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016 採用人事とプロジェクトの深い関係

1. 貴方なら、誰を選びます⁇

私の海外駐在時代、現地mgrの採用面接の経験、とてもはっきりしていて面白いです。
Aさん:私はあなたの命令に必ず忠実に従います🤗
Bさん:私はこの分野でこれだけ多数の経験と実績を持っています🤗
Cさん:私はあなたと共にこういった事をやってみたいです🤗

実は、この面接の裏には隠れた事実があったのです。現地のリクルート担当が10名位の応募者に対して基本的な一次スクリーニングで3名に絞り込み、私の面接にセットしてくたのでした。3名は明らかにタイプの異なる方なのですが、彼女(リクルーター)曰く、「日本人のこれまでの管理職の方を見てきた経験上、人によって考え方が違う事を知りました。ボス型の人は結構A Typeを好み、失敗を嫌う人は B Type。そして、変革を好む人はC Typeを選びました」「判断はお任せします」と。

なるほど、現地社員も我々駐在員の事はよく見てますね。そして採用権限と責任は100%こちらだということを改めて認識させられました。

尚、日本の大企業における伝統的な役員クラスの人事はA+B+Cの要件が必須です♪ (私とあなたを入れ替えてみてください)

2. 新卒採用と中途採用

新卒採用と中途採用、いわゆる転職。日本、もしくは日本企業の場合ここにはまだまだ大きな意識の差があると感じます。基本、新卒採用は「期待値・伸びしろ・融通性で決定=Membership」中途採用は「即戦力で決定= Job」というのが常識と見ています。そして例に挙げた海外での採用は殆どのケースが「即戦力で決定= Job」です。更に、採用する側(つまり上司となる人)側が自分個人にとって必要な人を採用する権限がありますので例えば、自分の不得意な分野をカバーしてくれる、苦手なことをサポートしてくれる、と言ったかなり個人的な嗜好で採用することが多いのも事実です。よく、現上司が辞め、新しい上司が来たら部下を全取り換えなんて言うのは珍しくありません。だから採用される側も「この会社に長らく、、、」などと言った期待値はあまりなく、この目の前の人に好かれるかどうか?だけで勝負してきます。「目の前の人が好きか?今必要としている役割に答えられるか?」といった短期志向です。

これがJob型社会の直接雇用の典型的特徴だな!と当時の自分は納得していしまいました。この様に会社へのロイヤルティーよりも、Jobと上司との約束が大事。こういった背景から2-3年で再び転職という例はとても多く、転職の流動性も高いという実態になっていると思えるのです。これまでの日本は、経営も人事も長期目線。そして長らく続いたMembership型採用の生え抜き組と転職組が、まだまだ半々のような状態の会社が多いことから2種類の採用ポリシーが混在している社会。

一方、今の時代は大きな変革のうねりが到来していることから、新卒者にとって採用面接でどう対応するのが是なのか?という問題は昔よりもかなり難しくなってきていると感じます。今後、日本社会も転職組の方が多いといった会社構造に変化していくでしょう。そうした時、組織や働き方という面ではロイヤリティやヒエラルキーをベースとしたこれまでの組織構造では上手く機能しないのは自明です。さらにリーダーやマネージャーに求められる資質というのも変化してきます。こんなとき、転職組が多い組織こそJob型=フラットなプロジェクト型組織が有効になります。

3. フラットなプロジェクト型組織

プロジェクト型の利点については別記事で多数記述していますので、是非こちらをご参照ください♪

https://note.com/torinos2020/n/n722513499947

https://note.com/torinos2020/n/ne6dcfef5577d

https://note.com/torinos2020/n/n37e8a908ac92

ここでは、人事とプロジェクトという視点で、これは密接に関係しているという点をお話しましょう。

転職市場における自己プロフィール、特に職務履歴書では具体性を求められます。そこではどういったプロジェクトでどういった活動をし、どの様な結果をもたらしたのか?というフレームを良く目にします。これはもう、完全にJobを問うてますよね。メンバーシップ型採用で入社し、様々な人事異動で、出世を経験してきた総合職の方にとってはとても書きづらいかもしれません。

一方、プロジェクト型の業務であれば、何時どんなプロジェクトにどういった立場で参画し、貢献したか。プロジェクトの結果はどうだったのか?ということがかなり端的に記載出来ます。これはJob型採用市場にとっても親和性が高いと言えるでしょう。私は人事畑ではないのですが、Job型的な採用を推進していく為には、組織もプロジェクト制への移行という二つの変化を両輪で回していかなくては上手く進まないと感じています。

プロジェクトという明確な期限と目標があるJobをチームメンバーで同達成するか?そして、プロジェクト終了と共に、新たなプロジェクトに参画するのも良し、そこで腕を磨くのも良し、PL(プロジェクトリーダー)として手腕を発揮するのも良し。プロジェクトをチームで回すということは、どの人がどんな仕事をやっているのか?が分かり易いということでもあります。周りを見て、自分が出来る・出来ない・やりたい・やりたくないという判断をどんどん積み上げていける環境とも言えます。

人事採用とプロジェクト。実はとても密接な関係があるのです。

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