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「夜天一族」第三章「沈まぬ月の都」

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#双子

「夜天一族」完結章

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完結章 「彷徨う小鳥」サマヨウコトリ

月面都市空港「MOON CITY AIRPORT」から飛び立ち、ミクロトンネルを通過した高速シャトルの目前には美しい青い惑星が浮かんでいる。
「本当に美しい星ね。早く降り立ちたいわ」
窓の外に映し出されている青い地球にうっとりとユージニーが呟いた。
宙の漆黒に映える水を湛えた青く輝く美しい惑星が、自分達を歓迎してくれているようにも思う。
「ワクワクするでしょ

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「夜天一族」第十一章

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第十一章 「銀河の中心にあるのはブラックホールの際限ない収縮」
ギンガノチュウシンニアルノハブラックホールノサイゲンナイシュウシュク

「お帰りなさいませ。菫青様。星葉様。本日はお疲れ様でございました」
「夜天家」月の邸に戻った双子を出迎えたのは、独り留守を護っていたオリオン三兄弟の一人ミンタカである。
「「ミンタカ、ただいま~」」
双子が同時にハモッた。
「「お帰りなさいませ」」
「「!?」」

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「夜天一族」第二章

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チャネリングファンタジー小説

第二章 「月の聲が聴こえる」ツキノコエガキコエル

銀河に流れる唄声は月面のサテライトスタジオより各惑星に生中継されている。
ミクロトンネルの開通により惑星間の距離が縮まって等しい。
三次元地球も多少の次元上昇により、 他惑星との次元差がそれほど感じなくなっている。
年号が宇宙暦となり、今は昔の地球が西暦二千年代の頃に発達した動画投稿サイトがより進化したお陰で、 太

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「夜天一族」第三章

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チャネリングファンタジー小説

第三章 「沈まぬ月の都」シズマヌツキノミヤコ

月と地球間には次元を越えるためのミクロトンネルが存在している。
そのトンネルを通過することで、地球と月との次元移動が可能となっているため月の人間だろうが、地球の人間だろうがトンネルを越えれば身体は星々の重力に慣らされる。
二人を乗せた高速シャトルに月面空港到着を告げるアナウンスが流れた。
「着いたー!久しぶりのツッキー

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