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【英国LLM留学】英国法弁護士への道#5 │SQE1の申込み

こんにちは。
お読みいただきありがとうございます。

ぼくは、イギリスに留学中の弁護士です。
2023年にロンドンのロースクール(LLM)を修了し、現在は、ロンドンの法律事務所に出向中です。

引き続き、ぼくが英国法弁護士に登録されるまでを振り返っていきます。もしかしたら、聞きなれない略語が出てくるかもしれません。よければ、第1回の分からお読みいただけると分かりやすいかと思います。

前回と前々回の2回にわたり、SQE1の中身を紹介しました。今回は、SQE1の申込みに関することを書ければと思います。

なお、英国法弁護士で大変なのは、試験勉強ではなく事務手続です。各手続に関する要件等については、できるだけ確実な情報に基づいて話を進めていきますが、最終的には、ご自身で確認頂くようお願いします。


2022年7月:My SQEに登録

勉強のエンジンがかからない

前回と前々回、2022年の春に届いたSQE1のテキストが入った大きな段ボールを6月になってようやく開封したことを書きました。

6月と言えば、渡英の直前期です。全部で30冊近くあるテキストをイギリスまで持っていくのは現実的ではないと思われたことから、業務の合間を縫ってせっせとPDF化していました。

そして、気づけば7月になり、事務所の執務からもようやく解放されたぼくは、借りていた東京の家も引き払い、妻の田舎でのんびりしていました。あとは、7月下旬のフライトを待つのみとなりました。

いや、さっさとSQE1の勉強始めろよ、、と書いてるぼくも思います(笑)
もし、この時期に少しでも勉強を進めていたら、直前期にあんなに詰め込むこともなかったし、ロースクールのテスト勉強の時間がなくなってFailを取ることもなかったのだろうなと思っています。

そのときの失敗談はこちら↓↓

"My SQE"のアカウントが必要らしい

SQEのステータスは、My SQEというサイトで管理されており、SQE1, 2の申込や、試験結果の確認は、このMy SQE上で行います。

作るのはタダなので、少しでも英国法弁護士に興味のある方は、試しに作ってみても良いかもしれません。

もう2年前のことでうろ覚えですが、手元にある色々な資料から総合するに、ぼくはこの時期にMy SQEを作成していたみたいです。きっと暇だったんだと思います。繰り返しますが、この時期にきちんと勉強しておけば、、。

プロフィールの入力と本人確認

アカウントを作成し、認証を済ませると、次は、プロフィールを入力します。氏名、生年月日、国籍は、基本的に後から変更不可なので、間違いのないよう入力してください。

その後、本人確認手続が必要です。パスポートのスキャンをMy SQEにアップロードして、しばらくすると確認のメールが届きます。あまり想定されないかもしれませんが、もしパスポートを持っていない人がいれば、My SQEの本人確認が叶わない結果、SQEを受験できないという事態が生じるかもしれません。

本人確認が済むと、障害などの理由でSQEの受験に当たって特別な配慮が必要か否かに回答します。また、所定の免除を受ける立場にあるか否かも確認されます。

以前にも書いたと思うのですが、ぼくは、当初、SQE2の免除が受けられると思っていなかったため、「免除を受ける資格があるか?」の質問にNoと答えたと記憶しています。それでも、後から免除を受けられましたし、特に問題は生じていません。ただ、もしここでYesと答えた場合に、どうなるのかはぼくが経験していないため、分かりません。

試験スケジュールの(再)確認

ここまで進めると、ようやくSQE1の予約まで進めます。

ぼくは2023年1月末に、SQE1を受験する予定であったところ、2022年7月の段階では、まだ出願ができない状況でした。

手元の記録を見直すと、9月26日に出願を試みており、確かにその当時も「まだもう少し先だな」と思った記憶があります。そうして、ぼくはMy SQEをログアウトします(勉強はまだ始めません、、!)。

2022年9月下旬:SQE1の申込み

My SQEのアカウントを作成してから、約2か月が経ち、9月下旬になりました。いよいよロースクールへの入学です。

2か月間まったく進められなかった勉強

当初の予定どおり7月下旬に渡英したぼくは、6週間のプレセッショナルコースを修了して、その後は、ヨーロッパの各国を一人旅していました(妻の子どもは遅れて渡英してきたため)。

勉強やプライベートの用事で大忙しというほどでもなかったのですが、家に帰るとぐったりしてしまい、テキストを読む気になれませんでした。今では全くそんなことないので、思い返すと、海外での慣れない生活を始めたばかりで、それなりにストレスを感じていたのかもしれません。

ふと、そろそろ申込みが始まったことを思いだす

とはいえ、待ちに待ったロースクールの授業も始まり、当時のぼくの勉学へのモチベーションはマックスでした。プレセッショナルコースでは、法学に触れられなかったため、少し飢えていたのもあります。

