祟り


ある国が突然の目を見張るような経済成長を成し遂げ

世界中の国々は

その国の人々が自分達の国にもっともっと大勢訪れて

びっくりするような小銭を沢山沢山落としていってくれるように

必死に知恵を絞って競い合っていた


しかし、一方では

その国の人々は粗野で無教養だったため

訪れた国々の神様に大変失礼なことを平気で行っていた

どの国でも神様はそれらの行為をとてもお怒りになっておられ

時には自ら窘めたりしておられたのだが

粗野な彼らには全く効果がなかった


それに加えて

自分達の神さまが怒って対処に困っておられるにもかかわらず

それらの国々の人々は

小銭欲しさに 

その行為をきつく咎めることもせずに

黙認していた


或る夜

世界中の国々の神様がお集まりになって相談をなされて

他国の神様に対して無礼な行いをしたその国の者達を

全て流行り病にすることになされた


その後

その病はその者達だけでなく

あっと言う間にその国中にそして殆ど時を経ずして世界中に伝播した


それを受けて

あらゆる国々が悔い改め行いを正していったのだが

しかし、その中で一国だけは

失った小銭のことばかりを何時までも考えて

全く悔い改めることをしなかった

その後

最初に病気の発生したその国ですら

悔い改めて神々に許されたのだが

そんな中でも

その一国だけは何時までも許される兆しすら一向に現れることはなかったのだった






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