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認知科学に基づくコーチングの理論について - マインドのカラクリの要諦 -

 過去コーチングについてnoteで何度か触れてきてましたが、私が今師事している認知科学に基づくコーチングについて、改めてその概要、理論をまとめて説明しようと思います。

 以前書いたこのnoteとも一部内容が重複してしまいますが、認知科学に基づくコーチング(以下「コーチング」)では、認知科学に基づいたマインド(脳・心)のカラクリを上手に使うことで、クライアントのゴール設定、ゴール達成をサポートすると同時に、クライアント自身がゴールを達成できるマインドの構築、その使い方を教えながらサポートします。

 認知科学について改めて簡単に説明しますと、聞き慣れないかもしれませんが、端的に言うと、人間や動物の「ものの見方」に関する学問、もう少し専門的に言うと、人間の認知を情報処理の観点から研究する学問で、哲学、心理学、言語学、神経科学など多方面のジャンルに関わる総合的な科学とも言われてます。中でも心や脳がどのように働くのか?という情報処理機能に注目する学問です。
 いわば、コンピュータの情報処理と同じように、何かしらの外部刺激に対して、心・脳というマインドが情報処理を行い、その結果として行動をしているのだ。という理解がされている。ということになります(下図参照)

 この内部モデルのことを「ビリーフシステム」(これについては後ほど詳しくご説明します)と呼びますが、コーチはコーチングセッションを通じて、このビリーフシステムの書き換えをすることで、クライアントのゴール達成へ導く存在となります。

 このnoteを読んでくださっている方の多くが、これからコーチングセッションを受けて頂くに先立って、コーチから案内してもらって。という方が多いかと思いますが、このマインドのカラクリの仕組みや用語について理解をしていただくことで、コーチングセッションにおける共通言語を作り、前提を揃える。ということが、これからはじめるご説明の趣旨・目的となります。それでは、マインドのカラクリの要諦についてご説明します。


①RASとスコトーマ

 まずはじめに、唐突ではありますが、私たちは同じ世界に生き、違う世界を見ています。と言われたらどう感じますか?
 実は、私たちの脳には脳幹網様体賦活系(のうかんもうようたいふかつけい)という器官があります。英語では、「Reticular Activating System」これを略して「RAS」と言いますが、簡単に言うと、「人間は意識しているもの、ことだけを見る・聞く」という機能を持っており、その機能を果たすフィルターのようなものがRASと言われてます。つまり、意識してないものは、物理的には目・耳で知覚しているようで、実際には見てないし、聞いていない。ということです。

 私たち人間の脳は、毎分、毎秒、五感を通して膨大な量の情報を知覚しており、1秒間に約4000億ビット(わかりやすい単位にすると50GB)の情報にもなると言われてますが、処理能力としては200万分の1の約2000ビットと言われてますので、これを全部処理しようとすると800年以上かかってしまう計算になります。
 そのため、フィルターをかけて、ほとんどの情報を捨ててしまっているのですが、この情報を捨てる処理、つまり無意識下で何を捨て、結果として何を残すかの優先順位を決めているフィルター、言い換えるとインプットすべき情報の重要性の関数を司る脳のフィルター機能がRASなんです。
 そして、そのフィルターは当然、人によって異なりますし、これが、「私たちは同じ世界に生き、違う世界を見ている」という意味になります。

 例えば、新しい車を買おうと思った時に、その車種、例えばレクサスのSUVが欲しい、買おう、と思ってるとすると、やたらとレクサスのSUVが目に入ってくるようになって、あれ、こんなにレクサスって走ってるっけ?となります。これはレクサスのSUVを買おうと言う決断によって、重要性の関数が更新され、街中にレクサスのSUVがたくさん出現したかのように認知が変わったということであって、当然ですが、世界が変化したわけではありません。

 また、子供が生まれた瞬間にやたらと街中でベビーカーや赤ちゃん、子連れの夫婦が目に入ってくる。というのも同じことです。親になるという責任感から、重要性の関数が更新されて、今までは、見えていなかった、知覚していなかった、赤ちゃんやその関連情報が、出現してくる。ということになります。

 このように、見ているものは人によって違うのですが、逆説的に言うと、見てないものも当然人によって違うわけです。RASによってシャットアウトされているものは全て、その人にとっての盲点となります。この心理的盲点のことをスコトーマと言います。
 
