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世にも奇妙な場所~閉鎖病棟での270日間~10、11日目

暑いですね。。今日は場所によっては30度行ったということで、寒暖差に結構やられる人が多いのではないでしょうか。かくいう私も、「めまいがする」「頭痛がする」「注意散漫になる」などの軽い症状が出ていたようです。

また「5月病」に代表されるように、気持ちの落ち込みも強くなる季節でもありますので、お身体にはくれぐれもお気を付けください。

それでは今日も始めさせて頂きます。

入院10日目/7月24日(土)

昨晩11時頃、だれかが間違って押した火災報知器が作動。めっちゃうるさくて一度はっきり目が覚めてしまった、そこから12時頃には眠れたが、どうも眠りが浅い。朝は軽い頭痛が残っていた。7時~9時ももう一度寝て少しすっきりした。

部屋が移動になった。おかげで隣を気にすることないので嬉しい。

12時頃から母とお出かけ。デルフィニア戦記という本を揃え帰国する父と合流。ファミレスで一緒にご飯を食べたときはつらかった。

デルフィニア戦記は面白い!全19巻あるので揃えよう。

入院10日目/7月24日(土)

昨夜は本を一気に読んだり、外出したりした疲れもあったのか、10時過ぎには寝て、6時まで爆睡。フルニトラゼパム飲まなくても普通に眠れてほっとした。

デルフィニア戦記面白かったが、入院のペースを崩すのはきつい。負担にならない程度で読もう

昼には母に来てもらった。昼飯は病院そばの、麵屋虎徹にいった。デルフィニア戦記を買った!ついでにカンピオーネ7巻とラッキーチャンス6巻も買った。売り切れそうだったので怖かった。。。

そのあと、妹と母とで回転ずしに行った。中とろがおいしかった。そろそろ眠くなってきたから寝よう。


閉鎖病棟の補足情報

部屋が移動

これは、閉鎖病棟ではよくある話でした。

まず、当時の閉鎖病棟には部屋の男女の区分けがありませんでした。入院したらいきなり隣が変なおじさん(おばさん)で、壁をどんどんするわ奇声が聞こえるわ、異性だわ、だったら怖いですよね。そのため、頻繁に部屋替えがありました。(3回目の入院からは、男性部屋が固まったエリア、女性部屋が固まったエリア、で分けていましたが、、)

あと、割と夜も徘徊しちゃう人がいて、相当怖い思いも何回かしました。(首をくくるのに使えるラジカセのコードが紛失した日に、だれかが入ってきたり)

私の場合は、8日目に登場した

となりに入院してきた女性が怖い。すべてに絶望しきった目で手にはリストカットの後がある(多分)。あんなに疲れ切った顔を見せられると過去の自分を思い出してしまう。明日ケア担当の井出さんに相談してみよう

この女性が怖くて怖くてたまらなくて、部屋を変えてもらいました。相性が悪いと、被害妄想や幻覚幻聴がエスカレートしちゃって、怒鳴りあいや殴り合いになっちゃって、悪化してしまうけど、一方で感情を抑えろとも言えない、看護師さんは相当プレッシャーがある毎日だったのではないかと思います。


デルフィニア戦記とか

日本の有名なファンタジー小説ですが、入院中はこれにドはまりした結果、ファンタジーやライトノベルを買いあさって、やることないときはひたすら読んでいた気がします。(ブックオフには通い詰めました)

主人公は確か権力闘争に敗れた王子で(うろ覚え)、冒頭で敵方に追い詰められてあわやというところを、どこからともなく現れた絶世の美少女の助太刀を得て撃退。そこから仲良くなって頑張って仲間を作って国を取り戻すのだー(うろ覚え)という話だったと思います。

最後になるとだんだんと主人公から絶世の美少女にフォーカスが当たって行って、なんか異世界から来た男の子がどこでもドア的なのを通った時に因果律がうんたらかんたらして、女の子になってしまった。。。みたいな感じだったかと。。。

今でも小説家になろうとかカクヨムとか、西尾維新とか丸山くがねとか西尾維新とか、なんかライトノベル×ファンタジー系が好きなのですが、きっかけがこの小説でした。

今でこそ、なんでそんなに面白かったんだろって書いてて思いますが、やっぱし根詰めて考えこんじゃうとどうしても消えたくなったり死にたくなっちゃうので、本は精神衛生上とてもよかったのだと思います。

実際、携帯も持ち込み不可、ゴム紐も持ち込み不可(ズボン紐もNG)、ガラスも持ち込み不可(コップはプラスチックのみ)、当然はさみとか刃物類はもってのほか、だった病棟も、本と漫画の持ち込みだけはOKでしたから。

まさに「人はパンのみに生きるにあらず」ですね。私だけでなく、みんな思い思いの場所で、絵をかいたり、本を読んだり、文章を書いたり、色々なことをやっていました。

トラブルがある日(怒号が響き渡ったり、殺す殺す殺すみたいなぶつぶつした声が後ろから聞こえてきたり)も多かったですが、一方でそんな穏やかな時間が流れている場所でもありました。

最後にカンピオーネとラッキーチャンスも簡単にご紹介します

主人公はイタリア留学中に出会った神の一柱をうっかり神殺ししてしまい、その能力を受け継いだために、現世にいる色々な人間に敵対する神を殺傷していくけど、殺傷方法が表紙に出ているヒロイン達とキスをすることで。。。みたいな壮大な話です(うろ覚え)

名作です。作者は有沢まみずさん、2000年代後半に「いぬかみ」という一世を風靡したアニメの原作者の方です。

伏線回収や展開がとても丁寧で、プロットとかをすごく考えて書いているんだろうなという印象です。

前作の「いぬかみ」はラストまでの話の運びがとてもきれいでした。「ラッキーチャンス」も同様で、普段のギャグからいきなりシリアスになっていつの間にかえぐい感じになってしまう、先が見えない展開にハラハラします。

また、出てくるキャラクターに好感が持てます。ライトノベル系では、男主人公が鼻につく時が多いのですが(俗にいう「やれやれ系」とか、「鈍感系」とか)、この方の作品はそれがないんですよね。

女性キャラクターのほうが圧倒的に強くて、主人公はそれに振り回されっぱなしで話が進み、不憫さが際立ち、強さをひけらかすようなシーンがないからだと思います。(実際「いぬかみ」も「ラッキーチャンス」も主人公はホームレスになります)

おしむらくは2011年で連載がストップしてしまっているんですよね…だからAMAZONも「1円」になっているのだと思います。12巻からがいよいよ物語の核心と、前作の主人公が出てくる流れだっただけに、先が読みたくて仕方がありません。10年越しとかに12巻でないかな…


以上、お読みいただきありがとうございました

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