アルバム単位で聴く
『オペラ座の夜』からのアレで(詳しくはこちらのテキストで)、同じクイーンの『ジャズ』も聴き返す。CDは持ってないので、こちらのファンサイト?の音源から。まぁ結局youtubeに飛ぶんですけど。
『ジャズ』こそ、私が中三のとき初めて聴いた洋楽で、収録曲「ファット・ボトムド・ガールズ」の空耳「さっちゃんの身になれ」を聞きたくてクラスメイトに借りたのでした。そして、恥ずかしながら、私はこれで音楽に目覚めたのでしたが、それはともかく。
『オペラ座の夜』は22年越しに思いが実現して初めて聴いたわけだけど、そんなわけで『ジャズ』は中三当時にかなり聴きこんだアルバムとなります。
クラスメイトに借りたのはCDだったけど、CDからCDに焼くなんてことは当時まだできなくて(少なくとも我が家では)、手元に残ったのはCDから録音したテープでした。それを最後に聴いたのはいつだったかはっきりしませんが、とにかくもんのすごい久しぶりに聴きましたですよ。
思い入れが強すぎたこともあって赤面するかと思ったら、そんなことはなかったです。
実際、すばらしい内容で、色々な時代やジャンルの音楽を知った今では、「まぁ分かりやすい音楽だよな」とは思いはするものの、佳曲が詰まったいいアルバムだと思います。
タイトルについて「何がジャズかよ」というのはあるけども、音が溌剌としております。この音が溌剌としてるというのは、実はなかなか達成されないものだと個人的には思っております。
それにしても思ったのは、やはりオリジナルアルバムで聴かないと分かんないよなと。
例えばクイーンでいうと『ジャズ』と『ザ・ゲーム』と『イニュエンドウ』が、アルバムとして私がよく聴いたものなんだけど(意外に少なかった?そして偏っている?)、ファンだった当時から時間が経ちすぎてることもあって、どうしてもベスト盤に入ってたようなヒット曲がバンドのイメージになってしまっていて。
そういうときオリジナルアルバムを聴くと、「あ、そうか、こういうバンドだったのか!」と気づかされることが多々あります。
ビートルズも、といきなりビートルズの話になりますが、私は長い間、やはり私が中三のときにCDで再発された通称赤盤青盤(更にその通称がバカ盤アホ盤)の各2枚組、計4枚組のベスト盤を購入しまして、それを大部分の歌詞を丸暗記するくらい聴いていたので、なんか分かった気になってました。
計4枚で曲数も十分あったですしね、そんな気にもなりますよ。で、それ以後、オリジナルアルバムは一枚も聴く機会がないままでした。
それが、つい2、3年前、レンタル落ちで安く出てたオリジナル盤を何気なく買って聴いてみたところ、そこには私の知らないビートルズがいるじゃあ~~りませんか。びっくりしたのなんの。
「面白い!」
これがビートルズを初めてオリジナルアルバムで聴いた私の感想です。感想というか、そういう「面白い!」という衝動に突き動かされて、思わず他のオリジナルアルバムも一通り入手して(『マジカル・ミステリー・ツアー』以外)聴きまくりましたよね。
どれもこれも面白かったですよ。分かってたような気になってましたが、何も分かってなかった。ビートルズというのは「いい曲をたくさん書いたバンド」ではなく、「遊び心を本質とする、色んな事をやった(やれた)、若者たちのバンド」だったのです基本的には、私の解釈によれば。
そこの一番大事なとこが伝わらないから、やはりベスト盤は何曲入ってようとバカ盤アホ盤なのです。
こういう発見、再発見は実に大きい。
本当は、生で聴かなきゃ分からないというのもあるんでしょうが、オリジナルアルバムを聴くことで、それで初めてバンド(とかそのミュージシャン)の在りようみたいなものが見えてきます。ベスト盤で分かった気になっちゃいかんですね、ホント。
とは分かってるんだけど、ついなっちゃうんだけどね。
以前、小説30選とか漫画30選をやったついでに、アルバム30選というのもやりかけたんですが、途中で投げ出してしまったことがありました。
というのは、アルバム単位で「これは聴いたねー」と言えるものがそもそも数限られていて、厳選するほどのこともなかったからです。
音楽は中三で目覚めて以来ずっと好きで、一時期仕事にしていた映画より、今メインにやっている小説より、音楽の方が好きなくらいですが、そのくせアルバム単位で聴くという習慣は、案外あとになるまで身につきませんでした。30過ぎるくらいまで。
どうしても曲単位とか演奏単位で聴いてしまって、好きになったものはそれこそ同じ曲を一日中繰り返しリピートで、何日も何日も続けて聴くとか、そんな感じで聴きますが、アルバム単位で言ったらどうなの、というところです。
このアルバムは持ってるけど、場合によっては「好きなアルバムだねーこれはねーいいよねー」とか言っちゃうこともあるけど、実際はその中の1曲か2曲しか聴いてないなんてことも珍しくないです、ホントのところ。それではファンの風上にも置けませんよ。
というところで、またトークで書きかけたのが長くなりそうだったのでテキストに切り替えたのだけど、これ以上はキリがないし文章整えるのも面倒なので、ここでひとまず切ります。いつも適当な文章ですいませんが。
がっつりまとめますと、アルバム単位できちんと聴きたいなーということです。
今の時代はもうアルバムという単位そのものが成立しにくくなってるのかもしれないですけど、よく知りませんけど。アルバムと小説の短編集を比べて考えてみるというのも興味を惹かれますが、キリがないので。
アルバム30選も再挑戦してみても(主に自分が)面白いかもしれないけど。
とりあえずこれで。