見出し画像

コンテンツクリエーションは異業種、異分野との連携がキー

独自のコンテンツ創造の3つの要素とは何か

コロナ禍で、仕事の仕方、組織のあり方も大きく変化し、命令実行型の組織運営から個人の自発性を重視したネットワーク型、コラボレーション型組織運営への変化が求められてきています。この環境変化の中で、高い成果をを上げる個人とは、どのような人でしょうか。独自のコンテンツ(意味ある理論、情報、モノ、サービスなど)を創れる人です。独自のコンテンツ創造には、①独自の着想 ②関連するものの独自の関連付け ③わかりやすいデリバリーの3つ要素が必要です。

①の独自の着想とは、自分なりの視点、ものの見方、切り口です。②関連するものの独自の関連付けとは、着想を効果的に表現するための関連する物事の選択とそれらの関連付けです。編集力と行ってもよいと思います。③わかりやすいデリバリーとは、コンテンツを一つのコンセプト(意味ある概念)として、わかりやすく表現する力です。論理、ビジュアル、音声、映像など様々な表現形式があり得ます。 


コンテンツ力をあげるには異業種、異分野との連携が効果的

 

コンテンツ力高い人の思考や行動に共通するのは、異業種、異分野との連携力が高いことです。なぜなら、異業種、異分野との連携は、先ほどの独自のコンテンツ創造の3つの要素である、①独自の着想 ②関連するものの独自の関連付け ③わかりやすいデリバリー力が効果的に刺激され、クリエーターの学習(ものごとの見方、発想、意識、行動を進化させること)が進むからです。


では異業種、異分野と連携するために必要なこととは何か?


特性1:誰にも負けない強みを持ち、日々研鑽していること

 ネットの時代では誰にも負けない強み--つまり専門知識やスキル、能力を持ち、常に磨くことが大切です。日本一は当然のこと、世界一を目指すものでなくてはなりません。誰とでも容易にアクセスしやすいネットの時代では、強いもの同士がネットワークすることが勝敗を決めます。たとえ狭い領域であっても、突出したものがあれば、多くの人や組織とネットワークできます。

 「高効率エンジン設計の専門家」「画像処理ソフトの専門家」「人工皮膚の専門家」など仕事の分野でも、「草花の専門家」「茶道の専門家」「台所用品の専門家」「幕末の農家の生活実態の専門」といった趣味でも構いません。極端な話、何でもよいのです。

 狭くても突出した強みは、世界の企業、個人、政府、NPO(非営利団体)などとネットワークされ、活用される可能性があります。しかし、それは突出していなければなりません。早い段階から自分オリジナルの専門分野を磨き、それを世に発信し、世界の競合と伍していかなければなりません。

 企業単位で考えると、問題は、企業がそのような突出した能力を見つけ、育成しているかです。社内での連携を重視するあまり、金太郎飴の人材を多く育ててしまう風土では異業種連携は難しいと思います。以前にも増して、企業では個性的で優れた能力を持つタレントを確保し、育成することが大切になってきています。


画像1

特性2:多様な人とコラボレーションする能力を身につけること


 優れた専門的な知識、能力があっても、多様な人とコラボレーションすることが苦手な人は、成果を出すまでのリードタイムが遅く、それ自体が失敗の原因にもなっています。自分の専門を他の専門分野とうまくコネクトして、より大きな成果を出せるコラボレーション力が大変重要です。

 ここでいうコラボレーションとは、同質性の高い組織の中でのコラボレーションではなく、多様な個性、文化、専門性の人とのコラボレーションです。

 多様な中でのコラボレーションには、いくつか大事なことがあります。一つ目は目的、ビジョンを共有すること。二つ目は違いをマイナスにするのではなく、新たなことを発想する起爆剤にすることです。

 異なる国、企業文化、専門性の人や組織といかにコラボレーションするということは、学校ではなかなか教えてくれません。知識だけで学ぶことが難しく、現場で体験することが重要です。

 また、いったんコラボレーションできたとしても、いつの間にか価値観が固定化し、新しい場面ではコラボレーションできない場合もあります。常に自分を多様な価値観の中に置き、自分の個性、強みを新たな視点で見直し、その場に貢献することができるよう鍛えていかなければなりません。


特性3:徹底して成果にこだわること


 異なる分野のコラボレーションとは、新たなものを生み出す源泉ではありますが、成果を保証するものではありません。むしろ成果を出すのが難しくなることもあり得ます。そこにマネジメントという考え方が大変重要になってきます。

 成果を出すには、体系的なシステムが必要になり、経済性が向上する方向に変えていくことが求められます。異なる分野の人とのコラボレーションで生まれたユニークなアイデアやコンセプトは、何らかのシステムに収斂され、継続して成果を生み出す形にマネジメントしていかなければなりません。

 マネジメントによってシステムが効果的に作り出される原点とは、人の強い成果意識にあります。厳しい言葉でいうと、結果を出す集中力ともいえます。皆さんの周りで優れた業績を継続的に出している人を思い浮かべてください。そのような人は決してできなかったことや、遅れた言い訳はしません。人一倍、成果にこだわり、妥協しません。しかも、単に時間をかけるのではなく、発想を変えた工夫をします。

 今回は、異なる分野の人や組織とコラボレーションが上手な人の特性を私の経験からピックアップしてみました。

 良いコラボレーションにはもっと多くのコツ、法則があります。しかし、それは実践を通じてしかわからないと思います。皆さんもぜひ、異なる分野の人、組織とのコラボレーションに挑戦してみてください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?