神の傘を離れるにはまだまだ早い


花は愚直なまでに己を全うする。

大地に根を張り

太陽の光を求めて伸びる

風に逆らわずしなやかにでも倒れないような絶妙な堅さで

他のものを気づかうように

ゆっくりと優しく伸びる

そして役目が終わったら

後の者の肥やしとなって朽ち果てる

そこには自分の個性やオリジナリティーをだそうなどという意図は殆ど見られない

ただ愚直に己を全うしている

片や

それとは全く違うものになろうとするもの達が現れた

それだけでは満足できずに

身の程もわきまえず

己を主張しだすものが

色々な理屈を考えて

思考錯誤しながら

失敗を重ねながら

歩んできた

上手く周りと溶け込めるのではと思われる時もあったのだが

全ては変わる

彼らは新たな力を手に入れた

それは初めは小さな弱いものであったが

あっというまに大きな強いものに増殖していった

彼らはそれの虜になった

まるで麻薬に溺れるかのように

離れられなくなり

使う量も増えていった

そして彼らはどんどん弱く貧しいものになり

自分達を育み共に歩んできたもの達を

蹂躙し 辱め 踏みにじり 

その度に 何かを消し去るかのように 嘲笑った

一方で 彼らの崇める

その力は更に強く大きなものになっていった

いつの間にか完全に主従が逆転していた

彼らの理屈はもうその力を制御する術を持たなかった

そして その力は 日々 彼らを

蹂躙し 辱め 踏みにじり 爆音を轟かせ 雄たけびをあげていた

それでも 哀れな彼らは 未だにその力を制御していると思い続けて

何かを 嘲笑っていた

まるで 天が 彼らを そうするかのように


2019年2月16日 mixiにアップしたものを、転載しております。

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