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防災啓発はアクション・ファーストで行こう

地域や職場で防災啓発事業や研修を企画する時には、「防災意識の向上」を目的としがちだ。しかしこの目的設定は避けた方が良い。得られるものの結果が最初から目に見えているからだ。

啓発事業や研修を実施した直後には一時的に「防災意識」は高まるだろう。しかし、喉元が過ぎれば前と何も変わらない可能性がある。

では、どうすべきだろうか。

「防災意識の向上」をゴールにするのではなく、変えたい防災行動を軸にプログラムを作るのである。例えば、「避難の意識を高める」ではなく、「避難する際の行動をより望ましいものにする」といった具合だ。

働きかけの結果として期待する行動は具体的であればあるほどよい。そのゴールから逆算して、必要な行動をさらに洗い出していく。大きな行動は小さな行動の積算だからだ。そして、小さな行動を一つ一つ変えていくという視点からプログラムを組み、働きかけるのである。

そうしておけば焦点が絞れた啓発事業になるし、どう行動すれば良いかが参加者の中に具体的に残る。行動の変化を継続的に見ていくことで、事後の評価や再度の働きかけも行いやすい。

このように、「心構え」や「防災意識」を目的に啓発を行うよりも、行動を重視した方が具体的なメリットが期待できる。人に働きかける役割を担う防災リーダーには、具体的な行動変容をぜひ目標に企画を組んでほしい。

「アクション・ファースト」が肝である。

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2021.2.22 この記事で書いたコンセプト発展させ、2500字程度の記事として別媒体にまとめました。


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