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くにまる食堂 2023年1月18日「あの時、この特撮があった」特集選曲・出演:佐藤利明(娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサー)

くにまる食堂 2023年1月18日
「あの時、この特撮があった」特集
選曲・出演:佐藤利明(娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサー)


-11時台-

コーナー① きょうのA定食

M1 ウルトラQ   メインタイトル+メインテーマ 
 作曲:宮内国郎 
「ウルトラQ」(1966.01.02~7.03 TBS・円谷特技プロ)主題曲

*特撮の神様・円谷英二が監修、テレビで怪獣映画を毎週楽しめる革命的作品!
*「シン・ウルトラマン」のオープニングでも、この曲が流れて「ウルトラQ」リスペクトのシーンがありました。
*出演:佐原健二(万城目淳)、桜井浩子(江戸川由利子)、西條康彦(戸川一平)

M2 ゴジラさん 青木はるみ
 作詞:佐伯孝夫 作曲:吉田正 編曲:佐野鋤(さの たすく) 三味線:豊吉 豊静 ビクター・オーケストラ
 映画『ゴジラの逆襲』(1955.04.24・東宝)イメージソング(1955-06)。本作から円谷英二監督は特技監督としてクレジットされた。ゴジラ初の敵怪獣・暴竜アンギラス登場!なのでカップリングは「うちのアンギラス」(青木はるみ/野澤一馬)。



M3 マグマ大使のうた コール東京
 作詞:長谷川竜生  作曲:山本直純
 「マグマ大使」(1966.07.04~1967.09.25 CX・ピープロ)主題歌 原作:手塚治虫

*手塚治虫原作、「ウルトラマン」(1966年7月17日から1967年4月9日)よりも二週間早くスタートした、手塚治虫先生原作、日本初のカラー特撮番組。制作のピープロ社長は漫画家のうしおそうじ(鷺巣富雄さぎす・とみお)。戦前、円谷英二の弟子だった。その子息・鷺巣詩郎(さぎす・しろう)は「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン」「シン・ウルトラマン」の音楽を手掛けている。
*出演:江木俊夫(マモル)、岡田真澄(村上記者)、二宮秀樹(ガム)、王蘭芳(モル)大平透(ゴア)


M4 忍者マーチ ボーカル・ショップ、ヤング・フレッシュ
 作詞:伊上 勝 作曲:小川寛興
 「仮面の忍者赤影」(1967.04.05~1968.03.27 KTV・東映京都)主題歌 原作:横山光輝

*横山光輝原作の忍者漫画を東映京都がカラーでテレビ化。時代劇なのにSF的でキッチュな映像は、ポップ!
*出演:坂口祐三郎(赤影)、白影(牧冬吉)、青影(金子吉延)

M5 光速エスパーの歌 望月浩 
 作詞:吉岡 治  作曲:服部良一
 「光速エスパー」(1967.08.01~1968.01.23 NTV・宣弘社)主題歌 

*家電メーカー東芝のマスコットキャラクターを主人公にした特撮テレビ映画。東芝がカラーテレビを普及させるために企画したカラー番組。それまでのヒーローものと違い、ごく普通の中学生・東ヒカル(三ツ木清隆)が、スーツ=強化服を着てスーパーパワーを身につける日本初のヒーロー。番組終了後に、「少年ブック」「少年ジャンプ」に松本零士先生が描いた漫画版の主人公は古代すすむ!

出演:三ツ木清隆(東ヒカル)、細川俊夫(父・正夫)、月丘千秋(母・静香)、小林清志・加藤精三(ギロン星人の声)

コーナー② きょうのこだわり定食

M6  ULTRA SEVEN  ジ・エコーズ
 作詞:東京一 作曲・編曲:冬木透
 「ウルトラセブン」(1967.10.01~1968.09.08 TBS・円谷プロ)挿入歌

*「ウルトラマン」終了後、東映制作「キャプテンウルトラ」を挟んでスタート。宇宙からの侵略をテーマにした空想特撮シリーズ。ハードな展開、奇想天外な着想、「サンダーバード」の影響を受けた地球防衛軍のメカのカッコ良さ。この曲は英語歌詞で、劇中に流れて、子供心に痺れた。歌っているエコーズはワンダーズのこと。ヴォーカルは尾崎紀世彦さんも参加!
*出演:森次晃嗣(ダン)、菱見百合子(アンヌ)、石井伊吉(フルハシ)、アマギ(古谷敏)

M7 マイティジャック フールサウンズ合唱団 
 作詞:清瀬かずほ  作曲:冨田 勲
 「マイティジャック」(1968.04.06~06.29 CX・円谷プロ)主題歌

*空前の007ブーム、「サンダーバード」のメカブームのなか「大人の鑑賞に耐えうる作品」として土曜日夜20時からの一時間枠で放送された。万能戦艦MJ号を駆って、悪の組織「Q」の野望を打ち砕く、秘密組織MJ隊員たちを描く。鳴物入りで制作されたが、視聴率は振るわず13話で終了。その後子供向けに路線変更して「戦え!マイティジャック」26話にリニューアル。「シン・ウルトラマン」で禍特隊のオタク隊員・有岡大貴(滝明久)が、マイティ号の模型を飾っていた(テレビ「ウルトラマン」のない世界、MJが大人気だった!)
*二谷英明(当八郎)、久保菜穂子(桂めぐみ)、南廣(天田一平)

-12時台-

コーナー③ ごはんのおとも

ここから三曲は。追悼・水木一郎さん(1948年1月7日 - 2022年〈令和4年〉12月6日)!

