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提案書の書き方|作成前の準備、よくある構成、作り方を徹底解説

提案書の作成は、ビジネスにおいて身につけておくと役立つスキルの一つです。新規事業立ち上げの企画や、法人営業でのクライアントへの提案など、様々な場面で活用できます。

しかし、いざ提案書を書こうと思っても、何から始めればいいのか、どんなスライドの構成にすればいいのかと悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、提案書の作成に必要な準備から、分かりやすい構成、そして説得力のあるプレゼン資料を作成するためのポイントまでを詳しく解説していきます。


1.提案書作成前の準備

提案書の作成は、単にアイデアをまとめるだけではなく、相手を説得し、行動を促すための重要なプロセスです。さらに、提案には事前の準備が必要となります。

提案背景を整理する、提案内容を具体化する、実現の可能性を示す、という3つのステップについて、以下で解説します。

1-1.提案背景を整理する

提案書作りの出発点となるのが、なぜこの提案が必要なのかという「背景」です。この背景を明確にすることで、これから準備する提案の内容がより鮮明になり、説得力が増します。

現状と理想のギャップを確認しながら、以下のような点を整理できるとよいでしょう。

  • 現状の問題点:現在の状況と理想の状況を照らし合わせて乖離が生じている点や不足している点などを洗い出します。

  • 問題解決の必要性:問題点を放置した場合に起こりうる悪影響や、解決することで得られるメリットを明確にします。

  • 提案の目的:提案によって解決したい問題や達成したい目標を調べます。

1-2.提案内容を具体化する

提案の核となるのが、課題に対する何らかの打ち手や解決策です。抽象的なアイデアではなく、相手に具体的な行動計画や施策を提示することで、実行のイメージを掴んでもらいやすくなります。

以下のような観点から、具体的な実行プランを作成しましょう。

  • 解決策の提示:課題や問題を解決する方法を具体的に説明します。

  • 実現する内容:提案内容を実現するために、どのような方法で、誰が、いつまでに実施するのかを明確にします。

  • 期待される効果:提案内容の実施によって、どのような効果が期待できるのかを数値目標などを用いて具体的に示します。

1-3.実現の可能性を示す

提案内容がいかに魅力的であっても、実現可能性が低いと判断されれば、相手に受け入れてもらえません。精緻な計画や費用対効果を示すことで、提案の信頼性を高めることができます。

具体的には、以下のような点を検討するとよいでしょう。

  • コストの試算:提案内容の実行に必要な人員、物品、予算、時間などを明確にします。

  • リスクと対策:提案の実施に伴うリスクや懸念点を洗い出し、それぞれに対する対策を具体的に示します。

  • 事例の収集:過去の取り組み例や類似の事例を参考に、成功や失敗の可能性を予測します。

2.提案書でよくある構成

ここでは、よく使用される提案書の構成を説明します。

表紙
目次
提案背景
提案内容
効果
費用
スケジュール
まとめ

2-1.表紙

提案書の一番最初のページであり、資料全体の顔となる部分です。ロゴ、提案書タイトル、作成者、提出日などを明記します。視認性の高いデザインが望まれます。また、提案先の企業名を併記することで、相手への敬意を示すこともできます。

  • タイトル:提案内容を端的に表現したタイトルを付けます。

  • 提出先:提出先の企業名と担当者名を記載します。

  • 作成者:作成者の名前を記載し、問い合わせ窓口を明確にします。

2-2.目次

提案書全体の流れを把握するための羅針盤です。各章のタイトルとページ数を記載し、読者が目的の情報を素早く見つけられるようにします。目次を見ることで、提案書の構成が論理的に組み立てられているか、全体像が把握できるかが分かります。

  • 大項目:主要な項目を大項目として表示します。

  • 中項目:大項目を細分化し、中項目として表示します。

  • ページ番号:各項目のページ番号を記載し、目的の箇所へスムーズに移動できるようにします。

2-3.提案背景

なぜこの提案が必要なのか、その背景を説明します。現状の問題点や課題、改善したい点などを明確にし、提案内容がこれらの問題解決にどのように貢献できるのかを示します。冒頭で背景をしっかりと説明することで、提案の必要性と重要性を相手に理解してもらうことができます。

  • 課題の提示:顧客が抱えている課題や問題点を明確に示します。

  • 課題解決の必要性:問題点を放置した場合のデメリットや、解決することによるメリットを具体的に説明します。

  • 提案に至った経緯:どのようにしてこの提案に至ったのか、その経緯を簡潔に説明します。

2-4.提案内容

提案の核となる部分です。どのような手段を用いて価値を提供するのか、その具体的な内容を説明します。実現できることや提案先のニーズに合致していることを示すことが重要です。図や表などを活用して視覚的に分かりやすく説明することも効果的です。

