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004 プロジェクトにおけるビジョンの役割

ビジョンは自分で描くからこそビジョンであり、他人から与えられるものではない。そしてビジョンを描けるから周りを巻き込み、困難を乗り越えることが出来る。

1. 巻き込み力

「巻き込み力」という言葉を聞いたことがあると思います。働き方改革は今後さらに進み、これまでの常識的なリーダーシップ論はさらに変わっていくことと予想されます。そして企業の人事考査や昇格考査において「巻き込み力」レベルの占める位置はさらに大きくなってきます。

周囲の雰囲気を変える時、貴方がその場の空気感を作る役割を演じることが出来ますか?巻き込むには理屈理論だけでは難しいものがあります。この人と仕事して成功できる?ワクワクするか?何か一緒に発見できるかも?という期待感があって初めて「巻き込み」が完了します。

「人柄がいい」事が絶対でしょうか?強烈なリーダシップが必要でしょうか?もちろんそれらを武器に出来る人は問題ありません。でも、それが似合わないキャラの人も居るはずですよね。貴方に合わないキャラで勝負を仕掛けるのはあまり得策ではありません。あまりにも貴方に負荷がかかりすぎてしまいます。

2. キャラを造ろう

プロジェクトを安定して進行させるためにはなるべく自分をニュートラルな位置に置いてくというのがとても大事だと考えています。事件は突然に、トラブルは思わぬ所から、がプロジェクトのよくある姿。自分の視覚が広いと思っていても、突然ブラインドから嫌~な報告が入ります。

こういう時、前方を見ていたチームメンバーが一斉に振り向き「どうしますか????」となるわけです。

勇者:何のことは無い、これまで通りに進めー(やはり、そう見るか)
賢者:ちょっと待て、これはまずいんじゃない。まずは謝る。(なるほど)
天才:△△△の次に✖✖変更して、時間かせいだら?(????)
遊び人:〇○さんに相談したら?(マジ?)

貴方のキャラはどれでしょうか?(笑)人間の心理は結構面白くて、期待した答えが聞けると安心するもの。その期待というものは意外にも貴方の「キャラ」によって決まってしまうものなんです。

ここでメンバーを安心させる為に取る手段は「貴方のキャラをベースにした答えを出す」こと。そして少しプラスαを添えること。これが出来るようにするためには自分をニュートラルな位置に置いてくということが結構大事なポイントです。何故かというと、感情が乱れると自分らしく無い解決策に向かってしまい、結局自らがそれをコントロールできなくなってしまうからなんです。負のスパイラルに入らないためにもニュートラルポジションは常に意識すべきポイントだと考えてください。

キャラが浸透すると、周囲のメンバーは貴方が不得意とすることを助けてくれるようになります。何故か?それは貴方のキャラが理解されたからです。仕事の役割分担とは所詮人間がやることなので直線では区切れないもの。ジグソーパズルみたいなものです。貴方の凹凸を分かりやすくするということは、他者がフォローしやすいという事にも繋がります。

事件やトラブルは必ず起こるもの。その種類もまちまちなので処方する薬や処置も異なりますが、最終的に必ず修復は出来ます。技術、交渉、お金という色々な解決方法があります。決して貴方が「人柄がいい」「強烈なリーダシップ」Typeでなくてもやり方は幾らでもあるのです。

3. ビジョンを造ろう

では、どうやってその治療をするか?やり方は? これはプロジェクトリーダーのキャラによって異なりますが、ここで改めてビジョンの意味が活かされるのです。手法や戦術はあくまでプロセス。ビジョンがあれば、なぜそれを使うかを納得してもらえます、いや貰い易いといえるでしょう。自分たちが大切にしているものがハッキリしているから。

逆にビジョンが無いまま進めたプロジェクトは誰がやっても事件の収拾がとても大変だということを是非覚えておいてください。危機に面すると人間の本性が現れるとはよく言われます。ビジョンが無いとこれが露骨になり空中分解する可能性が極めて高まります。ビジョンは、100%賛同されていなくても、認識されていれば「妥協」「理解」が得られるということに繋がります。是非、プロジェクトの初期にビジョンを練りましょう。

4.スピリットを決めよう

そして次に決めたいのが「スピリット」です。ここでちょっとだけ掘り下げてみますが、「行動の意義」というものを分解するとVision, Value, Mission, Spirit, Sloganといったものに分解されるようです。
詳しくは⇒ https://visions-prdx.jp/mission-vision-value#1-2
Vision: 実現したい未来
Value: 約束する価値と強み
Mission: 日々果たすべき使命
Spirit: 大切にすべき精神
スローガン:その企業、ブランドの合い言葉

スピリットこそは目標というより、「私たちが大切にするもの」といったエモーショナルなものでも良いと思います。巻き込んだ人、巻き込まれた人、参加したメンバーが「ここだけは外したくない」という何か「思い」の様な柔らかいもの。リーダーにとって、これだけでもかなりのパワーになるはずです。ビジョンやスピリットは強烈な個性やリーダーシップを持つ人だけが作れる特殊なものではありません。このメンバーで、何を大事に仕事を進めていくか。それを定めた「思い」だと理解すれば、どのようなキャラのリーダーにとっても必ずプロジェクトを成功に導く為の「お守り」になるはずです。




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