 うるさいパーティー会場のような空間でも、友人同士の会話はよく聞こえる、とか、電車の中で居眠りをしてしまっていても、降車駅のアナウンスが不意に耳に入ってきて目が醒める、なんて経験があるかと思いますが、これをカクテルパーティー効果(選択的注意)とも言ったりしますが、まさにこの聞こえている情報は、RASが聞くべき情報として残している情報であり、それ以外のノイズなり無意識で認識しない情報は「スコトーマ」となるんです。

 このように日常の様々なことの知覚が変わった状態をコーチングでは、「RASが発火し、スコトーマが外れた」と言います。その対象は、その時の重要性において「価値があるもの」と「脅威になるもの」となります。当然、その対象は人によってそれぞれ違いますし、同じ人でも変化していくものなんです。
 このRASとスコトーマという両方の作用によって、私たちは同じ世界に生きていながら、全く違うものを見ているということになりますし、人は自分にとって見たいものしか見ていないということでもあります。

②コンフォートゾーン

 ところで、私たち人間には安心・安全な状態というものが存在してます。人間の脳には、この安心・安全な状態を維持しようとする機能が備わっていて、これを恒常性維持機能、ホメオスタシスと言います。その名の通り、ある一定の幅の中で収まろうとする身体反応のことで、私たちの体は外界の変化に関わらず、体温や血液量、血液成分など、生命機能を維持していくのに必要な状態を一定に維持する能力を持っています。

 たとえば80℃のサウナに入ったときに、体温が50℃に上がるなんてことはなくて、大量に発汗することによって、体温は約36℃程度を保持するわけです。逆に非常に寒い空間に入ったら同様に体を震わせて筋肉の収縮運動をさせることで熱を作って体温を上げることによって、同様に約36℃をキープしようとするわけです。 
 この発汗する、体を震わせる、のような体温を保つためのプロセスは自律神経と呼ばれている体にインプットされたはたらきです。そして、ホメオスタシスは、実はフィジカルだけではなく、マインド、つまり脳の情報処理でも同じことが言えると言うことがわかっています。

 ちなみにこの安心・安全な領域のことを「コンフォートゾーン」と言いますが、ホメオスタシスにより、このコンフォートゾーンから出ない、あるいは何かしらの変化によって不意にその外に出てしまっても、元に戻る力が働きます。(これを、ホメオスタシスのフィードバックと言います)ちなみにこの戻る力のことを、認知科学では「モチベーション」と言います。そう、モチベーションとはコンフォートゾーンに戻ろうとする力のことを言うんです。
 
 私たちは新しい挑戦をしようとするとき、このコンフォートゾーンから外れようとします。例えば、ダイエットで10kg痩せるために毎日1時間ランニングする!とか、朝型の習慣に変えるべく、朝7時起きから5時起きに変えて、朝活を始める!なんてことをやってみたものの、3日もすると元の生活リズムに戻ってしまってる。なんて事はよくある話ですが、まさにこれは元の生活リズムが私にとっての「コンフォートゾーン」なので、ホメオスタシスの機能により、元通りになっちゃいます。ということであって、意思が弱いからとかそういう問題ではなく、人間のメカニズムによるものなんです。つまり、私たちはデフォルト状態で「現状維持」の力がめちゃくちゃ強い。ということになりますね。

 では、どうしたら新しい挑戦ができるのか?という話になると思いますが、

 私たちにはそれぞれ安心・安全な領域、コンフォートゾーンがあるという話をしましたが、体温が36℃である私と、38℃である私と、両方同時に存在しないのと同じく、コンフォートゾーンも2つ同時には取れないわけです。また、先ほどもお伝えした通り、コンフォートゾーンを維持する力はめちゃくちゃ強いわけです。
 この2つの前提条件を踏まえると、私たちが新しい挑戦をしそれを成功に導くためには、コンフォートゾーンから外れる、出ていくのではなく、コンフォートゾーン自体をずらしてあげればよいということなんです。(下記、画像参照。画像内ではコンフォートゾーンを「CZ」と表現してます)

