サッカーにおけるコミュニケーションと感情表現

私はサッカーをコミュニケーションのスポーツで、感情のスポーツだと思っています。

止める、蹴るもコミュニュケーションを上手くとることができれば、さらに上手くなるし、上手く自分のテクニックを誤魔化すこともできます。
(※言い訳のために使うのではないですよ)

また、感情をコントロールしたり、爆発させることで、良いプレイを引き出せたり、自分の思いや意思を他人に伝えることができます。

指導者からすると、感情を出してくれない選手は、サポートしてあげるのが難しくなります。

どこに問題を抱えているのか、何に不満を持っているのか、何が上手く行っていないのか、何に喜びを感じるのか、こういった意思表示をしてくれることで、初めてこちらから手を差し伸べるタイミングを計ることができます。もちろん、選手の性格によって、今すぐなのか、様子を見るのか、教えるのか、サポートするのか、そのアプローチの方法は変わると思います。
指導者は、選手側からも問題を表現してもらえなければ、何が問題なのか、何を改善して良いのかが分からないのです。

スペインでは、選手は何かにつけて、質問や自分の不満をぶつけてきます。もちろん、その中には当て付けや、ただの言い訳も多く含まれていますが、中には問題の本質や、グループ・チームとしての重要な問題が隠れていることも多々見受けられます。
(もしかしたらスペインがチームスポーツが盛んで強い理由もここにあるかもしれません)

だからこそ指導者も、しっかりと彼らの言葉に耳を傾けて、一緒に問題を解決しようと努力しなければいけないと考えています。

そしてここで、指導者の力量が試されるのです。

選手の感情をコントロールし、選手を観てコミュニケーションをとる、そして、解決策を一緒に考える。これだけで、きっと選手は上手くなると思います。(問題が明確に解決されてもされなくても、きっと選手は話を聞いてもらえるだけで、上手くなります)

前回の記事にも書きましたが、私は常に指導者と選手は一体であり、且つ緊張感を持った関係でなければならないと思っています。
そうすることで、お互いが刺激になり、成長し、グループ・チームとして大きく飛躍するはずです。

選手の皆さんは、しっかりと自分の感情を出してコミュニケーションを取り、分からないことは分からないと言い、自分の抱えている問題を解決することを常に意識してください。

指導者の皆さんは、しっかりと選手を観察し、彼らの一瞬の表情を見逃さないようにしてください。そして、その選手とタイミングをみてコミュニケーションを取ってください。決して、指導者は偉い立場の人間ではなく、選手がいるから指導者がいて、サッカーを楽しめることを一瞬たりとも忘れないでください。

サッカーは戦術と技術を教えてれば良いスポーツではありません。多角的にいろいろな面から選手にアプローチし、彼らの自尊心、自己肯定力を高く保ってあげることもすごく大切な仕事になります。

是非、皆さんのトレーニングで多くの選手が意見を交わし、声が止まない、指導者と会話をしながらプレイする選手が出てくることを願っています。

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