027 私の周りにいる女性が秘書に抜擢されていくのは何故だろうか?


1.七不思議

何故か私の周りやプロジェクトに係わったメンバーから重役秘書が何人も輩出される。従業員規模3万人を超える大企業なのにとても不思議だ。私は人事部でもない、総務部でもない、ましてや社長室長でもない。私はただのプロジェクトマネージャーだ。
人事:「○○さんが次期社長秘書としての候補なのですが、、、」
 私 :当の本人に事情を伝える。
本人:「何かの間違えでしょう、私には秘書なんて務まりません。
   そもそもそんな事考えたこともありませんし、冗談でしょう」
まあ、皆当然の反応だ。
○○さんは何かの業務を担当し、そこで真剣に真直ぐ働いているだけだ。秘書になりたい等と考えたこともない、ましてや想像もしていなかったと思う。
サラリーマンとしては、社長から顔も名前も知られていない一介の部員から、突然社長の側近になるというのはかなり有難い事だ。そういう世界に身を置くことで、これまでとは次元の違った新しい出会いやめぐり逢いが訪れることは十分ある。メリットだ。
 
一方で、大奥の様な世界に入るのはそれ相応の勇気も必要だろう。会長>社長>副社長>専務・・・という肩書ヒエラルキーがそのまま秘書にも付いてくる。これまでの経験や本来やりたい仕事とのギャップもあり大いに悩むことも必至だ。デメリットだ。

しかし結果的に皆、秘書になった。

2.社長はどういった人を秘書として欲しいのか?

考えてみよう
 社長は常に「発見」と「判断」を模索している。
社長にもなると周りには忖度する人ばかりが増えてくる、当然だ。
では、情報収集能力が高い人材を必要とするのか?秘密を守れる人が欲しいのか?
これまでの歴史を振り返ってみると、
・企画上がりの社長は営業から
・経理上がりの社長は開発から
・開発上がりの専務は調達から
・開発上がりの社長は企画から
・国内営業上がりの社長は海外営業から
こうやって見ると、自分の経験値が薄い部門や、発想の根源が異なる部門からの採用が多い。もしくは係わりを強化したい部門からの採用を意識しているのかもしれない。少なくとも秘書としての立ち居振舞いが整っている人が必要だとは思っていない。欲しいのは、
※ 気軽に意見を聞きける
※ 自分の弱い分野の経験値を素朴に持っている
※ 自分の知らない地べたの情報や経験を持っている

そんな人を身近に置きたいのではないだろうか。加工された情報や報告ばかりだからこそ、生情報や素朴な感覚値が重要となる。

 3.秘書に向いていない、なりたくないと「思っている」人の最大の強みとは

現場を知っている事。自らの実務をこなしてきた経験。これが最大の強みだ。社長自身が長年強みを持つ領域なら経験値があり、嘘も事実も見分けが付く。しかし、経験値が乏しい領域には勘が聞かない。だからこそ忖度の無い現場上がりの無垢の秘書が欲しい。

秘書としての立ち居振舞いを勉強する為に社長室や秘書室に勤務後、重役秘書になるのが一般的と思われるが、以外とそうではない。「準備万端、今すぐにでも秘書になれる」人程なれないのはこういった事情からかもしれない。

4.何故、私が係わった人が秘書に

目標を掲げてそれを達成する為に活動する、それがプロジェクト。
メンバーは課せられた役割を達成する為に力を合わせ、お互いの仕事を理解し、助けて助けられる。メンバー同士普通に話し、普通に話を聞き、仕事を前進させ成功に導く。純粋にそれが出来ていた。こういった活動が輝き、目に留まったのかもしれない。
私のプロジェクトメンバーであったり、仕事で係わった人が目に留まり、新たな世界に身を移していった事はとても誇りに思う。一方で、彼女たちの人生にメリットはあったのだろうか?嫌な歴史を作ってしまったのではないか?とそこだけが心配だ。しかし予想もつかなかった経験値を身に着けられたことが人生の大きな価値になったと切に願いたい。


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