 先程RASの話をして、私たちが世界をありのままに見ていないということはご理解いただいたかと思いますが、これは言い換えると「自分の認識としてリアリティをより感じていること」を私たちは「現実」だと感じている。ということになります。そう、実は私たちの脳は現実か虚構かを区別しているわけではなく、認知そのものが「現実」なのですが、脳にとっての「現実」とは、”臨場感”が高いほうなのです。たとえば、怖い映画を見に行くと物凄く動悸が早くなるし、明日重要なプレゼンがあると前日ドキドキして全然寝れなかったり、急にお腹が痛くなったりした経験はありませんか?現実には起きていないことでも、臨場感が高ければ、脳が無意識でそれを現実だと認知してしまうので、体が反応して様々なホルモンを分泌してしまうことで、このような現象が起きるわけです。
 
 つまり何が言いたいかというと、コンフォートゾーンをずらすという事は、未来の今とは違う、新しい挑戦を達成している未来の状態に対する臨場感を高めることであり、未来の臨場感が高い状態が作れれれば、未来側の自分の状態というものが、新しいコンフォートゾーンになります。
 そうなると、現実の自分はコンフォートゾーンから、気づいたら不意に出ちゃっている状態になるわけですよね。そうなると当然、ホメオスタシスのフィードバックが働き、コンフォートゾーン、すなわち未来側にズレているコンフォートゾーンに向かって戻ろうとする力が働きます。つまりこれが新しい挑戦を成功に導くためのマインドの使い方ということなんです。 

③セルフトーク

 じゃあ、どうやったら未来側の臨場感を高めることができるのか?という話になると思いますが、それはずばり「セルフトーク」を変えることです。

 セルフトークとは無意識的に自分自身に語りかけている言葉のことで、心の中で思ってるけど口には出さないこと、だけでなく、自分では全く意識していないが、考えてしまっている、ということも含んでいて、だいたい1日24時間で3万〜5万回、自分に対して語りかけていると言われてます。
 人は、この自ら語りかける言葉によって、映像を映し出し、その映像に対して感情を発生させる生き物なんです。この感情がセルフイメージを作り出し、このセルフイメージのことを、コーチングでは「ビリーフシステム」と呼びます(冒頭でご説明した「内部モデル」のことですね)。
 つまり、人はセルフトークによって、自らのアイデンティティを定義づけ、自らを縛っている。とも言えますし、私たちのパフォーマンスは、このセルフトークによって決定づけられているということにもなるんです。このビリーフシステムを書き換えていくためには、セルフトークを変えていく必要がある。ということになります。ビリーフシステムが私たちのコンフォートゾーンを作り上げているんです。

 厄介なことに、セルフトークというものは、ポジティブなものもありますが、実は多くがネガティブなもの、これをネガティブセルフトークと言ったりしますが、8割から9割がネガティブセルフトークとも言われてます。私たちは生まれてから、親、先生、友人、恋人、上司など数多くの権威性のある存在から言われてきたネガティブな言葉を受け入れて、無意識下でそのセルフトークを使ってきてしまっているんです。

 先ほど説明した通り、「言葉から映像、映像から感情を発生させている」すなわち、「Word→Picture→Emotion」の順番で感情が生まれ、セルフイメージを作り出すわけですから、これがネガティブなものに塗れていると、当然ながらそのビリーフシステムからはネガティブな言葉がたくさん出てきます。これをそのままにしておくと当然、未来の自分をポジティブに信じて、そちらに臨場感を持つなんてことは難しいので、この大元である「Word」を変えていくことが重要と言うことになります。
 
 ここで大切なのが、未来からのセルフトークをすること、つまり、未来、ゴールを達成した自分であれば、どういう言葉を使っているか、という事を考えることが大事なんです。例えば、「私は一流のコンサルタント」だ、とか「私は日本一のマーケターだ」のようなトークだったり、未来の私ならこういう言葉を使っているはずだというような、未来の自分の感情にアクセスできるような言葉を使うことで、未来側の臨場感を高めていくことができるのです。
 また、現状の私が使っている言葉、特にネガティブセルフトークをリフレーミングしてみる。というのも有効です。例えば、「私は飽きっぽい」ではなく「私は好奇心が旺盛である」とか、あるいは何か新しい事をやってうまくいかないときでも「私には向いてない」ではなく「自分が成長するチャンス!」と言うようにポジティブに捉えることは、「自分の評価は自分が決める」というセルフトークのカラクリ上は非常に有効です。

④ゴール設定

 ここまでの説明で、人間の脳の機能、クセについて、ご理解深めていただけたと思いますが、ここでマインドのカラクリの中で、最も重要なゴール設定についてご説明します。

 認知科学に基づくコーチングにおけるゴール設定には3つの条件を満たす必要があります。

① 「現状の外側」に設定すること
② have toでなく「本音のWant to」(心の底からやりたいこと)であること
③ 複数領域(人生のオールライフ)で設定すること

