ウィスパーボイス

「夫の声が小さい」

この一文だけで、一体世の中の何人の奥様が「わかる~」と思うのだろうか。インスタでフォローしている育児アカウントで数回見たし、本でも幾度となく見かけたことがあり、その度に「わかる~」と頭をぶんぶん振っていたのは私です。

夫の声が小さいことは、結婚当初は許容範囲内でした。あらやだ、私の声が大きすぎるのかしら?とさえ思っていました。が!しかし!子どもが1人、2人と増えてきたころから夫の口がパクパクしていることに対して、「え?」「なんて?」を繰り返す日々。そう、子どもの声はバカでかい。どうやら音量調節機能を携えていないようで、寝起きから寝付くまで音量マックス(←我が子らだけ?)。"賑やか"なんて可愛い感じではなく、"騒音"と言っても過言ではないほどの、文字通りの騒がしさ。更には子どもの内一人が私に話しかけると、もう一人が負けじと強引に話しかけてくること多々。。そんな環境ではお腹の底から声出してくれないと、旦那の声は聞こえない。

旦那という生き物は、「もしかしたら妻(私)は自分(旦那)も子どもの一人として認識してくれている」、つまり自分の音量は変えなくても、何度でも妻は聞き直してくれる優しい生き物、と盛大に勘違いしているのではないか、と思うこともある。私の中では"ウィスパーボイスのアラフォーオジサン"という括りなのだけども。

例えば、初めて行くスーパーにて。下の子を抱っこひもの中、上の子をカートの座席に乗せカートを押す私。片や手ぶらの旦那。(心の叫び:私はリュックも背負っているのにーーー!)

私:グラタンの素どこにあるか店員さんに聞いてきてくれる?私、鶏肉コーナーに行ってるね。

旦那:え。あ。うん。(実際は、え。あ…←ここら辺で私は消え去っている)

暫くしても旦那が合流しないので、捜索しに行くと店内をうろつく旦那を発見。

旦那:…。無い。

私:店員さんに聞いたの?

旦那:…。まだ…。(実際は、最初の沈黙で私は店員の元へカートを方向転換)

人に声をかけるのが苦手な旦那。声が小さいがために、聞き取ってもらえない不安があるのか?私もこう見えて(どう見えて)、激しく人見知りなので他人と会話するのは大の苦手である。だけども、スーパーで欲しいものがある、探しているという状況では全く気負いせずに話しかけられる。だってさっさと帰りたいもん。

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんのエッセイ本、「ダーリンの進化論」にもほぼ同じことが書かれていた。TVで拝見して、あれ?私この人と頭の中似てるかも?と気付いてから、ちさ子さんフリークの私としては、あぁ…やっぱり私はちさ子さんで旦那はちさ子さんの旦那様のよう、と嬉しいやらなんやら。。

夫婦は凸凹だ。性格が似ているところばかりでは成り立たない、多分。家事分担も出来ることを出来る人(=得意な人)がやると良い、多分。何故"多分"をつけるのかと言えば私が、時々旦那に対して無性に腹が立ち、拒絶したくなることがある未熟な妻だから。お互い様だよね、多分?

他人と生活を共にするのは楽ではない、ということは結婚1年目で学んだはずなのに。この春で結婚10年目。どうなることやら。




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