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正式ローンチ前にプロダクトのLPを公開して、マーケットのニーズ検証をした話

株式会社フライルの荒井です。

以前書いた「プロダクト開発着手」から「初めての有償利用の実現」までにかかった1年間を振り返るでは、昨年の12月にクローズドβ版のユーザーを募集するためにサービスのLPを公開した、と記載しました。

「プロダクトの作り込みをする前にユーザー検証を行うべき」という話は昨今のプロダクト開発においては当たり前となってきていますが、我々が行ったアプローチも有効な検証方法の一つだったので、今回はその振り返りを行いたいと思います。💁‍♂️

正式ローンチ前にLPを公開することで、様々な検証が可能である

TwitterのTLやPMが所属するコミュニティのSlackを眺めていると「〇〇というプロダクトのβ版ユーザーを募集します!」や「サービス利用開始前の事前登録を受け付けます」といった発信を目にすることがあります。
これらのアプローチは、プロダクトの作り込みを行う前に想定されるユーザーからの反応を見ることで、コストをかけて実際に製品を作ったけどだれも使おうとしなかった、という悲劇的な状況を回避するために有効です。

LPを作ることで検証可能な例としては、以下のようなものが考えられます。

例1:製品のニーズを調査する
・提供しているプロダクトに対して、そもそも課題を持っている人がいるのかどうかを検証する
・LPには「解決しようとしている課題」や「プロダクトのコンセプト、機能」を記載し、ユーザーにイメージを持ってもらう
・製品はまだ利用できる状態ではないため、「利用可能になったら順次アナウンスします」という形でリード獲得をする

例2:プロダクトの実用性・価値を検証する(β版ユーザーの募集)
・ある程度プロダクトが形になった状態で、実際の現場で利用できる機能セットが揃っているか、ユーザーがプロダクトに価値を感じるかどうかの検証を行う
・プロダクトがβ版であることを伝えることで期待値調整を行う。β版でもぜひ利用したいという顧客は、深いペインを抱えている場合もあれば、新しいもの好きで試しに触ってみたいという場合もあるので、誰の意見をよく聞くかの判断には注意する
・利用を開始してもらう際「ぜひ、製品の改善のために適時ヒアリングを実施させてください」と合意を取っておくと、新機能の検証がしやすくなる

例3:マーケティングメッセージを磨く
・製品リリース前に「どのようなマーケティングメッセージがよいか」を検証し、広告配信における適切なメッセージングを考える
・実際に広告を配信して、興味を持ってくれるセグメント想定通りかを知る
・LP内でABテストを実施すると検証効率が上がる

実際のFlyleの取り組みとリリース後の反響

僕たちの場合は、ユーザーインタビューを通じた課題の特定・コンセプト検証を行っていたため、ある程度形にプロダクトを実際に使っていただき業務の中でも十分に利用できるレベルになっているかどうかを検証する必要がありました。そのため「トライアル利用してくれるβ版のユーザー募集」を目的にLPの公開を行いました。

LP公開の拡散方法としては、社内のメンバーを中心にTwitter、facebookでの投稿がメインでした。社内の体制を考慮して社数を絞ってサポートさせていただく予定だったため、少し控えめなアプローチでした。(振り返りにも記載しますが、このタイミングでより多くのことを検証するためもっと積極的に拡散しておけばよかったかなと思います。)

こちらが実際のTwitter、facebookの投稿です。

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LP公開後、以下のような反響がありました。

1. トータルで50社程度のお問い合わせをいただいた
2. 「BtoBプロダクトに関わるPM」以外にも、カスタマーサクセスのMGR、大企業の新規事業担当者、創業1年未満のスタートアップの創業者など、想定していたセグメントからも申し込みがあった

お申し込みをいただいた方全員にヒアリングを実施させていただいたところ、「顧客要望をまとめてプロダクトチームに伝える業務を楽にしたい」「UXリサーチに関する経験がないため、意見交換をしたい」「ツールを導入することでフィードバック管理の仕組みを学びたい」など、Flyleへの期待値も様々でした。

ヒアリングをさせていただいた結果、期待していたプロダクトとは少し違ったり、導入するには機能が不足していたりという理由でトライアルには至らなかったケースもありましたが、それでも20社程度がトライアルを開始してくださいました。トライアルに至らなかった理由に関しても、ユーザーからの期待値を把握し、今後開発する機能の優先度を判断する上でも非常に重要な情報となりました。

振り返って、改善すべきだったポイント

無事にクローズドβ版のユーザーの募集が完了し、トライアル利用をしていただいたことで、「実際に業務で使うにはそもそも〇〇機能が必要」「お金を払ってでも使い続けてもらうにはXX機能の改善が必要」といった、次のフェーズに進むためにやるべきことが明らかになりました。今振り返ってもアプローチとしては成功だったと思う一方、もっと良くできた部分はあるなという改善点もあります。

1. もっと早くLP公開をするべきだった
LPを公開し、マーケットからの反応が見えたことで、その後のやるべきことがどんどんと明らかになりました。知り合いにお願いししてヒアリングをさせていただいた情報も重要ですが、製品や会社のことを全く知らない状態から「課題ベースで問い合わせをしてくれた顧客」の意見はプロダクトにとって非常に重要な情報となります。
LPだけを公開したけどなかなかプロダクトを利用できない、では顧客の期待を裏切ってしまうことになりますが、自分達の場合はもう少し早いタイミングで実施できたように思います。

2. 少額でもよいので広告運用をすべきだった
弊社のマーケティングを担当しているCOOは、ソーシャルでの拡散だけではなく、低予算でも広告を回してどのようなセグメントにどのようなマーケティングメッセージが効果的なのかも検証しておくべきだったという振り返りをしていました。6月の製品版リリース直後から広告配信を始めたのですが、広告の最適化にはある程度時間を要するため、LP公開のタイミングで「どんなキーワードやメッセージが刺さるか」かを検証することで、製品版リリース直後の広告運用がよりスムーズになったのではないかとのことです。

おわりに

この記事では、Flyleがクローズドβ版のLPをどのような目的で公開し、実際の反響がどうだったかを振り返りました。インバウンドでどれだけ反応があるかを検証することは、今後のプロダクトの成長度合いを確かめることにもつながるため、非常に効果のある施策だなと思います!

顧客フィードバックをプロダクト開発に有効活用するための「Flyle」を開発しております。もし興味があればお問い合わせやトライアル利用をお待ちしております!


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