【金剛バス】河内線(平石線)の旅・終わりに
金剛バスさまの河内線の終点の河内停留所からもう一つの終点の平石停留所へと歩くことにしました。
河内からの道は軽い山越えがありましたが、坂道は緩やかでそれほど苦労はありません。途中には展望台があり、富田林の街並みを見下ろすことができました。
河内停留所から1時間ほど歩いて平石地区へ着きました。平石地区は棚田の美しい集落と知られ、「つなぐ棚田遺産」に選定されているそうです。山間には稲刈りが終わった冬の棚田が広がっていました。秋に訪ねていれば素晴らしい景色だったのかもしれませんね。
河内線のもう一つの終点の平石停留所は集落の中にありました。こちらには上ノ太子駅前からの畑・平石線も乗り入れています。
便利なバス停と言いたいところですが、どちらも本数は多くありません。富田林駅前からも上ノ太子駅前からも平石への路線は代替がなく、金剛バスさまの廃止で路線バスはなくなります。
野焼きの煙の向こうに緑色のバスが見えました。
棚田の美しい河南町の平石地区
冬の田んぼが広がる集落の中を走り抜け、金剛バスさまの平石行きのバスがやって来ました。
平石に到着した金剛バスさまの河内線のバスは一度右側に確保された転回用のスペースに頭を入れてからバックで民家の合間にある停留所へ着車しました。
金剛バスさまの路線を乗り撮りして色々な停留所を見てきましたが、ここ平石の転回は特に厳しいですね。
平石を発車した金剛バスさまの富田林駅前行きは棚田の広がるのどかな景色の中を走っていきます。道路はバスが走るとは思えないほど細く、対向車とのすれ違いには気を遣っているようでした。
富田林市街に戻り、この日6回目の金剛大橋を渡りました。終点の富田林駅前が近づき、聞き慣れた森田夕里さんの声で「金剛バスのご利用をまことにありがとうございました」とアナウンスが流れました。
富田林駅前に到着しこの日一日お世話になったバスたちを眺めて帰ることにしました。
すでに発表されているとおり、「金剛バス」を運行されている金剛自動車さまは12月20日の営業をもって乗合バス事業を廃止し、廃業する方針だそうです。原因は乗務員不足とされていますが、実際に旅してみて人口の減少や過疎化、そして、コロナの影響といった事業環境の悪化も垣間見ることができたように思います。ただ、趣味の人間の一人にすぎない私の立場では詳しく言及することは避けたいと思います。一つ印象的だったのは、そんな状況でも、決して荒んだ雰囲気ではなく、いつも通りバスが運行されていたことでした。
この記事の公開時点で事業廃止まで残すところ1週間を切りました。最終日の最終便まで無事故で安全に運行されることを心より祈っております。また、自治体や他事業者さまが代替するようになってからもこの地域の足が守られていくこともあわせて祈りながら富田林を後にしました。
最後になりましたが、私の訪問の際にお世話になった金剛自動車の乗務員や窓口の係員の皆さまに御礼申し上げます。
ありがとうございました。
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