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小説なんて書けるかいなと思っていた

あれは中学だったか、国語の授業で小説を書く、というのがあった。

少女漫画頭だった私は、萩尾望都先生の世界観を真似しようといさんで書き出したものの、結局最後まで仕上げることができなかった。
出来の良し悪しは置いといてみんな提出してたのにね。

想定内(笑)

タイトルだけはカッコよく、ドーバーの白い鳥、だったような(笑)
中2病すぎる(笑)

本が大好きだったので、小説は昔からよく読んでいたが、その挫折があったため自分で書くなんて発想はこれっぽっちも持っていなかった。

なのに

書きあげましたよ、小説を。
小説と呼んでいいのかわからないけれど、とりあえず小説ってことで!

『0ゲートからの使者』光と影の数秘術


私の本職は数秘術家。

数秘術を使って、カウンセリングやコーチングをしている。
数秘術の講座も以前からやってきていたけれど、今はなさる方がすごく増えてるし、もっと違った形で数秘を紹介できないだろうか……

と考えていくうちに、本を書こう、となりまして。

ちょうどコロナで自粛の最中、対面セッションがなくなったのをこれ幸いと執筆活動へ。

書いたんですよ、とある数秘の原稿を。

ところが下読みしてくれた娘が、
「これはお母さんの卒業論文みたい」とパンチのある感想くれて。

たしかにそうだ。

自分でもうすうす思っていたけど卒論かぁ


自信もなくなりしょんぼりしていたら、今度は夫が、

「小説書けばいいじゃない? ある男がビルから転落してその手に数字が書かれたメモが握られていて……みたいなストーリを」

はは
何を言うか、火サスかコナンじゃんか!

鼻で笑ってスルーしたけれど、
そのとき夫が言った「小説」という言葉が妙に頭に残って。

課題を仕上げられなかった黒歴史が浮かび、
自分にはできっこない、と思いながらも、なぜかそれもアリかと心が動き…

ちょうど土手を散歩しながらそんなことを考えていたら
昼間なのに夕方のように空が曇りだして、あそこから何か降りてきそうだな、と思った瞬間、

「書ける!」

と、なんだかわからないけどそう思ったのよね。
書きなさい、でもなければ、書いてみようかでもなく。

家族からは趣味散らかしと異名をつけられている私なんですがね。

(この体験は小説の冒頭にもちょっと使いました)


半生振り返ってみると、私はこのような体験を他でもしていた。
多くはないけど、ここぞというとき、自分にとってのターニングポイントになるとき、なぜか「それはもうなされた」という感覚を抱いた。
絵が浮かぶことも。

ふだん日常のしょうもないことは死ぬほど悩むのに。
ダイニングテーブル買い換えたい、あれが欲しいと2年以上どうしようと悩み続け、結局それを買った。

2年も悩むか時間がもったいない。

そういうときは、「買った!」とは閃かないんだ。
まあ閃かなくとも買いたきゃ買えばいいんだが(笑)


書ける!
と思って書き出した小説、
たしかにすらすらと文言が浮かび、目の前に繰り広げられる映像を追いかけるように文字を打つときもあれば

うう、書けない!
となって数日さわりもしない期間もあり。

アホだった……
なんで書けると思った?

いやいや書くのってこんなに楽しい

の、繰り返し。


プロの小説家の先生からしたら笑っちゃうレベルでも、とにかくカタチにした、ということが私のなかでは花丸。

ドーバーのなんちゃら、最後まで仕上げられなかった私よ、お前は半世紀後に汚名返上できるからな。

あきらめるなよ。

書ける、よ。


今の私のメッセージがあのときの自信なさげに土手を歩く私に届いたのかもしれない。


第1話から44話最終回まで、一気読みできます。




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