西荻を愛してやまない西荻スーパーラバー俺龍が、もっとみんなに広めたい「俺龍的西荻名店録」シリーズ。vol.3
久しぶりに西荻に帰ってまいりました!私!(ここのところ阿佐ヶ谷にお邪魔する機会が多かったので…)
少し間が開いてしまいましたが、俺龍さんシリーズ、実はまだ続いております!
(俺龍さんの西荻スーパーラバーっぷりは、俺龍さんInstagramからどうぞ!俺龍さん企画についての詳細はこちらの記事をご覧いただけたらうれしいです。)
今回お伺いするのは、俺龍さんから「まさに俺龍のホーム」とご紹介いただいたお店。
西荻窪駅南口から徒歩1分のところにあります、「ジンギスカン禅」さん。
俺龍さんが「普段はどこで飲まれているんですか?」と聞かれたら決まって、「禅です」と答えるというこちらのお店。
「良質な羊肉を安価に食べられるのが魅力のお店」と教えていただきました。「一見入りづらいお店なので、”気になっていたんです“とインスタでコメント頂くことが多いお店です」とも。
なんとも、そそられちゃうじゃないですか!ということで、私もお邪魔させていただくことにしました。
三軒茶屋にある立ち食いジンギスカンのお店「はやかわ」の2号店として、2017年7月19日にオープンしたジンギスカン禅。
この7月で3周年を迎えます。
お伺いすると、女性スタッフさん2人が開店準備をしておられました。
こちらのオレンジ色の髪色がよく似合う方が、店長のアヤさん。
この取材のために、午前中染めてきてくれたんですって!今年で24歳になる、若くてしっかり者の店長さんです。
「一応店長代理というポジションだけど、店長って言うとなんか気持ちが締まっちゃうので、平社員ですって言ってます。」と少し控えめ。
もうひとり、現在禅を支えているメインスタッフが、キソイさん (競さん、と書きます)。
2人が着ている、かわいいオリジナルTシャツやステッカーをデザインしているのは、キソイさん。元々イラストレーターとして活動していただけあって、とにかく絵もデザインもかわいい!
前職のアパレルを辞める少し前から禅に通うようになり、1人でお店を切り盛りするアヤさんに、「ひとりで大変そうやな、私入ってもいい?」と話したことがきっかけで、禅のスタッフになりました。
出来立ての看板の前で、パチリ!
禅オリジナルTシャツは全6種類あります。
イベントものだから、あえて明るい色をチョイスしたそうです。意外と、そんな色着るの?っていう色を皆さん買っていかれるんですって。1枚3,333円にて発売中です!(ドリンク1杯付き。)
ステッカーもあります。これは、ラムくんとマトンくんが組体操でサボテンのポーズをしてるデザインなんですって。おとぼけ顔のキャラクターがかわいい。
「前からずっと、女の人も入りやすいように、お店をPOP調にしたいと思ってたんですよね。私も絵とか文字は書けるけど、かわいい雰囲気が出せなくって。今はキソイが色々描いてくれるようになって、それがイメージ通りですごくうれしくて!」と話すアヤさん。
店先の立て看板も、2人の共同制作で日々更新中。毎回、超自信作です!
「もーほんとにこれいいわー」と、描きたての黒板をスリスリするアヤさん。
キソイさんの妹さんがアヤさんと同い年なこともあって、プライベートでもよく一緒にいるという2人。「キソイが休みだと、何してるのかなーって気になってLINEしそうになって、我慢してます」とアヤさんは笑います。
息もぴったり、いつも明るい、かわいい看板娘2人です。
オープンすると、早い時間から、ご予約のお客様がご来店。
注文が入り、ドリンクをキソイさんが。
アヤさんはお肉の提供に入ります。
まずは炭の準備から。
禅のジンギスカンは、一般的なジンギスカン鍋を使わず、炭火の網焼きで羊肉をいただくという、斬新なスタイル。
他のお店がやってないことをしたいという、オーナーの意向からです。
「炭火の香りを楽しめて、ひとりでも気軽に食べられるっていうのがうちの炭焼きのいいところです!」とアヤさん。
お肉も、一枚一枚手切りで提供しています。
元々はネイリストのアヤさん。実は、禅が初めての飲食店勤務です。
「自炊するタイプでもなかったし、ここで働くようになって、包丁の握り方から教えてもらって。最初は自分で塊肉を買い取って、ずっと練習してました。」と話します。
そうとは思えない、みごとな包丁さばき!
「これが羊のタンです。けっこうリアルですよね?サイズ感とか。最初は人の舌を連想しちゃって、切れなかったんですよー。」
話しながら、裏表に、丁寧に切り込みを入れていきます。
これは、ラムラック。骨付きの肩ロース。
かなり厚みのあるお肉なので、焼くのがすごく難しいそう。厨房で、丁寧に弱火でじっくり焼き上げてからお出しします。
焼き上がりが、こちら。ステーキみたいに肉厚でジューシー!お好みでわさびを付けて。
羊のお肉って、ラムとマトンくらいしか知らなかった私ですが、禅のメニューには羊の様々な部位があって、本当に驚きます。
「羊でもけっこういろんな部位が食べられるんですよ、タンとか内臓レバー系とか、脳みそとか。」
実際に、マトンのもも肉を解体するところを見せていただきました!
