見出し画像

一滴も飲めなくても楽しめる『ワイン一年生』

今年はコロナもあり、家族がテレワークになりと、外に出かけることがほとんどありませんでした。

そんな中でも9月のはじめ、イタリアンが美味しいと評判の店ができたのを知り、夫の誕生日にかこつけて行くことに。

コースを予約し、ワイン好きの夫にはソムリエが料理に合ったグラスワイン3杯を選んでくれるオプションをつけました。

そこで「出てくるワインの違いを知りたいな」と、軽い気持ちでこの本を読むことに。

大ざっぱにわかればいいや、と流し読みするつもりが、読み進むうちにめくるめくワインの世界に没頭していきます。

読解不能だったワイン語がみるみるわかる

私はお酒がほとんど飲めず、ワインの種類でわかるのは色(赤、白、ロゼ)と甘口、辛口、大ざっぱな産地(国名)くらい。

しかしこの本を読むと、まずワインの種類は「ぶどうの品種」と「ぶどうの産地(地名)」が元になっているとわかります。

ボルドー、ブルゴーニュ、シャブリは産地の名前で、リースリングはぶどうの品種名。 なるほど。

さらにこの本では、ぶどうの品種ひとつひとつが愛らしいキャラクターとして描かれており、とても親しみやすいのです。

赤のカベルネ・ソーヴィニヨンは優等生、白のシャルドネはみんなのアイドル、といった具合に。

これがわかっただけでも、ワインの用語が読み解けなかった私の眼前に新しい世界が広がっていくようでした。

旧世界と新世界では掟が違う

さらに、ワインの世界は大きく2つに分かれているのです。

一方はワインの歴史が古い「旧世界」(主にフランス、イタリア、スペイン、ドイツ)、もう一方はワインの歴史が新しい「新世界」(主にアメリカ、チリ、オーストラリア、日本など)と呼ばれるのですが、旧世界のワインは一般的に「ブレンド」が主流で、「新世界」のワインは「単一」が主流となります。

このほかにも旧世界ではぶどうの品種よりも産地が重要など、旧世界と新世界ではワインの掟が違います。

なぜワインのラベルにお城が描いてあるのか?も産地に関係があるのです。『ワイン一年生』ではそんなワインの謎について、ひとつひとつ丁寧に解説されています。

この本を読んでから、カルディでワインの棚を見ても目が滑らなくなる、おしゃれめのコラムに「テンプラニーリョ」と書いてあってもひるまなくなるなど、人生にさまざまな楽しみが生まれました。

『ワイン一年生』はワインについて勉強する本ではなく、ワインの世界に入っていける本です。

肝心のイタリアワインは

この本の内容は、1/3がワインの基本、1/3以上がフランスワイン、残り1/3がそれ以外の世界という構成です。フランスワインの世界がどれだけ広いかわかります。

さて、肝心のイタリアワインについて。

イタリアで作られるぶどうの品種はめっちゃ多いのです。
どれくらい?推定二千種類くらい。
はい! ここで設定おかしくなりました!

むむ。あまりに自由すぎる。イタリアらしいエピソードと言えば言えなくもないのだが。

残念ながらイタリアンのお店で出てきたワインについても、詳細な解読はできずに終わりました。グラスワインだったため、ソムリエさんがグラスに注ぐ場面でラベルを見たのみだったのです。もちろん説明をしていただいたのですが、そこでスマホを取り出すのも無粋に思われました。

かわりに、美味しかった料理の写真を載せておきます。

画像1

画像2

画像3

前菜のチーズ(ブッラータ)がむちゃうまでした。他のお料理も食べ応えがあり大満足です。

ワインの種類はわからなかったけれど、美味しかったのでよしとします。まだ「ワイン一年生」なのですから、これからが楽しみです。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?