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マルセイユ vs モナコ

リーグ・アン
第20節
マルセイユ vs モナコ

首位PSG、2位ランスとの勝ち点差を縮めたい3位・4位同士の上位決戦。両チームの戦術的な狙いを中心に振り返る。

まず、フォーメーション。マルセイユは343(3421)。モナコは4231。

マルセイユ保持・モナコ非保持の局面では、双方の狙いがはっきりしていた。

・左右CBが持ち運び、相手を1枚釣り出し、空いた所を狙う。
  vs
 CFがGKまでプレッシャーをかけ、左右のCBに出させる。そこへSHがプレスをかけ、WBにはSB、CMFにはCMF、真ん中のCBにはAMFがマークに付いてハメる。しかし、マルセイユがプレス回避する場面が多い。

・CB、CMF、SH、WGの4枚で数的優位を作る。サイドからクロスを上げる。
  vs
 サイドでの数的不利は仕方がないので許容し、中でクロスを跳ね返す。

・WBが大外レーン、WGはハーフスペースに絞り、5レーン攻撃。
  vs
 人に守備の基準を置き、SBやCMFが最終ラインに入ることで、時折5バック化して守る。

という構図。マルセイユがボールを回す時間が長い。
しかしチャンスはモナコの方が多い。

モナコ保持、マルセイユ非保持の局面では、

・相手のボールの失い方、失った時の距離感が非常に悪く、カウンターでビッグチャンスを作る。ビルドアップからは好機を生めない。
  vs
 カウンターを受け必死に戻る。中央は固め、サイドを迂回させる。

モナコがカウンターを狙っていたのか、どのような形をビルドアップを狙っていたのか、よくわからないくらい、マルセイユは自滅していた。しかし、これが後半への伏線になっていた。

前半は0-1。マルセイユが自陣で不用意なファールを犯し、不運な形でオウンゴールを献上。

ハーフタイム、モナコはCFにエンボロが登場。マルセイユは交代は1枚のみだったが、フォーメーションを3142に変更した上、ヌーノ・タヴァレスをLWBからRWBに動かす等、人の配置も入れ替える。これら両指揮官の采配が、後半の流れを大きく変えた。

まず、エンボロ投入は、モナコとしては先制しており、良いビルドアップができなかったことから、シンプルにロングボール等でエンボロに繋ぎ、起点になってもらうことが狙いだったと思われる。
しかし、マルセイユは3142に変更していた(後半開始時はあたかも前半と同じ343かのように立っていたところが憎い!)。そのためエンボロにボールを出しても、CBとDMFに挟まれ、起点になれなかった。
また、エンボロはベン・イェデルのように、効果的なプレスをかけない。しかも形を変えたマルセイユのパスコースはビルドアップ時に増えているので、片側サイドでハメる守備が一切できなくなった。
何よりも、後半開始直後に同点ゴールを許したことで、モナコの狙いは総崩れだったと思われる。その後の交代も、配置変えはなく人の交代のみで、流れを大きく変えることはできなかった。

マルセイユ側の采配はズバリだった。DMFがいる上、CFが2枚に増えたことで、こぼれ球対応やスペース管理が圧倒的に改善。カウンターを受けなくなっただけでなく、保持時間を増やし支配することができた。

個人で見れば、目立っていたのはアレクシス・サンチェスと、後半シュートを打ちまくった(5本以上?)タヴァレスか。特にサンチェスは、起点になるプレー、プレスバック、ボール奪取、魅せるプレー、何でもやる上、ゴールまで奪い、圧巻だった。
なお、南野は不出場。後半、70分までは5分に1回、誰かが倒れたりイエローカードが出たりするほど、フィジカル的に激しい試合になっていたことも理由と考えられる。

両チーム共に、勝ち点2を失ったことを残念がっているかもしれないが、マルセイユは前半不甲斐なかったこと、モナコはカウンター以外でチャンスを作れなったことを考えると、引き分けは妥当だろう。

以上。





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