そんなとき、2023年1月下旬のSQE1の申込がそろそろ始まることを思い出します。運よく、それを思い出したのが申込開始日の直前だったため、ぼくは、その日のロースクールの授業が終わって家に帰り次第、すぐに家のパソコンでMy SQEにログインして、申込み画面に進みます。

全てグレーアウトされている会場

その日のいつ受付が開始されたのか分かりませんが、家を出るときはまだ申込が始まっていなかったので、少なくとも受付開始から半日以内に、ログインしたはずでした。しかし、ロンドンにある3~4つの試験会場は、全てアイコンが灰色になっていてクリックできません。

ロンドン以外の試験会場も全て灰色です。同じくSQE1を受けようとしている友人にメッセージしてみたら、どうやら、試験会場は秒速で埋まった様子で、その友人も予約できなかったと嘆いていました。

もし1月下旬にSQE1を受けられないとなると、英国法弁護士登録までのスケジュール(当時)が大きく狂ってしまいます。焦ったぼくは、SQEの実施機関であるSRAに「ちょっと何とかしてくれませんか?」という旨の問い合わせをしました。

申込み枠の復活

翌朝、SRAからこんなメールが届きました。

Test centres in the UK filled very quickly - we are expecting to release a significant amount of seats in London from 10am today,

ぼくは、このメールを朝に確認しました。そこで、10時ぴったりに申込ページに入り、(そこから結局30分ぐらいつながらなかったものの)無事に申込みを済ませることができました。ただ、会場は「TBD」となっており、「あなたが受験するロンドン市内の会場は、後日連絡する」ということでした。

受験料

そういえば、まだSQEの受験料について触れていなかった気がするので、ここで紹介します。

SQE1:£1,798(FLK1:£899、FLK2:£899)
SQE2:£2,766
※いずれもVAT(消費税)を除く。

イギリスのVATは20%なので、SQE1の受験料は、£1≒195円とすると、だいたい42万円です(*1)。司法試験の約15倍の値段ですね。

正直にいってちょっと異常な値段だと思います。これだけ高いと絶対受からなきゃいけない気持ちになりますよね。

詳しい情報は、以下をご覧ください。

補足:イギリスでSQE1を受験する場合は申込受付開始後すぐに申込むべき

ぼくがSQE1を受けたときは、まだ試験制度が始まって間もなく、大勢の受験生が受験した初めての回だと言われています。そのため、上記のような試験会場準備の不適際があり、色々とグダグダな運営でした。

すぐに会場が埋まるロンドン

もっとも、試験会場不足は依然として解消されていないようで、聞いた話だと、直近のSQE1も、アクセスの良い試験会場は秒で埋まったそうです。

そのため、もし、イギリスでSQE1を受験することを予定されている方は、申込受付開始後、すぐに該当ページにログインして申込みを済ませることを、強くお勧めします!!さもなくば、郊外の受験会場しか空いていなかったり、最悪の場合、わざわざ他の地方まで行って受けなければならなくなってしまいます。

上記が、試験日程と各日程の申込受付開始時間です。2025年1月下旬のSQE1は、2024年10月1日午前10時(UK時間)受付開始ですので、そのタイミングでSQE1を受けようとしている方は、注意されてください!

日本の会場はガラガラ(らしい)

実は、SQEはイギリス国外でも受験できます。

ざっと見た限り、世界中で受験が可能であり、日本では、次の地域で受験が可能なようです。

・ Chiyoda-ku, Japan
・ Shinjuku, Japan
・ Tokyo, Japan
・ Osaka-shi, Japan

Chiyoda-kuとShinjukuはTokyoじゃないのかという疑問や、Osaka-shiと書くならTokyoじゃなくてTokyo-toではないかという疑問もあるのですが、SRAがそう書いているのだから仕方ありません。

いずれにしても、東京と大阪近辺で受験できることは間違いないようです。これも聞いた話なのですが、日本の会場はどこも空いているとのことです。そのため、日本での受験を予定している方は、ロンドンの会場を予約する人のようにピリピリする必要はないかもしれません。

小括

ここまでお読み頂きありがとうございました。
今回は、SQE1の申込について振り返りました。

ダラダラと書いてしまいましたが、今回お伝えしたいことはほぼ一つです。くれぐれも、以下の点にご注意ください。

・ イギリスでSQE1を受験する場合は申込受付開始後すぐに申込む

次回は、SQE1の(ぼくなりの)勉強方法について書きたいと思います。

追記:次回の記事です。

このエントリーがどなたかのお役に立てば、嬉しいです。
また次回もよろしくお願いします!


【注釈】
*1 なんと、2024年9月以降の受験料については、SQE1が£1,888、SQE2が£2,902に値上がりします!だいたい5%増ですね。イギリスのインフレ率に合わせているのかも知れません。


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このnoteは、ぼくの個人的な意見を述べるものであり、ぼくの所属先の意見を代表するものではありません。また、法律上その他のアドバイスを目的としたものでもありません。noteの作成・管理には配慮をしていますが、その内容に関する正確性および完全性については、保証いたしかねます。あらかじめご了承ください。


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