ビジネスマンに勧める資産形成(株式投資)⑫~キャリア戦略に資産形成が有効な理由~

かなり間があきましたが、引き続き「複利の力」について考えてみます。

(↑は当日のPPTスライド)

前回は複利の効果について、事業的な側面と株価的な側面からご説明しました。
ここで1つユニークな手法をご紹介します。

72の法則」というものがあります。これは、72を予定する投資の複利運用利回りで割り込むことで、その投資元本が2倍になるのに必要な年数を計算できる、というものです。例で示してみましょう。

■複利ベースで年利3%の運用の場合。72÷3=24、つまり投資元本が2倍に成長するには24年が必要であることが分かります。

■複利ベースで年利5%の運用の場合。72÷5=14.4、つまり投資元本が2倍に成長するには14.4年が必要であることが分かります。

■複利ベースで年利7%の運用の場合。72÷7≒10.3、つまり投資元本が2倍に成長するには約10年が必要であることが分かります。

3番目の「投資元本が2倍に成長するのに、運用利回り7%で約10年が必要」というのは、1つの目安として頭の中に入れておくと便利です。米国S&P500指数は過去数十年のリターンの平均値を取ると、年間約8%程度のリターンを上げていると言われています。
これは、2001年のドットコムバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2022年の過剰金融引締めなど、米国株式市場が崩落した年のリターンも全て含めて、平均すると概ね8%程度のリターンを投資家にもたらしているということです(ドットコムバブル崩壊やリーマンショック時ではS&P500は数十%の下落率でしたが、それらも含めてこれまで年平均約8%です)。

要するに、S&P500に投資すれば概ね10年で投資価値が2倍になるということでもあります。次回もう一度だけ複利の話をして終わりにしたいと思います。

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