見出し画像

最近よく聞くDXをまとめてみた

アフターコロナで以前に増して注目され始めたDX(デジタルトランスフォーメーション)。僕はこの2年間スタートアップから大手企業のグループに入りDXをやって来ました。

2018年の当時はDXという言葉もまだあまり無かった時代でしたが、最近は急にDXが話題になっている様です。こうした中でスタートアップと大手企業でのDXの両方を当事者として経験、学んで来た事は実はとても価値があるものなのではと感じ始めました。

コロナの中で何か出来ないかなと思っていた所でしたので折角なら自分のこの知見をnoteやtwitterで発信しようと考え始めました。もちろん内部の情報などを明かす訳にはいかないので、あくまで公の情報をまとめたり、それに対する考えを述べるに留まります。

対象にしてる人は今大手企業で働いている人や、新卒の人がこれからの会社選びに、スタートアップがどことどういう風に組めば良いかなど少しでも視野が広がるきっかけになるといいなと思っています。

Twitterやってます。ぜひフォローお願いしますm(-_-)m。https://twitter.com/toru_82

DX(デジタルトランスフォーメーション)の盛り上がり

去年から徐々に盛り上がり始めたDX(デジタルトランスフォーメーション)。GoolgeトレンドではSaaSと比較しても大きく伸びて来ています。赤がSaaSで、青がデジタルトランスフォーメーション。アフターコロナの2020年5月以降に更に伸び始めています。

画像1

以下はAmazonでのデジタルトランスフォーメーション関連の本や雑誌の出版数です。2019年の8冊から増え始め、2020年の今年は既に14冊が出ています。

画像2

数としてはまだ少ないですが、明らかにこれからも増えて行くでしょう。2020年に出て人気なのは以下です。最近NewsPicksでも連載があるコーポレートトランスフォーメーションなども人気の様です。


そもそもデジタルトランスフォーメーションとは

ちょっと雑な言い方ですが、DXとはデジタルネイティブ企業(Google / Apple / Facebook / Amazon等)とは違う、従来の仕組み、ビジネスモデルをデジタルネイティブ企業と同じ様な効率的でデジタルサービスが提供出来る企業に変わろうとする変革を指しています。

なので日本のIT企業であるYahooがDXしようとはならないです。もちろんYahooの脱PCからのスマホ推進、キャッシュレスからのスーパーアプリ化などはありますが、あくまでこれらはIT企業のマイナーアップデートの範疇かなと思っています。

あくまで小売、商社、メーカーなど昔からある企業がデジタル化する、メジャーアップデートしていこうみたいな感じです。

特に国内では2020年4月にニュースになったブロックチェーンスタートアップのLayerXと三井物産は合弁まで立ち上げ、DXに取り組み始めたのは一つの大きな例になります。

また、先日話題になったアメリカの紳士服店ブルックス・ブラザーズの破綻でも、DXに力を入れてきたウォルマート、ターゲットは好調と分析されており明暗が今回のコロナで分かれています。

推進して行く上での注意点はnoteの深津さんが面白い例えでDXの問題点を指摘しています。

テクノロジー投資というのは、「上位20%グループにいる状態のキープ」こそが本質かなぁと思います

DXの簡単な構造

DXを学び始めるととても難しい事が沢山書かれている本に出会います。ここでは簡単に僕の理解で紹介します。

まず大きく4つに分かれます。既存の仕組み、既存事業、既存事業とシナジーがある新規事業、完全に別の新規事業に分かれます。(既存の仕組みとは既存事業を回す為の会社や組織、業務フローの事です)

DXを説明する場合、どこかに焦点を当てて説明している場合が殆どですがDXはこれら全てと言って良いと思います。

画像3

更にここにレベル的な概念をLayerXの福島さんが説明しています。ここで話しているのはレベル3までは既存の仕組み、既存事業をDXして行こう。レベル4になって新規事業を作って行こうという事になると思います。

画像4

そしてこのDX自体を進める上で重要になるのが組織の旗振り役です。方法は2つです。既存の情報システム部門に任せる。DXが推進出来る別の部門を作ってそこに権限を渡すかです。

画像5

この情報システム部門とのDXの苦悩はKaizen Platformの須藤さんのnoteが日本のDXをリアルに説明していてとても参考になります。NewsPicksでも記事がある様です。

NewsPicksの連載

別の視点ですが最近情報システム部門の立ち上げ方で良い記事がnoteにありましたので紹介しておきます。これもDXの流れとしてまずは社内でのIT化を進めるための施策になるのかなと思っています。

DX推進部門では先ほどのLayerXと三井物産の合弁会社立ち上げなどは例としてあがります。

今までは情報システム部門強化や外と業務提携するなどがメインで今回の様なスタートアップと一緒に資本関係をお互い持って会社を作ろうという流れは案外新しい流れになります。

