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[2020年版]スーパーアプリの過去、現在、未来

こんにちは。トオルです。

日本でもたまに出てくるスーパーアプリという言葉ですがなかなか広まらない、話しが大きくて話題になりづらいというのがあります。

でも、世界で初めてスーパーアプリというコンセプトを出したのが2010年でそれもBlackBerryの創業者と聞くと興味が湧いてくると思います。

スーパーアプリが何か、というのは以下の記事で紹介されてますので参考にしてもらえたらと思います。


2010年 始まり

2010年のバルセロナで開かれたMobile World CongressというイベントでBlackBerryの創業者Mike Lazaridis氏がスーパーアプリのプレゼンテーションをしました。この中で言われていたコンセプトが以下の様なものになります。

- Always-on experience
- Seamless integration with native apps and 3rd party app
- Proactive, notification-driven
- Contextualized
- Social and connected
- Efficient and intelligent

- 常時体験
- ネイティブアプリやサードパーティアプリとのシームレスな統合
- プロアクティブ、通知駆動
- 文脈化された
- ソーシャルとコネクテッド
- 効率的でインテリジェント

当時としては極めて遠い所まで見据えた大胆なコンセプトだったと思います。しかしながらこれをBlackBerryが実現する事はなく、iPhone/Androidとの激しい競争に破れ、2016年には中国のTCL集団に売却、2020年にはTCL集団は製造、販売を終了すると発表されました。

Youtubeの動画

スーパーアプリのスライド資料

そもそもBrackBerryって何、という方はこちらが参考になります。



2017年 中国で実現されたスーパーアプリ

2011年からスタートした中国のWeChatはメッセンジャーアプリとして急速にシェアを広げていきます。2012年にはユーザー数が1億人を超えます。

その後2013年にはソーシャルゲーム、モバイル決済を追加。2014年には交通機関の支払いに使える様になります。2014年にはEコマースを追加し、あらゆるビジネスがEコマースを立ち上げる事が可能になりました。

そして2017年、WeChatはミニプログラムというアプリの中でアプリが開発出来るプラットフォームの提供を始めました。ここに来てWeChatはスーパーアプリと呼ばれる様になります。AppleやGoogleでは出来ない領域である統合的な体験の提供に成功します。

- 常時体験
- ネイティブアプリやサードパーティアプリとのシームレスな統合
- プロアクティブ、通知駆動
- 文脈化された
- ソーシャルとコネクテッド
- 効率的でインテリジェント


2020年 アジア、アフリカ、アメリカへと広がる

現在ではこのスーパーアプリのコンセプトをアジア、アフリカへと広がりを見せています。

Grab

東南アジアではGrabが日常のすべてのアプリになりつつあります。共同交通機関のリーディングプレイヤーであるだけでなく、Grabは他のサービスの中でも食品配達やオンライン決済にも進出しています。

Go-Jek

東南アジアを代表するスーパーアプリになるための競争は、Grabだけではありません。最も熾烈な競争相手であるGoJekは、インドネシア市場以外にも進出しています。

Zalo

スーパーアプリの例を踏襲して、Zaloは全世界で1億人以上のユーザーを持つベトナムのプレミアチャットプラットフォームです。1日に約9億通のメッセージを送り、5,000万分の通話を行い、4,500万枚の写真を配信しています。

他にも日本ではPaypayやLINE、西アフリカのGozem、カンボジアのPiPay、ラテンアメリカのRappi、ナイジェリアのOpayなどが新世代のスーパーアプリと言われています。

また以下の図では現在のスーパーアプリと既存のアプリとの違いを表しています。

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この図の詳細はこちらから見る事が出来ます。また、スーパーアプリの事がとても詳細に説明されています。

そして、実はこの流れの中で一番遅いのがアメリカです。アメリカでは意外にも先日Snapchatがミニプログラムをようやく開始したりとまだまだこれからという感じです。

Facebookも去年ようやく個人間送金のFacebook payをリリースしています。


未来 すべてはスーパーアプリになる

今年の1月にはアメリカのアンドリーセン&ホロウィッツという名門のベンチャーキャピタルの「コンシューマーテック、4つのトレンド」というプレゼンテーション中の一つに「すべてはスーパーアプリになる - Everything become a super app」と話しました。

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Youtubeの動画

更にこのイベントで取り上げられていたのがWeChatではなく、フードデリバリーサービスの美団点評というサービスです。この事例から分かる様に、今世界では必ずしもメッセンジャーや決済といった所だけ抑えれば良いかというとそういう訳では無く、様々なサービスからスーパーアプリを目指す様になっています。

以下の記事にてこのイベントの詳細が書かれています。

またFintechのトレンドとしてモバイルバンキングからのスーパーアプリのコンセプト動画も以下に貼っておきます。


最後に

こうして色々まとめて思ったのは、1999年に立ち上がった日本のiモードは当時としてはアップストア的だったり、スーパーアプリ的なコンセプトでしたので相当時代を先取りして、モバイルインターネットの未来を見ていたんだなと思います。そして日本ではこのスーパーアプリのコンセプトはYahoo Japanのポータル化や2014年のKDDIのSuper Shipの挑戦など、昔からスーパーアプリ的な取り組みが多かった様に思います。

ただし、アメリカの事例からも分かる様に一度出来上がってしまうとなかなか新しいサービスが出て来づらいというのがあるので、今はGAFAですが、これからはローカルスーパーアプリが主流になりそうな感じです。


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