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ブランディングは、何から手をつけるのか?

本題に入る前に。

妻からの「ゴミリテラシー」が低いと言われました。ゴミの分別を理解していないということらしいです。「リテラシー」つけると、何かカッコ良く聞こえるなぁと思う今日この頃です。


さて、本題に入ります。

突然ですが、「ブランディングを進めたいが、具体的には何から手をつけたら良いのか?」という質問があったので、今回は『ブランド戦略』をできるだけ完結に伝えることができないかを試みてみたいと思います。

ブランド戦略論』田中洋著/有斐閣
ブランド・マネージャー資格試験公式テキスト一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 著・田中 洋 監修/中央経済社
この2冊から、引用をします。

ブランド戦略論』は、500ページある田中先生の集大成の著書で、『ブランド・マネージャー資格試験公式テキスト』は、私が発起人で代表理事をしているブランド・マネージャー認定協会が出版している書籍です。

『ブランド戦略論』を完結にすることは、簡単なことではないですが、『ブランド・マネージャー資格試験公式テキスト』は、若年層向けのテキストですので比較的優しい内容だと思います。ということで、いいとこ取りしてみようと思います。

下の図は「ブランド戦略ピラミッド」といい、企業の経営戦略からブランド戦略までの関係性を示したものです。

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企業の「経営理念(ミッション・ビジョン)」、「経営戦略」、「マーケティング戦略」、「コミュニケーション戦略」の各層が重なっており、これら企業の諸活動を統合したものが「ブランド戦略」です。
ブランドは企業にとって資産となるため、ブランド戦略は「資産を生み出していくための戦略」ということになるので、企業の経営そのものと言えるでしょう。

企業は「経営理念」という土台の上に成り立っています。経営理念とは「なぜ、その会社が社会に存在する意味があるのか」を問うもので、多くは創業時の意味合いだったり、創業者の心情であったりします。

その理念を元に、以下3つを検討します。
1. どのような方向性においてブランドを構築するのか?
2. 何を対象としてブランドを構築するのか?
3. 我社はなぜブランドを構築するのか?

次に「経営戦略」の階層では、会社の本質的な部分でもありますが、会社の規模、事業の領域、資産や投資額、人員戦略など自社が持つリソースを最大限に活用して長期的な経営方針を設定していきます。

次のように考えてみましょう。
1. どの市場にブランドを構築するのか?
2. その市場はどうなっているのか?
3. どのようなブランド戦略を展開するのか?
4. どのような経営資源を投入するのか?
5. その企業のブランド体系のどこに位置づけるのか?
6. どの商標を知的財産としてどのように登録し、権利として維持確保するのか?

「マーケティング戦略」の階層では、ぐっと顧客にフォーカスし、中期・短期的な事業内容や、商品・サービスの開発、価格設定、市場シェアなどの算出を行います。そのときに、競合企業との差異化を測ることが重要です。

次のように考えてみましょう。
1. 誰にブランドを選んでもらうことで価値を提供できるのか?
2. どのようなブランド価値を認知してもらうのか?
3. どのようにして顧客に買ってもらえる環境を作るのか?
4. どのようにして顧客が使用したい製品とするのか?

「コミュニケーション戦略」の階層では、前の階層で作成したマーケティング戦略を、顧客に伝わるようメッセージ化します。
ブランド要素※1」や「ブランド体験※2」を考案し、顧客とのコンタクトポイントを設定。企業から顧客に向けてのコミュニケーションを続けていきます。

※1 ブランド要素
ブランドを識別し、他の商品・サービスと区別する要素。ブランド要素の代表的なものに、「ネーミング」「ロゴマーク・ロゴタイプ」「キャラクター」「キャッチコピー」「パッケージ」「色」「ジングル・音楽」「匂い」「ドメイン(URL)」がある。
※2 ブランド体験
消費者・顧客がブランドと接するあらゆる機会、あらゆる接点のこと。

次のように考えてみましょう。
1. ブランド・コミュニケーションとなるベースとなるのはどのような考え方か?
2. 顧客の行動に働きかけるには、どのような活動を計画するのか?

実際には、どのような組織体制で、どのようにブランド戦略を実行し、その成果をどのように測定するかを検討します。

次のように考えてみましょう。
1. 持続的なブランド戦略として、どのような実行と管理をするのか?
2. ブランド戦略の成果をどのように測定し、測定結果を活用するのか?

「ブランド戦略ピラミッド」のそれぞれの層について部分的に取り組んでも、ブランドの価値は上がりません。経営理念からブランド戦略までの過程は、ブランド全体への影響を考慮して、一貫して取り組む必要があります。

今回のお題は「ブランディングを進めるにあたって、何から手をつけるのか?」ということでしたが、実際のプロセスは、ブランド構築8ステップをオススメします。

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一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会のブランド構築8ステップでは、前述のブランド戦略ピラミッドを、下から順番に作成し積み上げていくことで、ブランド戦略に帰結させていくものです。

このステップに沿って身につけた方々により、実践事例を共有する場を準備しています。

ブランディング事例共有会
https://form.k3r.jp/brand_manager/seminar02

参加費無料で、オンラインで開催していますので、ぜひ、生の事例を体験してみてください。

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