とるこん

住宅の省エネ計算を通じ、暖かい家を作るためのコンサルティングをしています。外資系暖房機…

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住宅の省エネ計算を通じ、暖かい家を作るためのコンサルティングをしています。外資系暖房機メーカー勤務→設備設計事務所→独立。外皮計算をしたり、断熱仕様や温熱住宅の良さをお客様に伝えるプレゼンテーションを一緒に考えたりしています。 ぽんこつ市民ランナーいつかホノルル走る!

最近の記事

高性能住宅って元が取れるかどうかで考えること自体が・・・

かかり増し分をランニングコストの削減分で割って回収年を計算する 高気密高断熱住宅のメリットデメリット。 誰しも考え、試算したことがあると思います。 普通の家に比べて高気密高断熱住宅は何処がよいのか、どのくらい良いのか、費用対効果はどのくらいか、何年で元が取れるか・・・ この種の試算の場合、通常の家(等級4でしょう)から高気密高断熱住宅にする場合の断熱材や窓について、そのかかり増し分を算出します。 例えば、壁の断熱材をグラスウールから吹付けウレタンにする、や、窓をペアガ

    • 数値+パッシブデザイン+α

      数値だけが大事ではないというけれど・・・ 「数値だけが大事なのではない」 「太陽に素直なパッシブデザインが大事」 最近、高断熱高気密業界界隈でよく耳にします。 住宅の断熱基準義務化を前に、UA値を上げなければならないし、 また一方で既に数値(だけの)競争になりつつあることも事実で、 一昔前のオール電化時代のように「うちはオール電化できます!」が 最近では「うちはG3です!」になったとかならないとか。 そんな数値競争に警鐘を鳴らしたい気持ちもあるのでしょう、 冒頭の「数

      • 「エアコン1台で全館空調できます」はオワコンか問題

        「エアコン1台じゃなきゃダメですか 2台じゃだめですか」 反響ありまして、その続きです。 オール電化住宅の光と陰 かつてオール電化住宅が新築市場を席巻した時、工務店さんのセールストークは「うちはオール電化住宅です。」といったものでした。 オール電化住宅なら熱源を電気に統一することで深夜電力の恩恵を受け 光熱費も安く抑えられるというモデルが成立していたからです。 オール電化住宅だから何がいいのかを冷静に考えると確かに光熱費のメリットはあったのですが、だからといって快適な

        • 高性能住宅の流派って宗教の宗派みたい⁉️

          こんにちは 今日は高性能住宅業界の流派の話 流派・・・技芸・武芸などで、流儀の違いによって別れるそれぞれの系統 宗派・・・同じ宗教の中の分派 流派というとあなたは何を思い浮かべます? 空手や花道、茶道などでしょうか。 先日、五木寛之さんの小説「親鸞」を読みました。 親鸞さんは平安時代から鎌倉時代に生きたお坊様で、 法然さんという偉いお坊さんに師事し、 「どのような人も念仏一つで救われる」という教えを広めた人です。 それまでの仏教界では「厳しい修行を経てはじめて悟りが得

        高性能住宅って元が取れるかどうかで考えること自体が・・・

          「豊か」かどうかの話

          住宅業界のプロ向けに書いた記事です。 プロの方はもし良かったら参考になさって下さい。 そうでない方は、業界の裏話だと思って見てみて下さい。 皆さん、どちらが好きですか? どちらも甲乙つけ難く、価値観はそれぞれで好みに寄るところなのですが もしどちらかの車を買う、どちらかの部屋に宿泊するとなった時には、性能や価格、特徴やメリットデメリット・・・・結構吟味しますよね。 次に住宅です。 この中から自分の家の外観を選ぶとしたら、どれを選びますか? 私も含めた皆さんは下の4件の

          「豊か」かどうかの話

          なぜ僕は暖かい家づくりにこだわるのか。〜その6〜

          ◎前回までのあらすじ  とあるお客様との出来事を経て、独立した僕は暖かい家づくりのお手伝いを続ける中、ジャパンホームショーであるドイツ人と出会います。 ◎◎禅問答ですか?キャラなのか、日本語がネイティブではないからなのか、面倒くさいのか今でもはっきりしませんが、バルテンさんとの会話は半分雲をつかむような雰囲気です。 こちらの質問に対し、返ってくる言葉は至って短く、頭をフル回転させて文脈を想像してようやく理解できることがしばしば。初めはちゃんと教えてよと思ったのですが、そ

