見出し画像

ご挨拶

ぼくは今、ベトナム北部の町で技能実習生を相手に日本語を教えています。技能実習生は日本で働く生徒たちですから、日本語だけでなく、日本の社会常識やマナー、日本で働く上での心得も教えています。

技能実習生と聞いてピンと来ない人もいると思いますので少し説明しておきます。

技能実習生とは、技能実習制度によって日本へ行き、働いて母国へ帰る研修生のことです。
技能実習制度というのは、途上国への技術移転を目的とした制度です。各国から人材を集め、日本で技術や知識を習得してもらい、それを母国へ持ち帰って、さらなる経済発展の一助にしてもらうという、国際協力の一環です。

これだけを読むと崇高な制度に思えてしまいますが、その実態は若い労働力の供給です。たとえ「そうであってはならない」と法第3条第2項に明記されていても、労働力の供給になっているのが実情です。
※詳しくは、いずれ書きたいと思います。

また、巷では「現代の奴隷制度」だとか「人権無視」などと糾弾され、何かと悪い方面で話題になっている制度でもあります。

あくまで真面目に、本気で教育に取り組んでいる身としては、自分の携わる業界がそのような角度から話題になるのは快いものではありませんが、否定できない面があることも確かです。

しかし、ぼくの仕事は目の前にいる生徒たちを育てること。これに尽きますので、制度批判や擁護など、あまり主張の強いことを書くつもりはありません。

日本語教育のこと、技能実習生のこと、ベトナムのこと、ベトナムに住む人々のことなど、日々思ったことを綴っていこうと思いますので、気軽に読んでいただければ幸いです。

ただ、もしかしたら「実習生の教育」という切り口でこの制度を見ると、また違った側面が浮き出てくるかもしれませんね。

少しでも読者の方に役立つものがあれば嬉しいです。よろしくお付き合いくださいませ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?