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【Jリーグサポーター向け】実はすごい?にじJ1クラブコラボ講座!!

今年もにじJ1クラブコラボの開催が決まった。

サッカーとVTuberという全くもって異なる界隈とのコラボレーション。年齢層も趣味趣向も違うもの同士が交わるこのコラボレーションには、好意的な声よりも否定的な声が飛び交った。

たしかに昨年のにじJ1クラブコラボはライバーやリスナーからの反応もまちまちで、全体を通して見ると盛り上がりにかけるコラボレーションであったことは否めない。

しかし、一部のライバーが積極的にサッカー観戦 に興味を示したり、サポーターとリスナーの間で双方のコンテンツの布教活動が行われるなど、局所的ではあるが大きな盛り上がりを見せていた。

特にこのコラボレーションをきっかけにサッカー観戦に興味を持ったライバーの中には、プログラム終了後も配信やSNSを通じて担当クラブの応援活動を継続していたものも複数人確認されている。

そして今年、その盛り上がりが認められ、二度目のにじJ1クラブコラボの開催が決定。「コラボの絆をみんなで大きくしよう!」という昨年の結果を鑑みたと思われるキャッチコピーも付けられた。

今年は、昨年の声を覆す盛り上がりが待っている。

このnoteでは、そんなにじJ1クラブコラボとはなんなのか、簡潔かつ徹底的に解説していく。

VTuber・にじさんじとは?

VTuberとは、「2DCGや3DCGのアバターを用いて動画投稿・生放送を行うYouTuber」のこと。

簡潔にまとめると、「二次元の体を纏って活動するYouTuber」だ。つまり、見た目が二次元であるだけで、HIKAKINやはじめしゃちょーといった有名YouTuberと何ら変わりない人間として活動している。その点において、多数のユーザーや原作者によって形作られる初音ミクなどのボーカロイドやアニメキャラクターとは大きく異なる。

2021年時点で約16,000人以上のVTuberが活動しており、その中にはJクラブに所属・協力して活動するVTuberも存在している。

そんなVTuberの中でもトップクラスの人気を誇るものたちが所属するのが、ANYCOLOR株式会社が運営するバーチャルライバーグループであるにじさんじ

所属VTuberは総勢160名以上。10〜30代前半の若者を中心に人気を博しており、グループ全体のチャンネル登録者数合計は4600万人以上にも上る。

彼らは皆、生放送を中心に活動しており、配信内容は人それぞれで多岐に渡る。VTuberそれぞれが持つ個性やグループの強みを生かしたコラボ配信や大型企画がにじさんじの魅力の一つ。「バラエティ番組」や「ゲーム大会」、果ては「無人島生活」など様々だ。

にじJ1クラブコラボとは?

では、肝心のにじJ1クラブコラボとは一体なにものか。

にじJ1クラブコラボはその名の通り、にじさんじに所属するVTuber18名とJ1の18クラブのコラボレーション。昨年は楽天コレクションを通じたコラボグッズの販売やVtuberのSNSを通した応援活動、一部試合でスペシャルプログラムが開催などが行われた。

今年は「コラボの絆をみんなで大きくしよう!」の下、更なる企画の発表が予定されている。

また、一部のクラブとVTuberのサポーターとリスナーの間で、双方のコンテンツの魅力を布教しあう交流が行われるなど、局所的ではあるがプログラム外で大きな盛り上がりを見せた。

また、ほんの数名ではあるが、コラボ終了後も担当チームを応援し続けたVTuberもいた。特に代表的なのがサンフレッチェ広島を担当した静凛で、今シーズンに入ってからは毎試合同時視聴会を開催している。

にじJ1クラブコラボが与えた影響

各クラブを担当したVTuberそれぞれが、クラブと同等かそれを遥かに超える影響力と若年層のファンを持つインフルエンサー。局所的に生み出された盛り上がりの背景には、やはり彼らの力があった。

まず、筆者の私観であるが、このコラボレーションで盛り上がりを見せたクラブとVTuberを列挙する。

・横浜F・マリノス×アクシア・クローネ

・湘南ベルマーレ×白雪巴

・清水エスパルス×伏見ガク

上記した3クラブ×VTuberに共通するのは、VTuber本人が積極的に観戦の様子やクラブの魅力を発信したことだ。これにより、リスナーにクラブに対する興味を、サポーターにVTuberへの関心を持たせることに成功している。

横浜F・マリノス(以下横浜FM)を担当したアクシア・クローネ(2022年11月をもって引退)は、コラボ開始直後の配信の中でリスナーと共に横浜FMの勉強会のようなものを実施。ともに勉強をしていく中で興味を高めたことにより、リスナーの横浜FM関係のツイートが増加。これを見た横浜FMのサポーターからアクシア・クローネを見てみようという機運が高まり、結果として交流が生まれ双方の魅力を布教するという流れが出来上がった。