大きな塊肉を、素早く鮮やかに解体していくアヤさん。
丁寧に脂身を削ぎ落とし…、
あっという間にマトン肉を切り出します。
「うちのお肉は氷温熟成肉って言って、凍らないギリギリの温度で熟成させたお肉なんです。冷蔵よりもいい状態をキープできるし、旨みも栄養分もさらに増していて。だから新鮮でおいしいんです。」
「炙り焼き刺しっていうメニューがあるんですけど、生でも食べられるくらい鮮度がいいのはめちゃくちゃ自信がある。状態を見て、怪しいかなっていうお肉は絶対出さないし、今日100いける!っていうものしか出さないです。」とアヤさんは断言します。
脂の部分を少なくしたり、厚切りで切り出したり、お客さんの好みに合わせて切ってくれるのも、アヤさんの腕。
「そんなこと聞いてくれるお店、ほかにないよ!」と常連さんは言います。
西荻の夜がふけていき。
いつのまにかカウンターは常連さんでいっぱいに。
男性だけでなく、女性のお客さんも多いんです。
「女性ひとりで焼肉って、なかなかハードル高いと思うんですよ。でも、うちなら、女の人が中に立ってるし、ひとりでちょっとお肉食べたいなって時に、すごい入りやすいと思う。
私も最初は人に連れてきてもらったんですけど、次からはひとりで来て食べてましたもんねー」とキソイさん。
「ラムユッケめしっていうメニューがあるんですけど、女性2人組で、ドリンク一杯とそれだけ食べてサクって帰られるお客さんがいたりして。ほんと、晩ごはん食べて帰るみたいな。そんな使い方してもらうのも全然あり!」と、アヤさん。
一見入りにくそうに見えて、入ってみたらすごく居心地がいいのが禅の魅力。
だって、いつも2人が明るく笑っているから。
自然にこっちも笑顔になれちゃう。
私も、皆さんと一緒に乾杯させてもらうことにしました。
最初にいただいたのは、「おすすめ!」と教えていただいた、生トマトサワー。
禅の生トマトサワー、普通のトマトサワーじゃないんです。
少し甘いトマトシロップを使用したサワーで、中には生のトマトがいっぱい入ってる、まさに“飲んで、つまめちゃう”サワー。
市販のトマトジュースを使っていないから、フレッシュでさっぱりした飲み口。トマトシロップの優しい甘さが、飲みはじめにも、途中の休憩にもぴったりです。
フードも、いただいちゃおうっと!
最初にオーダーしたのは、季節替わりの浅漬け。今回はセロリです。
パリパリ歯応えを残した浅漬けは、胃を元気にしてくれそう。夏にはこういうおつまみがうれしいですよね。
待ちに待った、お肉焼いちゃいましょう!
俺龍さんがよく召し上がるという、ラムとマトンのハーフ&ハーフをオーダー。
ピンク色のお肉がラムで、色の濃いお肉がマトンです。
じっくり、炭火で焼いていただきます。ジンギスカンを網で焼いて食べるのは初めての体験!
目の前の自分だけの炭でゆっくり焼くのって、なんだかすごく贅沢な気分だ。
「ミディアムレアくらいでどうぞ」とアヤさん。お隣の常連さんが「もういけるよ!まずは塩で食べてごらん。」とタイミングを教えてくれて、パクリ。
んー、…おいしい!これ、本当に羊??
今までタレに漬け込んであるジンギスカンしか食べたことなかったんですが、そのまま焼いただけでもこんなにおいしいのか!と衝撃。全然、羊臭くないの。
ラムは柔らかくてプリプリ!お肉の甘みが口にふわっと広がるし、マトンは、しっかりと肉の繊維質を感じる噛みごたえで、羊肉らしい香りを楽しめる。
塩でも十分!時々、自家製のドロタレにつけても、ニンニクとタマネギの香りがまた食欲をそそります。
タンにも挑戦!これが、厚切りラムタン。
牛タン大好きなので、すごく気になってたんですよね。
丁寧に入った切り込みが、焼いているうちにパーッと広がってきて…
こんなにカリカリに焼きあがります。
揉み込まれたネギ塩がまた、いい仕事してる!牛タンとは全然違うおいしさ。
外はカリカリ、中は柔らかく。弾力のあるお肉を噛み締めると、ホルモンみたいな甘みが口の中に広がります。
「タンはこの切り込みがすごく大事で。そのままだとほんとに固くてとても食べられない。だから表も裏も切り込みを入れるんです。」とアヤさんは言います。
こちらは、ラムソーセージ。アメリカンスタイルの一本焼きです。
アッツアツをガブリと噛むと、スパイスの香りがスーッと鼻に抜けていく快感。
ほんのり苦味があって、スパイスの軽やかな風味もある、濃厚ソーセージ。これは極秘のレシピだそうで。お肉屋さんに特注して作ってもらっているもの。ぜひ一度味わってほしい!
