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「ピエロ」か「第一人者」か

先日TKアカデミー(アメフト選手の栗原崇さんによる身体能力を上げるアカデミー)にて栗原さんから以下のようなお話をして頂きました。

「マイナースポーツはその競技で結果を残すだけでは食っていけない。そのマイナースポーツ内の小さな世界において有名になっても何も意味はなく、自己満足でしかない。そこへの興味はなく、アメフトを知らない人からも声をかけられるくらいになろうと思った。そのためにはどうするか。他の(競技以外の)特徴を作るしかない。マイナースポーツであるということはその競技の特徴が弱いということ。なんでも良いから競技以外の特徴を作り、注目されるきっかけを作ろうと思った。有名になることだけが目的ではないが、有名になって損はない。自分が何かをしたいと思った時に大きな力になるから。」

カナダにいる時に、「現状ただラクロスの上達に取り組んでいるだけでは食っていけない」「このままではいまやっているようなラクロスでの挑戦を続けることもできない」そう考えてSNSでの「発信」を始めました。小さな発信ではありますが、周りの目を気にし過ぎてしまう自分にとっては大きな一歩でした。

ただ、ラクロス留学という挑戦を始めた際に気を付けようと思っていたことがあります。それは「ピエロにはならない」ということです。ここで言う「ピエロ」とは知名度や口先ばかりが先行して実力が伴っていない人のことで、そういう人だけにはなりたくないと思いました。

元々の理想像としては、知れば知るほど凄さが分かるタイプの人で(ラクロス界で言うとTom Schreiberあたりでしょうか)、玄人にも好まれるトッププレイヤー、不言実行の人、というような人をイメージしていました。当然自分で頑張って発信せずとも周りで勝手に話をされている人がクールに見えますし、逆に発信ばかりして中身のない人は知れば知るほど格好悪い。

しかしよくよく考えると「誰がピエロか」なんて言う判断はとても難しい。それは業界の第一人者も似たような批判をされることが多く、第一人者とピエロは紙一重だとも言えるからです。第一人者への批判は多くが嫉妬心から来るもの。結局、知名度と実力がバランスを取れているかなんて到底分からないし、第一人者にもピエロ的要素が、ピエロにも第一人者的要素が含まれているのだ、と言う結論に最近至りました。

では自分はどうか。現状はどうなっていて、今後どのように行動すべきか。

今抱いている目標のうち、一番強く意識しているのはプロラクロス選手になることです。PLL, NLL, MLLと男子は三つのプロリーグがありますが、そのどれかに入って活躍したい、と言うのが今の目標です。これはかなり難しい、でも夢のある目標です。PLL, NLLに至っては日本の選手がロスターに入ったことはないですし、MLLでもシーズンを通して試合に出続けた日本の選手はいません。この目標設定をすること、そしてこれを公表することはかなり「ピエロ的」だとも言えるでしょう。ただ本気でこの目標を達成したいと思うし、とにかくトップレベルでプレーする選手になりたい。やっぱりそのレベルでプレーする選手たちは無条件にかっこいいし、憧れる。その結果としていつの日か「第一人者」になっていたい。と言うのが正直なところです。

結局、ピエロになることを恐れるあまり色々と自分の中で言い訳をして、実力を伸ばす以外の努力を怠っているのだと思います。正直SNSでの発信もストレスフルだし、恥ずかしいし、面倒臭い。それで逃げていたのだと思うし、これからも逃げ腰でやってしまうかも知れない。今後も最優先事項は自分の実力を伸ばすことであることは変わりません。

ただ今は、自分の存在などあまり知られていないし、残念ながら「ピエロですらない」と言うのが現状でしょう。恥ずかしがってる場合、面倒臭がってる場合じゃない。栗原さんの話であったように、何か競技外の特徴を意識しなければ先はないと思っています。

やれること、やるべきことは沢山あるのでしょうけれど、まずは英語力・海外経験を生かしたいと思っています。ラクロス後進国である日本にラクロス先進国である北米のラクロスの技術や考え方・常識を「輸入」する。今もFirst Class Lacrosse Japanの活動としてやっていることですが、より積極的に、また幅広くやってみたいと思います。

なので結局はいま中途半端にやっていることをきちんとやる。新しいチャンスが巡ってきたらとりあえずチャレンジしてみる。これに尽きるのでしょう。日本にいるうちに出来ることを一つずつやっていきたいと思います。

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