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私が通う「おいしいお店」には私が突きつける、わがままな条件が揃っている・・・

その日は私を含めて3人の会食だった。
私以外の二人は初対面で私はそれぞれと面識があった。
一人は新規案件の取引が成立しそうな会社のトップ、一人は私の会社の副社長である。
私と副社長はどのように座るかを決めるために、待ち合わせの時間より30分早くお店に着いた。
そのお店は、カウンター席とテーブル席の両方がある店だが、私はいつものようにカウンター席を予約していた。
短いカウンターに2席、長いカウンターに1席という予約もいつも通りだ。
結局、短いカウンターに私以外の2名が座り、私は二人の顔が見える席に座ることを決めて客人の到着を待っていた。
時間通りに客人が店に到着し会食がスタートした。
最初の段階から3人の会話はスムーズに進み会食が終わる頃には、すっかりと意気投合・・・。
その後の仕事はスムーズに進行していった。

私がカウンターがあるお店を多用する理由・・・

初対面の方とでも気が知れた親しい方とでも、カウンターでの食事は気兼ね無く出来る。

話の間が持てない時には、カウンター越しにいる大将などを巻き込んで話が出来る。

独りでも他のお客さんとの適度な距離が保ててゆっくりと食事が出来、話し相手が欲しい時にはカウンター越しの大将などが相手をしてくれる。


その日は、独りカウンターでの食事・・・であった。
カウンター8席のみの私の馴染みのそのお店は、満席の状態だった。
そんな状態で、なんで予約が出来たかというと、3人連れの客がいたからだ。
エレベーターで降りると暖簾が掛けてあって直ぐその先にカウンター席がある。
「いらっしゃいませ!」大将と女将の明るい声が嬉しい。
私はカウンターの一番端っこで料理とお酒を楽しみながら、独りの時間を楽しむ。
大将がカウンター越しに料理を出してくれるタイミングで、料理の説明をしてくれながら、チョコッとだけいわゆる世間話を交わす。
女将が背中越しにお酒を出してくれるタイミングで、チョコッとだけいわゆる世間話を交わす。
大将も女将も、決して私独りの時間を邪魔しない。
かと言って、大将も女将も、決して私を独りきりに放置はしない。
カウンターの端っこで、大将と女将との絶妙な距離感を嬉しく思いながら・・・、他のお客様達の楽しそうな美味しそうな笑顔を見ながら・・・、独りの時間がゆっくりと過ぎていく。

私がお店のヒトの笑顔が素敵で客との適度な距離を保てるお店を、多用する理由・・・

お店に入った瞬間の「いらっしゃいませ!」の笑顔だけで心が洗われる。

お店のヒトの笑顔は全ての客に伝染し、店中に笑顔が溢れる。

大将はじめとしてお店のヒトが寡黙過ぎず、喋り過ぎず、近づき過ぎず、遠過ぎず・・・そんなお店が心地良い。


私の料理の好みは味付けが濃い料理である。
料理屋さんのテーブルやカウンターに醤油や塩が最初から置いてあるお店が私は好きだ。
もちろん、出された料理にいきなり醤油や塩を掛けたりはしない。
私は料理を作る料理人やその料理を提供してくれる料理屋を最大限リスペクトするからだ。
濃い味付けを薄めることは出来ないから、ほとんどの料理人は味の好みが十人十色だという事を見越して、やや薄めの味付けにするのでは無いかと私は思っている。
だからもしも料理屋さんで出された料理の味付けが、そのままで私好みの濃い味付けだったとしたらほとんどのヒトは味が濃いな・・・と思うハズで、お店の評価は低くなるのでは無いかと思っている。

私がお店の卓にはじめから醤油や塩や胡椒や七味などが置いてあるお店が好きな理由・・・

この味で食べて!と言うお店より、お好みで醤油や塩などでどうぞ!というお店が好きだ。だって味の好みは十人十色なのだから・・・。


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