また、アクシア・クローネが配信内で横浜FMの攻撃的サッカーを参考に、ゲーム実況中に攻撃的プレーする際の掛け声として「モードマリノス」という単語を生み出したのも、双方にとって好印象だった。

湘南ベルマーレ×白雪巴、清水エスパルス×伏見ガクもこれに似た流れではあるが、ここはライバーの動きよりも前にサポーターが動き出していた。湘南ベルマーレはゴール裏に足繁く通うサポーターが多数の人脈を介して、清水エスパルスはサポーターであり漫画家である松原ミホさんやVTuber好きでYouTubeでも活動しているグレモルさんなどのインフルエンサーを介して、一気に輪が広がった印象がある。

ただ、この二人はそれに加えて、コラボレーションが始まってすぐ現地観戦に訪れた影響が大きい。

サポーターを中心とした発信とVTuber本人が観戦の様子や感想を配信で話したことで、サポーターとリスナーの関心がさらに高まり、双方の交流の流れが加速していった。

さらに、この3クラブ×ライバーの場合は交流に過程で布教専用のハッシュタグが作られたことも大きかった。結果的にスタジアムで応援メッセージの放送やコラボイラストのパネル・専用ユニフォームの設置などのスペシャルプログラムも開催された。

昨年のにじJ1クラブコラボの記録

上記3クラブ×ライバーが一つの成功例だが、ここまで至らずともクラブとライバーの間で良好な関係を築かれた例もある。

例えば、ともに私が応援する北海道コンサドーレ札幌×雪城眞尋の場合は、コラボ期間中に公式サイドでやり取りが行われていると配信で話しており、クラブの招待により現地観戦にも訪れた。雪城眞尋本人もコラボレーションの有無に関わらずシーズン中は応援ツイートや配信での反応を続けていたため、盛り上がるとまではいかないものの、それぞれの認知度は徐々に高まっていった。

サンフレッチェ広島の応援ライバーに就任した静凛は、コラボレーション開始直後に現地観戦に訪れ、DAZNとも契約。同時視聴配信を行った回数もぶっちぎりで多く、リスナーからのサンフレッチェ広島の認知度や好感度は非常に高い。また、サンフレッチェ広島もマスコットキャラクターのサンチェくんを通して静凛の発信に積極的に反応。試合でも静凛のグッズやオリジナルゲーフラを持って応援活動を行なっていた。


FC東京×成瀬鳴のコラボレーションも興味深い。当時FC東京に所属していた三田啓貴が「エイペックスやりませんか?」とリプライを送ったことをきっかけに、同じくFC東京に所属する渡邊凌磨選手とFC東京サポーターで有名なYouTuberなコハロンさんを交えたFIFA実況コラボが実現。その後もFC東京公式Twitterが成瀬鳴の誕生日おめでとうツイートをしたり、国立競技場で行われた試合に招待するなど、好意的な関係が築けている。また、成瀬鳴本人は元々FC東京サポーターであり、ユニフォームを買ったり自費で現地観戦に何度も訪れるなど、ガチで応援をしている。

終わりに

いかがでしたでしょうか?

簡潔な内容になってしまいましたが、皆さんの理解のお役に立てたら嬉しいです。

vtuberやにじさんじは世間一般から懐疑的な目で見られることは少なくありません。しかし、先入観を捨て去ることが出来れば、その先にはいくつもの面白いコンテンツが広がっています。特に"ニコニコ文化"が好きだった方々には刺さるコンテンツが多いと思います。

そして、このにじJ1クラブコラボの1番の魅力は前述したファンとサポーターの交流だと思います。互いに情報を提供し合い、コミュニケーションをとって相互理解を図る。そして互いの界隈に人が行き来するようになる。サポーターの高齢化が進むJリーグにとって、若年層をメインとすうにじさんじ界隈を引き込むことで得られるメリットについては、もはや語るまでもないでしょう。

また、その逆もまた然りで、30〜50代のリスナーが少ないにじさんじライバーがサポーターを取り込むことが出来れば、新たなファン層を開拓することができるかもしれません。

サポーターもファンも応援するコンテンツが違うだけで、どちらもオタクであることに変わりありません。両者がコミュニケーションを取り続ければ、両界隈がさらに盛り上がるようになるかもしれません。

これを機に、サポーターのVtuberとにじさんじへの理解が進み、このコラボがさらに盛り上がるように期待したいです。

それでは、今回はここでお暇したいと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。



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