          なぜ僕は暖かい家づくりにこだわるのか。〜その6〜

          なぜ、僕は暖かい家づくりにこだわるのか?〜その5〜

          ◎その4までのあらすじ住宅設備専門の設備設計事務所での日々、とある展示会でのちに師匠と仰ぐドイツ人のバルテンシュタインさんと出会います。今回バルテンさんの話は一旦横に置いておいて、僕にとって大事なお話を。 ◎一人のお客様との忘れられない出会いさて、その頃の日々の僕は住宅図面とにらめっこし、熱計算をし、暖房や換気の設備設計をし、時に現場へ赴き施工の監督をしたり、お手伝いをしたりといった毎日でした。 そんなある日、完成した現場でお客様に設備機器の取り扱い説明をする日がきます。

          なぜ、僕は暖かい家づくりにこだわるのか?〜その5〜

          なぜ、僕は暖かい家づくりにこだわるのか?〜その4〜

          ◎その3までのあらすじ住宅の最新冷暖房設備専門の設計事務所で働く日々の僕ですが、ある日東京のビックサイトでの展示会で風変わりな外人と知り合いになります。 ◎バルテンさんとの出会いみんさんはビックサイト等の展示会に行ったことはありますか?ブースがあって、展示物があって、商談スペースがあってといういわゆる「ザ・展示会」毎回盛況でどこにこんなに人がいるのだろうと思う位、人が多いですね。  そんな中、一人でブースに佇む物静かな人を発見。ヒゲもじゃメガネで目だけはギョロっとした外国

          なぜ、僕は暖かい家づくりにこだわるのか?〜その4〜

          なぜ、僕は暖かい家づくりにこだわるのか 〜その3〜

          ◎その2までのあらすじ お世話になった設備設計事務所で住宅に特化した熱計算・暖房・換気システムの設備設計・営業・施工監理・アフターメンテナンスまで一通りこなす毎日。縁あってDotプロジェクトとかかわりをもつことになり、最終的に事務局を受け持つことに。 ◎暖房システム ここで少しづつ高性能住宅にマッチする各設備について書いてみます。まず暖房システム。住宅の性能が高くなると熱の損失は究極まで少なくて済みますので、北国においても小さなエネルギーで暖房が可能になります。 スイス

          なぜ、僕は暖かい家づくりにこだわるのか 〜その3〜

          なぜ、僕は暖かい家づくりにこだわるのか? 〜その2〜

          ◎前回のあらすじ寒がりな僕は蓄熱暖房機メーカーで働きます。二度の地震により蓄熱暖房機の影の部分やオール電化偏重の市場にモヤモヤしつつ、設備設計事務所に転職し、新たなステージへと踏み出します。 ◎転職と鍛錬の日々僕自身は東日本大震災の前にご縁があり、東北地方のとある設備設計事務所に転職をします。そこは住宅が専門の暖房・換気システムに特化した設備設計事務所でした。 それまでの蓄熱暖房器だけではなく、温水循環式のパネルヒーターや床暖房などが取り扱いの中心です。 換気システムも

          なぜ、僕は暖かい家づくりにこだわるのか? 〜その2〜

          なぜ僕は暖かい家づくりにこだわるのか?〜その1〜

          ◎僕のこれまで 僕はどうも寒がりなようです。自分では意識したことはないのですが、よく周りを見てみるといつも人と比べて常に厚着です。家でも他のみんなは暖房いらずでも自分は暖房が欲しい。 夏は夏できちんと暑いのですが。 さて、自己紹介を兼ねてこれまでの自分を振り返ります。大学の文学部を卒業し、初めは教育系の出版社に営業として入社します。そこで出版営業や紙面・広告製作も経験し、社会人としての基本的なスキルとライティングやコピーの技術なども学びます。 その後、縁あってドイツの暖

          なぜ僕は暖かい家づくりにこだわるのか?〜その1〜

          はじめに〜家づくりをはじめるあなたへ

          家づくり、楽しみですね。 このnoteはこれから家づくりを始めようとするあなたに向けて、特に暖かい家を手に入れていただくために知ってほしい事を綴ったものです。 僕は直接家をつくる人ではありませんが、外皮計算や暖房換気の設備設計をするいわゆる業界側の人間です。リアルタイムの業界情報も含め、役に立つ情報をお伝えしていければと思います。 僕自身は、8年前に家づくりを終えています。決して完璧ではなく、今思うと「ここは、こうしておけばよかった。」と思うこともちらほら。そんな過去の

          はじめに〜家づくりをはじめるあなたへ

          暖かい家のツクリカタ

          はじめまして。 とるこんと申します。僕は住宅屋さんではありません、 「暖かさ」を一番大事にして家を作るお手伝いをするコンサルタントです。 これからおうちづくりを始められる方やどうやって暖かい住宅をつくろうかとお考えの住宅会社さんなどに、暖かい住宅を作るためのノウハウをお伝えしてお手伝いをしています。 このnoteでは主に、僕なりの「暖かい住宅」をどう作るかのノウハウや考え方などを記していきます。 どうぞ、よろしくお願いいたします。

          暖かい家のツクリカタ