  • 実施内容:解決策として提案する内容を具体的に示します。

  • 実現方法:提案内容を実現するために、どのような手順や方法を用いるのか説明します。

  • 独自性:製品やサービスの強みを強調し、競合他社と差別化を図ります。

2-5.期待される効果

提案内容の実現によって見込まれる効果を説明します。定量的な数値や他社の事例などを用いて、効果を裏付けることで、提案の説得力を高めることができます。そのため、提案が採択される判断基準や検討の軸について事前に把握しておくことが望ましいです。

  • 定量的な効果:売上向上、コスト削減など、数値で示せる効果を具体的に説明します。

  • 定性的な効果:ブランドイメージ向上、顧客満足度向上など、定量化が難しい効果も具体的に説明します。

  • 顧客の便益:実施により得られるベネフィットを説明し、提案内容の価値を訴求します。

2-6.実行に必要な費用

提案の実施に必要な費用を明確に示します。費用の内訳や算出根拠を説明し、その金額が必要となる理由を示すことが重要です。費用対効果を意識し、提案内容に見合った価格であることが、提案の採択につながる可能性を高めます。

  • 内訳:費用内訳を細かく示し、費用の根拠を説明します。

  • 支払い条件:支払い条件を明確にし、顧客の負担を軽減できるように検討します。

  • 費用対効果:費用と得られる効果を比較し、費用対効果の高さをアピールします。

2-7.スケジュール

提案を実施する体制やスケジュールを説明します。各工程の開始時期と終了時期、重要なマイルストーンなどを明確にすることで、実行イメージを具体化することができます。

  • 工程表:各工程の開始日と終了日を明確にし、プロジェクトの進捗状況を把握できるようにします。

  • マイルストーン:主要なマイルストーンを設定し、プロジェクトの進捗状況を可視化します。

  • 遅延対策:万が一遅延が発生した場合の対策を事前に検討しておきます。

2-8.まとめ

提案書全体のまとめとして、再度、提案のポイントを簡潔にまとめます。提案内容、期待される効果、費用、スケジュールなどを改めて提示し、提案の採択をお願いする言葉で締めくくります。

  • 提案内容の再確認:提案内容を簡潔にまとめ、顧客に再度理解してもらいます。

  • 期待される効果の再確認:提案内容の実現によって得られる効果を再度強調します。

  • 次のステップ:次のステップとして、顧客との打ち合わせや契約などを提案します。

3.提案書作成のポイント

提案書は、あなたのアイデアを相手に効果的に伝えるための重要なツールです。説得力のある提案書を作成するためには、以下の3つのポイントに注意しましょう。

3-1.書く内容を決めてからスライドを作成する

パワーポイントなどのプレゼンソフトは、提案内容を視覚的に表現するために便利です。しかし、スライドありきで内容を決めてしまうと、伝えたいことがぼやけてしまい、相手に正確に理解してもらえない可能性があります。

以下のような手順で、スライドを作成しましょう。

  • 提案内容を文章でまとめる:まずは、伝えたいことを文章で具体的に書き出しましょう。論理的な流れを意識し、結論から述べることも効果的です。

  • スライドに落とし込む:まとめた文章をもとに、1枚のスライドに1つの重要な情報を盛り込むようにしましょう。図やグラフ、写真などを使用して視覚的に分かりやすく整理します。

  • プレゼンテーションの練習:スライドを見ながら、実際に声に出して説明してみましょう。言葉足らずな部分や、修正が必要な箇所がないか確認します。

3-2.提案内容の根拠をデータで示す

提案内容から得られる効果や実現できる根拠を、具体的なデータで裏付けることが重要です。データを示すことで、あなたの提案に信頼性が高まり、相手を説得しやすくなります。

  • 調査データ:業界の動向や競合他社、市場環境などを示すデータは、提案内容を裏付ける根拠になります。

  • 実績データ:過去のプロジェクトの成功事例や、自社の強みを数値で示すことで、信頼感を高めることができます。

  • 予測データ:提案を実施した場合に得られる効果を、具体的な数値で予測することで、期待感を高めることができます。

3-3.ビジュアルを効果的に活用する

資料に表示する視覚的な情報は、人の心に強く印象を与えます。スライド上で適したビジュアルを活用することで、相手にあなたのメッセージをより効果的に伝えることができます。

  • 図やグラフ:データを視覚的に表現するのに最適です。

  • 写真:写真をのせることで具体的なイメージを伝えることができます。

  • イラスト:イラストを使用すると抽象的な概念を分かりやすく表現できます。

  • 動画:映像で動きのある表現や、複雑な内容を分かりやすく説明するのに動画が有効です。

まとめ

この記事では、初めて提案書を書く方にもわかりやすく、スライド資料の作り方について解説しました。提案資料の準備に悩んでいる方は、まずは、よくある構成をもとに、骨子を作成してみるとよいかもしれません。

また、提案型のセールスでは、資料をもとにプレゼンテーションをおこなう必要があります。資料を作成するだけでなく、印刷したり、声に出して読んでみて調整することでより良い資料を作成できます。

提案書は、あなたのアイデアを形にするだけでなく、相手に伝えるためのツールです。常に聞き手のことを考え、相手の立場にたった資料作りをこころがけましょう。

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