お隣の常連さんが、「ラムシューマイがほんとにうまいから、食べた方がいいよ!」とおすすめしてくれました。
禅イチオシの一品が、実はラムシューマイ。
注文するとアヤさんがひとつひとつ包んで、蒸しあげてくれます。
見て、この蒸し上がり!
きらっきら、トゥルットゥルのシューマイちゃん!
肉汁をいっぱい吸い込んだ柔らかい皮が、お肉と一緒に口の中で溶けていきます。
焼いたのとはまた違う、羊肉の柔らかいおいしさと甘みがもう、たまりません。
お隣の方が、「良かったらどうぞ」と分けてくださったのが、こちら。
肩ロースの炙り刺し。
お好みで、炙りながらいただきます。
私もいただいてみましたが、ほんとに新鮮なお刺身!馬刺しみたいなクセもなく、羊くささももちろんなくって、爽やかなお肉がスルッと喉を通っていきます。
脂身も重くないし、いくらでも食べられそう!これ、ハマるの分かります。
お、あちらではアヤさんがまかない用のお肉を焼いているみたいです。
わいわい焼くのも、楽しそうだな。
まかない中の、キソイさん。
常連さんが、「ラムロールは食べました?絶対食べた方がいいですよ!」と推してくださいましたので、食べてみることに。
普通のお店では、余った肉をラムロールにしているそうですが、禅では、きちんとラムロール用の薄切り肉を切り出して作っています。
この、つけだれもポイント。自家製のドロタレにクミンと、卵の黄身をトッピングしています。「黄身がついてくるのはこのメニューだけなんだから!」と力説する常連さん。
黄身を溶いて、いただきます!
言うなれば、すき焼きみたいな贅沢なお味なわけで!
薄切りのラム肉に、ドロタレと黄身がからんで…
アヤさんもこの顔ですよ。食べたらみんなこの顔になっちゃう!
こちらも、おすすめの一品。ひつじ煮込み。
お肉を切り出した時に、小さく余ったお肉を集めて、味噌煮込みにしたメニュー。お肉を余すところなく使い切りたいと考えて作りました。
小さいお肉の数が集まるまで時間がかかるので、常にあるわけではありませんが、煮込んだら次の日にはなくなってしまうこともあるくらい人気のメニューです。
「たまにタンの切れ端があったりして、食べてて楽しいですよ」とキソイさん。
そうこうするうちに、閉店時間も近づいてきましたので、私も、最後の締めをいただこうかと。
頼んだのは、北海道名物のコアップガラナハイと、
待ってました…!ラム炙りユッケ。
禅のユッケは、熱々の鉄板でのご提供なんです。
しかも、ユッケに、キムチ・玉子・ドロタレ・大和芋のトロロと、ネギ塩がトッピングされている、超超豪華ユッケ。
食べ方なんてない!ぐっちゃぐちゃにかき回して、アッツアツをほおばるのみだ!!
悪魔的にうまいです、このメニュー。ごはんと合わせたら最強でしかない…。(炙りユッケめしは+100円でオーダーできますよ。)
みんなでしゃべって、一緒に飲んで、楽しい時間はあっという間です。
早い時間に席が空いていて、「取材だけど席空いてるから飲みに来てー!」って呼びかけたらあっという間に満席になってしまったくらい、西荻の人達からめちゃくちゃ愛されている2人。
休業要請に伴い、お店を少し休んだり、時短営業せざるを得なくなった時にも、「休まなきゃいけない、短くしかできない、そんな色々あるなら、プラスにとらえて楽しむほかないよね!その方が禅らしくてすてき。」と、前向きに取り組んできました。
「アヤちゃんが頑張ってるから!アヤちゃんで持ってるんだよ!」と常連さんは言います。
「ネイルをやってたら、1日2〜3人のお客さんとしか会えない。でも、この仕事をしてたら、1日にたくさんの人に会えて、話ができるから。それが今はめちゃめちゃ楽しいです。」とアヤさんは言います。
お店に入って2年間、ずっとお店を盛り上げてきた頑張り屋さんなアヤさんと、それを支えるキソイさん。
今一途にお店を作りあげているこの経験が、2人のこれからの未来に大きく実っていくんだろうなと、私もたくさんパワーをもらいました。
一見すると入りづらい、狭めの入り口だけど、勇気を出して、黄色い扉をくぐってみてください。
いままで味わったことのないくらいおいしいジンギスカンと、
疲れを吹き飛ばしてくれる、元気で明るい2人が、あなたをお出迎えします。
ーーーーーーーーーーーーーーー店舗情報ーーーーーーーーーーーーー
ジンギスカン 禅
東京都杉並区西荻南3丁目10−4
Tel: 03-5344-9177
営業時間: 17:00-24:00
定休日: 火曜日
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