 1つ目の「現状の外側」に設定すること、についてですが、ここで言う「現状」とは、「今、現在」だけではなく、「現在の状態が続けば、十分起こりうると予想される未来」も含む概念となります。
 例えば、
  ・今の会社でマネージャーから部長になる
  ・年収500万円から1,000万円になる

 というゴールは、その本人にとっては難しいとか、出来そうかわからないな。と思っていたとしても、そのゴールを達成するための条件やプロセスはイメージできると思うんです。そのようなものは全て「現状のゴール、理想の現状」と呼びます。
 
 一方で「現状の外側のゴール」というのは、以下のようなものです。 
  ・達成条件やプロセスが全く見えないレベル
  ・周りからするとそんな無謀なことを辞めなよ!と止められるレベル
  ・想像すると怖くなって挑戦するのを躊躇するようなレベル
  (だけど、想像すると同時にワクワクしてしまう)

 2つ目の「have toではなく、「本音のWant to」(心の底からやりたいこと)であること」についてですが、これは言い換えると「他人軸ではなく、自分軸であること」とも言えます。コーチングにおいては、「他人、特に自分にとって権威性がある人から、どんなに止められたとしても、気がついたらついついやっちゃってしまっているような事を「want to」であると呼び、それ以外の行為は、「have to」であると呼んでいます。
 
 もう少し詳しく説明しますと、「want to」は、この自分にとって権威性のある人から禁止・強制されてもやってしまっていること、気がついたら時間を忘れてついつい没頭して続けてしまっているような事、だったりします。「have to」は、上司や家族、友人など周りの期待に答えようとしてやってしまっているような事、役割・責任があるのでやるべきだと感じている事など、自分以外の他人の思惑が入ってしまうようなことは全て「have to」となります。
 私自身もそうでしたが、思っている以上に無意識下で「have to」に塗れていることが多いので、クライアントのゴール設定をいっしょにやっていく過程においては、そうした呪いのような事実に一緒に向き合いながら、「want to」を特定していきます。

 そして3つ目の「複数領域(人生のオールライフ)で設定すること」についてですが、仕事・趣味・人間関係・社会貢献・知性・家族・健康・ファイナンスという8つの領域でゴールを設定していきます。この8つの領域を「バランスホイール」と呼んでまして、実際のコーチングでは、セッションを通じて、各領域に現状の外側であり、かつ、want toであるゴールを設定していきます。

 画像内にも記載してますが、簡単に各領域の定義を説明しますと、
 ・「仕事」は、身銭を切ってもやりたいことで、人の役に立つ事。
 ・「趣味」は、身銭を切ってもやりたいことで、人の役に立たない事。まさに本音のwant toです。
 ・「人間関係」は、仕事とプライベートそれぞれの人間関係。
 ・「家族」は、パートナー、子供、両親、親(家柄)といったものに対して自分がどういう存在で在りたいか
 ・「社会貢献」は、100%利他で、自分の重要性の外、つまり当事者意識を持てない領域に対して、お金・エネルギーを使う行為。昨今だとSDGsみたいなそういうやつですね。
 ・「知性」は、仕事と関係なくとも、学びたいことであり、体系的な知識を身につける学びであり、生涯学習として何を学ぶのかです。
 ・「健康・美容」は、運動、栄養、休息、美容という領域でこれまで説明した各領域のゴールに対して必要な在り方
 ・「ファイナンス」は、健康含む全領域のゴールに対して必要な収入と支出の差分のことで、資産総額というよりは、フリーキャッシュフロー、手元流動性の話です。
 
 そして、なぜ複数領域、オールライフで設定するかという理由ですが、特定の領域だけでゴールを設定して、そこに集中しすぎてしまうと、その影響で他の領域を犠牲にしてしまうようなことがあったり、他の領域を無駄だと感じてしまったりとすることで、実はその特定の領域のゴールの効果が上がりづらくなってしまったりするからなんです。

 つまり、オールライフでゴールを設定し、人生で何をしても、どこかのゴールに向かって進捗している、近づいているという状況を作っていくことができると、結果として、ゴール同士が影響・連動し合う機会も増え、その中でより良いゴールに更新していくことが出来たり、より効果的なアプローチが生まれたりするわけです。

