向で考えた方がいい気がして来た。写真はあくまで方法だ。(その方法も芸術として昇華させたいという思いもある) 最近はどうも「今日は何を撮ろうかな」とか「どこに撮りに行こうかな」という事を考えてしまい、そうやって写真を撮る事自体が主語になってしまっているせいかどうも外に出るのが億劫に感じてしまう。 しかし外に出る理由も

結局モノクロ写真が好きなのだと

写真をちゃんと始めた当初、ずっとモノクロで撮っていた。 X-Pro1とNOKTON classic 35mm F1.4の組み合わせに、フィルムシミュレーションをモノクロにして撮る、それが私の写真生活の始まりだった。 今となっては何でモノクロで撮り続けていたのかはっきり覚えてはいない。 色がないから余計な情報がない 形や質感を伝えるのに向いている 人の表情がストレートに伝わる などなどモノクロにする理由はあるが、でも結局後付けの理由というか、世間一般で言われる範疇から抜けてい

雪の三滝寺 カラーとモノクロを再考する

広島県の三滝にある三滝寺は、境内の豊かな自然や無数のお地蔵様などが有名で、秋になると紅葉スポットとして人気の場所となる。 私自身、1シーズンに一回ぐらいは行くようにして、その時々の自然を楽しむようにしているお寺だ。 そんな三滝寺だが、昨年末の寒波の影響で大雪になったこともあり、今まで見たこともない姿になっているだろうという事で大雪の中訪れた。 そこまでの経緯は前回記事にて。 道中の銀世界の時点で十分期待は膨らんでいたのだが、三滝寺のある山へ続く坂道を登りながらそれはさらに

柏木龍馬×Audiの動画から

久しぶりに写真についてのことを書こうと思う。 昔は毎日なんだかんだと書いていたのに、忙しかったり疲れていたりを言い訳に最近はめっきり書く事がなくなってしまった。 今と大きく環境変わってないはずなんだけどあの時の私はどんな生活をしていたのだろうか、とか考えても仕方ないので、とりあえずまずは文字を打ち込んでみようという事で再開していく。 という事で、今回は柏木龍馬氏という写真作家の方から学んだ事を書いてみようと思う。といっても別にご本人から何か教わった訳ではなく、昨年行われた柏

人の写真に勝るものはない

今度初めての個展を開こうと思い、そこでの作品達をどうしようかと考えていた。 広島のスナップを載せてモノクロでの街を体験してもらうか、 それとも芸術性を求めて撮り溜めている作品達を使うか… しかし辿り着いたのは、人の温かさを感じられる写真達で個展を開きたい、という答えだった。 コロナの影響で経済ダメージが取り沙汰される事が多いが、自粛や在宅ワークなどの環境の変化で疲弊してしまっている人々の方が私は心配だ。 世の中を作るのはそこで生きる人々で、その人達が元気なのが何より。