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スポーツ×エンタメ×期待


先日初めてプロバスケットボールリーグ(Bリーグ)を観戦してきた。
対戦カードはレバンガ北海道VS横浜ビー・コルセアーズ
会場は北海きたえーる、来場者数は同日開催された中で2番目に多い4479人。


バスケの試合自体そんなに観たこともなく、ルールも3歩より歩いてはいけない、などの大まかなもの知らない。そんなバスケ観戦ド素人の私が、試合の迫力や雰囲気はもちろん、その他の場面で驚くこと、学ぶことが多かった。

その中でも今回は3つのキーワードに絞って書いていきたい。

体験型エンタメ


暗闇の中、スモークがたかれそこに音楽がかかり選手が入場する。
さっそく会場の雰囲気にのめり込みそうだ。
ライトの明るさや方向、音楽や音量の調整などをそのときによって変えていき、観客が楽しめるような工夫が凝らされていた。

その中でも面白い取り組みがあった。

バスケの試合は第2クォーターと第3クォーターの間で20分間の休憩がある。(試合自体は第1クォーターから第4クォーターまで)
その際に大画面モニターに観客席が映し出され来場者がズームインされる。映し出された人は決められたポーズをとったり、フレームに顏を当てはめたりする。その人は「当選」となり、グッズやスポンサー企業の商品がもらえる。

来場者にただ「見せる」だけでなく実際に参加・体験してもらう。
試合前、試合中のあらゆる場面で観客を楽しんでもらう工夫があった。


期待

観戦チケットに記載されている番号で抽選が行われるといった
無条件で参加資格を得られるものだけでなく、来場者が自らの行動で
「応募」できる機会があった。


・LINE登録をしてキーワードを入力する
・今日の試合で1番最初に点を決める人を当てる
・グッズを買うとサイン会のチケットを得る等

当選すると選手のグッズや少し値段の高い席のチケットがもらえる。
来場者も「無料で、少しでも当たる確率があるならやってみよう」といった期待をする。

先ほどの体験型エンタメと類似することはあるが、来場者に試合を観にいくというものだけでなく、「試合に参加する」というより主体性のあるものになっていた。


ビジネス

バスケの試合では時折、試合が止まることがある。例えばテクニカルタイムアウトを呼ばれる、2分間の作戦タイムのようなものがある。またフリースローの時やVAR(ビデオ判定)のときなど。

おそらくほとんどのスポーツの場合、「何もしない」か「曲をかける」ぐらいだろう。
しかしこの試合では企業とマッチングした曲がかかり、それに合わせて観客が鳴り物を叩く。

一体どういうことか。
例えばVARの場面。ファウルの判定が審判の目視では判断が難しい場合に行われ、一定の時間(だいたい1分ぐらい)がかかる。すると中央の大画面モニターに「○○探偵事務所」と表示され曲が流れる。そしてその曲に合わせて「いつものこと」のように観客が鳴り物を叩く。

知り合いによると、その会社がお金を払ってタイアップしているとのこと。
つまり会社にとってはその試合が止まっている時間に、たくさんあるスポンサー企業の中で一社に注目してもらうことができる。
観客は試合をあくまでも試合を観に来ている。スポンサーが「目につく」ことはあっても記憶に残ることは少ない。
ただ試合中に勝敗の関係する場面でスポンサー名が表示され、音楽もかかれば、目と耳から情報が入ってくる。そうなると認知度は一気に高くなるだろう。

そこまでもお金に結びつけるのかと驚いた。


以上が、今回の観戦で特に驚いたこと。
改めて振り返ると「スポーツ観戦」と「歌手のLIVE」を組み合わせたようなものだった。
スポーツのドキドキ感や緊張感もありつつ、LIVEのワクワク感もあった。

今の時代スポーツを「みる」のはスマホ1つで完結する。
ただそこで会場に足を運んで見てもらうには付加価値がないといけない。
それが会場でしか味わえない「体験」であり「期待」かもしれない。

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