⑤エフィカシー

 そして、設定したゴールを達成するために最も重要なものを「エフィカシー」と言います。エフィカシーとは、「設定したゴールを自分で達成できると言う自己能力に対する自己評価」のことで、正確には「セルフ・エフィカシー」、日本語では『自己効力感』と言いますが、平たく言うと、「(根拠はないけど)私ならいける!!」という感じでしょうか。これは周りの人から、「君ならできる!!」とか、「こんな過去の経験があるからできそう」みたいな自信のことを言っているわけではなく、「なんかよくわからないけど、いける気がする!!」みたいな「未来のゴール達成に対する、根拠のない自信を持つ」というのがエフィカシーが高い状態ということになります。他人や過去の経験など一切関係なく、あくまでこれは自己評価なので、自分の評価は自分が決めるという事です。

 ちなみにエフィカシーの真逆の概念として、エスティーム(セルフ・エスティーム)というものがありますが、これは、『自分のポジションに対する自己評価』のことであり、日本語で言うと「自己肯定感」となります。例えば、「私は〇〇商事の部長で、年収〇千万で〜」のような、過去から現在の自分の実績、地位、能力に対する自信のことです。このエスティームが高すぎてしまうと、どうしても現状維持に対する引力が強くなってしまうので、コーチングにおいては、「エスティームはそこそこで、エフィカシーをとにかく高くしていきましょう!」というのが基本方針になります。

 日常的に私たちは過去の経験や現在置かれている状況、周囲との関係性の中で生きてます。そのような中では、どうしても無意識的に自分に制約条件をかけてしまったりしているものですが、そうではなく未来の自分であれば、こんなことが出来ているのは当たり前なんだから、出来ないわけがない。
 そのような未来志向の自分になる。というのがエフィカシーが高い状態なんですが、どうしても日々の臨場感に引っ張られてしまいますし、エスティームが高い人であれば、尚更そこに引っ張られてしまうんです。
 ですので、クライアントが一人だけで、設定した現状の外側のゴールに対して、高いエフィカシーを維持し続け、突き進んでいくと言うのは難しいのですが、だからこそ、私たちのような「コーチ」がいるわけです。

⑥ラップアップ

 以上が、マインドのカラクリについての説明となります。

 冒頭でもお伝えしましたが、コーチングでは、コーチングセッションを通じて、マインド、すなわち脳と心の仕組み・使い方を教え、クライアントである、あなたのゴール設定と、それを達成するためのエフィカシーが高い状態にすること。と言うことはご理解いただけましたでしょうか?

 最後に、ラップアップです。

 私たちの脳と心、すなわち私たちのマインドには3つのクセがあります。1つ目、私たちは見たいように世界を見ていて、それ以外はスコトーマになっているということ。2つ目、私たちはコンフォートゾーンという安心・安全な領域を持っており、そこにとどまるモチベーションが高いこと。3つ目、コンフォートゾーンをズラし、現状の外側のゴール側に臨場感を持つためにはセルフトークを変える必要があるということ。

 そしてこれらマインドのクセを理解した上で、have toではなく、want toで、現状の外側、かつオールライフでゴールを設定する。そして、その設定したゴールの未来における達成能力を決める、根拠なき自信であるエフィカシーを高める伴走をさせていただくのが私たちコーチであり、コーチングセッションにおいて提供させていただくものです。

 ここまで長々とご説明させていただいてきましたが、実際、マインドのカラクリを頭で理解できたとしても、それを実際に自己適用させていくのは本当に難しいです。私自身、コーチングスクールで学んでいる中で、自分自身に適用させ、人生を変えていくのは本当に大変でしたし、学校長である李さん、本当に素晴らしいメンターの皆様、OBOGのプロコーチの諸先輩方、同期など周囲の存在がなければ、今の自分はいないと思いますし、これからも周囲の力を全力で頼りながらではありますが、今、この瞬間も現在進行形でゴールを更新し続け、チャレンジし続けています。

 このように自己適用を進め、コーチングの持つ可能性を心底肌身で感じているからこそ、プロコーチとして、一人でも多くの方の人生をより素晴らしいものにしていくお手伝いをさせていただきたいとそう思っております。(まだ卒業はしていないので、プロと名乗るのはもう少しだけ先になりますが!)
 いつものことながら長文のnoteにはなってしまいましたが、ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました!コーチングセッションでお話しできることを楽しみにしております!


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