M8 ぼくらのバロム1 水木一郎
 作詞:八手三郎 作曲:菊池俊輔
「超人バロム1」(1972.04.02~11.26 YTV・東映)主題歌 原作:さいとうたかを

*さいとう・たかを原作。「仮面ライダー」のセカンドとして特撮ドラマとして企画された。二人の少年が、友情のバロムクロスで超人バロム1に変身。悪の化身・ドルゲが送り出すドルゲ魔人を次々と倒していく。子供が大人のヒーローに変身するのが画期的だった。
出演:高野浩幸(白鳥健太郎)、飯塚仁樹(木戸猛)、飯塚昭三(ドルゲの声)、室田日出男(ミスター・ドルゲ)

M9 セタップ!仮面ライダーX 水木一郎 
 作詞:石森章太郎 作曲:菊池俊輔
「仮面ライダーX」(1974.02.16~10.12 MBS・東映)主題歌 原作:石森章太郎

*シリーズ第三弾。変身ブームからロボットブームへと子供の興味がシフトするなか、これまでにないメカニカルな要素(敵から奪った武器・ライドルを駆使)を盛り込んで、視聴者層のアップを図った。敵の目的も、これまでの世界征服ではなく、悪の組織・GOD機関は「世界の対立する大国同士が密かに手を握って改造人間を使って日本全滅を狙う恐怖の秘密組織」というハードなものに。

*速水亮(神敬介・仮面ライダーX)、美山尚子(水木涼子・霧子)、小林昭二(立花藤兵衛)、打田康比古(アポロガイスト)

コーナー④ ラジカセメモリーズ

M10  地獄のズバット 水木一郎
 作詞:石ノ森章太郎 作曲:京健輔
「快傑ズバット」(1977.02.02~09.28 東京12チャンネル・東映)主題歌 原作:石森章太郎

*小林旭「渡り鳥」「流れ者」シリーズにリスペクトした、ギター片手のさすらいのヒーロー・早川健(宮内洋)が、組織暴力団・地獄組、ダッカーの悪事を暴いていく。メインライターは、江戸川乱歩賞作家となる長坂秀佳。毎回、流れ者が悪の組織ダッカーの各地域のボスと、用心棒と対決。用心棒は何らかの特技(早撃ち、居合、釣り、吹き矢、料理など)を自慢するが、必ず早川健の方が上手。これは小林旭と宍戸錠の対決をパロディに。

*作曲の京健輔さんは、クラリネット奏者でのちに「マツケンサンバⅠ(ワン)」を作曲。「地獄のズバット」は、当時小学生だった長男の「派手な音色がいいんじゃない」という意見をヒントにして、演奏に琵琶を用いた。

*出演:宮内洋(早川健・快傑ズバット)、大城信子(早川みどり)、岡崎二朗(飛鳥五郎)

M11 ウルトラ6兄弟の歌 武村太郎・少年少女合唱団みずうみ 
 作詞:阿久悠 作曲:川口真
 「ウルトラマンタロウ」(1973.04.06~1974.04.05)挿入歌

*「帰ってきたウルトラマン」「ウルトラマンA」に続く、第二期ウルトラマンシリーズ。歴代のヒーローが「ウルトラ兄弟」として登場する。「アベンジャーズ」の先取りでもある。阿久悠が主題歌、挿入歌の作詞を引き受けたのは、多忙でなかなかコミュニケーションが取れない息子・深田太郎さんのため。
*ウルトラ6兄弟=ゾフィー、ウルトラマン、セブン、新マン、エース、タロウ。

M11  M八七 米津玄師
 作詞・作曲:米津玄師
 映画『シン・ウルトラマン』(2022.05.13 東宝・円谷プロ・カラー)主題歌

*脚本・庵野秀明、監督・樋口真嗣による2022年のリブート作品。「シン・ゴジラ」「シン・エヴァ」に続く三作目。1966年のウルトラマンの世界を、換骨奪胎して、新たな世界観を創出。最強の敵ゼットンを、本来ならウルトラ兄弟の長男ゾフィが操るというショッキングな展開だが、当時の怪獣図鑑の(大伴昌司の)記述をベースにしている。冒頭の「ウルトラQ」の怪獣=禍威獣のリブートも含めて、オールドファンを驚かせ、血湧き肉躍る「シン・ウルトラマン」の世界となった。
*出演:斎藤工(神永新二)、長澤まさみ(浅見弘子)、有岡大貴(滝明久)、早見あかり(船縁由美)、西島秀俊(田村君男)


よろしければ、娯楽映画研究への支援、是非ともよろしくお願いします。これからも娯楽映画の素晴らしさを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。