他にはこのDXを大きく推進しているプレイヤーとしてコンサルティングファームが挙げられます。コンサルティングファームのベイカレントは2020年度の売上高330億円(前年比+35.7%)とDX需要を上手く取り込んで大きく成長しています。

この様にDXには領域と手法によって、内部から始めるやり方、外部のプレイヤーと協力して行うなどの構図があり、それぞれのプレイヤーがDXを目指す企業へと様々な解決策を提供しています。

画像6

DXとスタートアップの関係

スタートアップはどの様に関係してくるでしょうか。この場合それぞれの領域に分解されます。既存の仕組みにはコーポレート系のSaaSが入ります。SmartHR、freee、MFクラウド、AI-CONなど他にも沢山あると思います。

事業系では既存事業の効率化を進めるSaaSサービス、FULL KAITEN、openLogi、BASE、STORES。また新規事業領域、例えばシェアリングや保管サービスなどサマリーポケット、MONOKABUなどとの業務提携などが可能でしょう。

もちろんクロステック領域外、例えば銀行企業が人材系、不動産系事業の新規事業を展開をする場合はHRテック、不動産テックのスタートアップと組む事が出来ると思いますので、DXが広がる事はIT系のスタートアップ全体にとってとても大きなチャンスだと思っています。

画像7

もちろん不安な声もあります。WWDのインタビューでD2Cベンチャーのフーフーさんが答えています。

実は個人的にとても焦っていることがあって。それは、レガシーなメーカーやコレクションブランドなどのオンライン化が急速に早まったこと。要は、僕らがいる場所に、大御所的な人たちが入り込んできた。ユーチューブに、芸能人の方が参入してきた感覚に近いかもしれません

この辺に関して僕は結構楽観的に見ていて、それは従来のオフラインの市場はまだ圧倒的に規模があるという事です。2019年にインターネット広告が2兆1,048億円、テレビ広告が1兆8,612億円でテレビを抜いたと言われていますが、インターネット広告全体がようやくここまできたという感じです。

ちなみに2019年のYoutubeの世界での広告売上は1兆6,000億円です。仮にそのうちの10%が日本市場だとすればまだ1,600億円程度でテレビ広告はまだ10倍以上あります。

仮に明日からテレビが無くなればYoutubeの様な動画市場は単純に言えば10倍になります。それはECも同じです。日本のEC化率は5%程度です。圧倒的に大きな市場を従来の企業が抑えています。

また今までの日本はスタートアップのM&Aは主にIT系のメガベンチャーに代表される企業が殆どで、DXを必要とする企業はスタートアップのM&Aをあまり行って来ませんでした。

しかし、これからは合弁や事業提携、M&Aなどが広がっていくと思います。危機感は持って良いかもしれませんが、そんなに気にしなくて良いのかなと思っています。今まで通りデジタルネイティブとしてユーザーに対してオンラインとオフライン両方での体験作りをやっていく、それで良いのでは無いかと思っています。

むしろこの辺は今後スタートアップがどうなっていくかをアルのけんすうさんが2019年の12月に書いた記事で2020年代のネット業界を予測という記事で説明していて、改めて今の状況を見ても本当にそうだなと感じました。

じゃあ何が来るのか・・・というと「共創」だと思っています。大企業、というか古い企業と、テクノロジー企業が一緒になってものを作って、新しい価値を作り出すという流れが加速すると思います。
サイバーエージェントさんがテレ朝とやったり(これはまあ大手企業同士といえるかもしれないですけど)、LayerXさんが既存の金融機関とあれこれいい感じなものをやったり、アル社が出版社のデジタルでのマーケティングとかを協力したり、、とかできるんじゃないかなーと思っています

これは少しDXとは離れるんですが先日メンズファッション指南者のMBさんの動画で知ったのですが、ユニクロは誰も困らないビジネスをする、というのがあるみたいで、スタートアップとDXを推進する企業はユニクロの言う「誰も困らないビジネス」、シェアを奪い合うというより、新しい価値を一緒に作る流れになるのかなと思います。(以下動画の26:00くらいから紹介しています、MBさんの動画はとても面白いです)

アフターコロナとDXのこれから

これからDXはどうなっていくでしょうか。本当は2025年くらいまでのあと5年くらいかけて企業はDXを行えば良かったんですが。今回のコロナもあって少し前倒し気味、1年から2年は少し早めて、今後更に広がって行くだろうなと思っています。引き続きDX関連を調べたり、まとめたものをnoteに書いて行けたらなと考えています。


Twitterやってます。ぜひフォローお願いしますm(-_-)m。https://twitter.com/toru_82

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?